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Airbnb違法民泊を削除、SUUMO賃貸で穴埋め?

サンフランシスコ市では、民泊の新規制に向けて、Airbnb登録物件が5か月で1万件から5,500件に半減した。

日本でも住宅宿泊事業法の施行(6月15日)に向けて、Airbnbサイトから大半の違法民泊が消え去るのか? そのときAirbnbと業務提携したリクルートのSUUMO賃貸がその消失分を穴埋めするのか? 


もくじ

AirbnbはSF市内の登録物件を一夜で2千件削除

サンフランシスコ市では、民泊の新規制に向けて、Airbnb登録物件が5か月で1万件から5,500件に半減した。新規制の期限である火曜日深夜には、2,080件がAirbnbサイトから削除された。

サンフランシスコ市内のAirbnb登録物件が半減

Airbnbは昨年9月以来、サンフランシスコの物件4,760件(火曜夜遅くの2,080件を含む)をサイトから削除したと発表。
まだ約5,500件をチェック中だが、昨年8月に1万件以上あった状況から劇的に減少したとしている。(以下略)

(サンフランシスコ・クロニクル 1月16日) 

Airbnb listings in San Francisco plunge by half

Airbnb said it has axed 4,760 San Francisco listings from its website since September, with 2,080 of them removed late Tuesday. The company said it is still crunching numbers, but it thinks it now has roughly 5,500 local listings, a dramatic decline from August, when it had more than 10,000.

(San Francisco Chronicle 1月16日)

 

Airbnbは昨年5月1日、サンフランシスコ市と和解し、登録が無効な物件があれば宿泊を申し込めなくするとしていた。Airbnb創業の地、サンフランシスコで実際にAirbnb登録物件が半分も削除されたことに驚かされる。

Airbnbは日本でも違法民泊を削除するのか?

住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行される。Airbnbは日本でも、サンフランシスコのようにサイトから違法民泊を削除するのか?

観光庁は12月26日、民泊仲介サイト運営事業者宛に「違法民泊物件の仲介等の防止に向けた措置について(通知) 」という通知文書を発信。同文書は、適法性の確認が出来ない物件について、法の施行日(6月15日)までにサイトから削除することを求めている

Airbnbは同文書が発信される1週間前(12月19日)に、「Airbnbは、住宅宿泊事業法の施行に向け、同法に従い観光庁へ登録し、法令遵守のために必要な対応を随時実施して参ります」と法令遵守を宣誓している。Airbnbの宣誓がフェイクでないとすれば、6月15日(住宅宿泊事業法の施行日)までに、大半の物件がAirbnbサイトから消え去ることになる。

※詳しくは「観光庁の通知文書は違法民泊を撲滅できるか」参照。

 

サンフランシスコ市内のAirbnb登録物件は5か月で1万件から5,500件に半減した。日本では、住宅宿泊事業法の施行まであと5か月。Airbnb物件数はいまだ増加し続けている(次図)。

Airbnb登録件数の推移
AirbDatabankデータをもとに作成)

 

Airbnbはサンフランシスコと同じように、日本でも違法民泊の掲載をホントに削除するのだろうか……思っていたら1月17日、驚きのニュースが飛び込んできた。

Airbnb リクルートとの業務提携でSUUMO賃貸を受け皿に!?

Airbnbが「SUUMO」を運営するリクルート住まいカンパニーと業務提携したというニュースだ。

Airbnbと業務提携で、住宅宿泊関連事業に参入  賃貸管理会社に、空き部屋を活用した住宅宿泊運営の支援開始

不動産情報サイト「SUUMO」を運営する株式会社リクルート住まいカンパニー(本社:東京都港区、代表取締役社長:淺野 健)は、Airbnbと業務提携し、住宅宿泊関連事業に参入することにいたしましたのでご報告いたします。SUUMOに掲載いただいている賃貸管理会社や、賃貸オーナーに、空き部屋を活用した住宅宿泊運営を支援し、賃貸物件の収益向上に寄与することを目指します。(以下略)

リクルート住まいカンパニー 1月17日

 

全国でAirbnbに登録されている物件数は約5.9万件(18年1月4日現在)。その多くは無届民泊(=違法民泊)だから、観光庁の通知文書通りに事が進めば6月15日に向かって、Airbnbのサイトから半減では済まない件数が消え去ることになる。

ところが、AirbnbがSUUMOとつながることで、店子探しに苦労している大家さんが民泊の受け皿になり、違法民泊の消失分を穴埋めする可能性が出てきたのだ。

ただ、住宅宿泊事業法は民泊営業日数として年間180日のキャップをはめている。また、民泊条例で上乗せ規制を課している自治体も多い(京都は60日キャップ、目黒区・中央区は区内全域で平日民泊禁止など)。Airbnbの現在の違法民泊がどの程度SUUMOの合法民泊に置き換われるのかは不明だ。というか、十分な受け皿にはなれないのではないか。

Airbnbサイトから違法民泊が削除され、SUUMO賃貸が民泊需要を埋めきれないとするとどうなるのか? 気になるのが中国系民泊仲介サイトの動きである。

違法民泊は中国系民泊仲介サイトにシフト?

ここにきて、「自在客」の登録件数が急増しているのだ(次図)。

中国版Airbnbの東京・大阪・京都登録件数の推移(サイト別)
中国版Airbnb|「自在客」3か月連続で大幅増」より


「自在客」が住宅宿泊事業法を遵守するというような宣言は聞いたことがない。

「自在客」の「利用規約」をひも解くと、法令遵守責任をユーザーに課していることが確認できる(かつてのAirbnbのスタンスと同じだ)。それも、日本の法規ではなく、中国の法規が対象だ。

2.法律遵守

ユーザーは、中国の関連法規のすべての条項を遵守することに同意し、何らかの行動や結果に対してサービスを使用するためにユーザーのパスワードとユーザーのユーザー名によってすべての責任を負います。

2.遵守法律

用户同意遵守中国相关法律法规所有规定,并对以任何方式通过用户的密码和用户的用户名使用本服务的任何行为及其结果承担全部责任。

今回観光庁が発信した通知文書に罰則規定はない。仮に罰則規定が盛り込まれていたとしても、海外で運営されている民泊仲介サイトに対しては無力だ。

「自在客」が違法民泊の受け皿になりつつあるのではないのか……。

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2018年6月1日、このブログ開設から14周年を迎えました (^_^)/
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