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東京のホームレス 夜間(市民団体調査)は昼間(都調査)の2~5倍

東京都は10月13日、「平成29年夏期 路上生活者概数調査の結果」を公表。昨年8月と比べて都内の路上生活者数が126人減ったという。

ただ、夜間(市民団体調査)と昼間(都調査)を比較すると、路上生活者の多い区では、2~5倍もの違いがあるのだが……。


もくじ

夏期の路上生活者126人減(都発表)

東京都は10月13日、「平成29年夏期 路上生活者概数調査の結果」を公表。

昨年の8月と比べて、都内の路上生活者数が126人減ったという。

調査結果(概要)

平成29年8月時点での東京都の路上生活者数は、1,337人でした。このうち、都・区市町村の調査による人数は722人(区695人、市町村27人)、国管理河川が615人でした。前年同月と比べ、合計で126人の減となりました。

 

市区町別や施設別(公園・道路・河川・鉄道・その他)に、路上生活者の概数が表形式で公開されているので、23区を中心に可視化してみよう。

都の路上生活者調査結果(夏期・昼間)

新宿区(142人)がダントツ

路上生活者数は、新宿区(142人)がダントツで多い。次いで渋谷区(68人)、台東区(67人)、墨田区(61人)の順(次図)。

路上生活者の概数(平成29年8月)

半数は河川敷

この5年間で2,160人(24年度)から1,337人(29年度)へと、4割近く減少している(次図)。

路上生活者が多いのは河川敷。平成26年度以降、5割を超えている。

平成29年8月時点で、河川敷(687人)、公園(345人)、道路(271人)の順に多い。

都内の施設別の路上生活者数の推移(8月)

夜間(市民団体調査)は昼間(都調査)の2.6倍

ホームレス問題を研究している市民団体ARCH(アーチ)が8月4日(金)深夜(24:30〜29:00頃)、総勢200名で都内11区(渋谷・目黒・新宿・豊島・文京・台東・墨田・千代田・中央・港・品川)の路上生活者数を調査した結果『2017夏東京ストリートカウント』を公表している。

市民団体が調査した11区の路上生活者1,307人(夜間)に対して、都調査の11区合計は499人(昼間)。昼間に比べて2.6倍(=1,307人÷499人)の違いがある。

昼間(都調査)と夜間(市民団体調査)人数を区ごとに比較したのが次のグラフ。

路上生活者の多い区では、2~5倍の開きがあることが分かる。

路上生活者の人数比較(昼間vs夜間)

昼間出掛けていたホームレスが、夜になるとネグラに戻ってくるのだから、昼夜で2~5倍の開きがあっても驚くことではないだろう。

むしろ、都がホームページで「前年同月と比べ、合計で126人の減となりました」という、夜間の現実を見ていない(見せようとしていない?)発表でいいのだろうか……。

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