東日本不動産流通機構は12月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート(11月度)」を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比プラス11.1%の2ケタ増加となった。成約m2単価は前年比で1.2%上昇、成約価格は同2.9%上昇し、ともに2013年1月から71ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス1.7%であった。
地域別動向
- 成約件数はすべての地域が前年比で増加し、横浜・川崎市と神奈川県他、埼玉県は2ケタ増となった。成約m2単価は多摩と神奈川県他を除く各地域が前年比で上昇し、東京都区部は12年10月から74ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
※ザックリ言うと、先月と傾向はあまり変わっていない。
成約単価・在庫件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破。その後はやや鈍化気味(次図)。
18年11月の成約単価は50.82万円(前年同月比1.2%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる(次図)。
首都圏の成約単価が上昇しているのに在庫が増加傾向にあるのは、人気エリアの成約単価が平均値を引き上げているだけで、中古全体の需要は頭打ちになっているからなのではないか 。
以下のエリア別の成約単価・在庫件数の推移がそのことを示唆している。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇していたが、18年3月をピーク(70.21万円)に鈍化気味。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
各地区の内訳は次のとおりである。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
23区では、次の順に成約単価が高いことが分かる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
特に、都心3区の成約単価の上昇が著しく、18年8月に近年最高(119.37万円)を記録。
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、大きく波を打っている。
城東地区の在庫件数は3か月連続で増加。
まとめ
成約単価が上昇しているのに在庫が増加傾向にあるのは、人気エリアの成約単価が平均値を引き上げているだけで、中古全体の需要は頭打ちになっているからなのではないか 。
- 首都圏の成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように、13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破した後はやや鈍化気味。在庫件数は増加傾向。
- 都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇していたが、18年3月をピーク(70.21万円)に鈍化気味。在庫件数は増加傾向。
- 都心3区の成約単価の上昇が著しい、18年8月に近年最高(119.37万円)を記録。城東地区の在庫件数は3か月連続で増加。