国交省は17年1月20日、新飛行ルートの騒音を疑似体験できる常設のブース(情報発信拠点)を羽田空港内に開設。
羽田空港ターミナルにおける情報発信拠点の開設について
これまで羽田空港機能強化の取組状況を羽田空港ターミナルにて展示してまいりましたが、このたび常設の情報発信拠点を開設することにしました。
機能強化に関する説明会での説明パネル、飛行機の飛行映像や音を体験できる機器等を備え、いつでも情報を得ることができます。羽田空港をご利用の際には、是非お立ち寄りください。
「飛行映像や音を体験できる」という表現。
「騒音」ではなく、「音」としているのが、なんとも違和感。ここは「騒音」でしょ。
それはさておき、羽田空港内に開設された「情報発信拠点」とは、どんなところなのか?
平日の昼間、現地調査を実施した。
※投稿17年1月31日(追記23年4月3日)
その存在を知らない人は辿り着くことができない!?
第1旅客ターミナル(発着航空会社:JAL・SKY・SFJ)の2階スカイマーク専用保安検査場前のエスカレーターを上がった、3階の奥まったところに「情報発信拠点」が設置されている(写真のピンク破線部分の奥)。
マップでみると、3階の奥まった位置にあることが分かる(次図)。
↓ 「情報発信拠点」の入り口(白破線)
入り口手前、左側がカフェレストラン「オチャワン」、右側がトイレ。
案内看板がないので、「情報発信拠点」の存在を知らない人は辿り着くことができないような場所にある。
閑古鳥が鳴いている!?
↓ 平日の昼間の時間帯だったからなのか、誰もいない。
22ケースの飛行映像・騒音を視聴できる
「サウンドシミュレーター(航空機騒音体験)」のコーナーには、ヘッドフォンが2つとマウスが1個が置いてある(写真)。
↓ メニュー画面
離陸(Dep)、着陸(Arr)、空港からの距離、周辺環境などの違いによる、22ケースの映像を選ぶことができる。
たとえば、「2 Dep_1km」を選択すると、大阪伊丹空港を離陸する小型ジェット旅客機ボーイング737-800(ピンク色の囲み部分)が映し出される。
滑走路から1km離れた地点の、高度約300mを飛行する映像と騒音を確認することができる(写真)。
雑感
- その存在を知らない人は、まず出くわさないような奥まった場所に「情報発信拠点」が開設されている。案内看板のようなものも見当たらなかった。
- スカイマーク専用保安検査場前(JALでもANAでもない!)のエスカレーターでなければアクセスできない。食事ができる店が4件入っているものの、忙しいビジネスパースンはまず立ち寄らないような一番奥まった場所だ。
- 国交省主催の「羽田空港機能強化に関する説明会」と同様、ここでも「国民には情報提供している」という実績作り(証拠作り)のために、「寝た子を起こすな作戦」を展開しているのだろうか。
- 税金を投じて、閑古鳥が鳴いている「情報発信拠点」。このままでいいのか――。
【追記】機器の老朽化等に伴い、終了
※追記23年4月3日
羽田空港第3ターミナルに23年4月1日、新規に「情報コーナー開設」が開設された。
その前日、第1ターミナルビルで6年近く運営されてきた「情報発信拠点」はひっそりと幕を閉じた。
羽田空港第1ターミナルビル3階の常設情報発信拠点につきましては、機器の老朽化等に伴い、令和5年3月31日をもって終了いたしました。
長い間ご愛顧賜り誠にありがとうございました。(国土交通省東京航空局 23年4月3日)
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