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違法民泊退治!京都市長・市議会あげての口コミ介入に成果?

京都市が「民泊施設実態調査」のために、外国法人が運営している複数の民泊仲介サイトに対してメール照会したところ、「対応不可」と回答したのが2社(Airbnb、Booking.com)、あとの5社からは「返信なし」であったことは先日のブログに記した(外国の民泊仲介サイトに無視された「京都市民泊実態調査」)。

こんなことで観光地京都のブランドが守られるのか、と懸念していたところ、5月10日、11日と続けて2件、京都市の”違法民泊退治”に向けた積極的な動きが聞こえてきた。

ざっくり言うと


京都市は民泊事業者に対して「事業ごみ」として処理するよう指導する!

ひとつは5月9日に開催された京都市議会における循環型社会推進部長の答弁。

「民泊」から出るごみは「家庭ごみ」としてではなく、民泊事業者の責任で「事業ごみ」として処理すべきだという。

京都市:「民泊」排出は事業ごみ ルール違反は指導も

京都市は9日、市議会くらし環境委員会の質疑で、観光客らを空き室に有料で宿泊させる「民泊」から出るごみについて、民泊事業者の責任で事業ごみとして処理すべきだとの考えを示した。(中略)
市循環型社会推進部の久保国男部長は、一部民泊の排出実態について「市指定ではないごみ袋での排出や、収集日外の排出がある。周辺住民から対応について相談を受けている」と説明した。

そして「民泊は対価を得て宿泊サービスを提供している。(排出分は)家庭ごみには該当しない」と述べ、事業者を特定できれば、市が事業ごみとして処理するよう指導する方針も表明した。(以下略)

(毎日新聞地方版 5月11日)

 

同部長の詳しい答弁は、下記YouTubeで確認できる。

動画の冒頭から、川藤昌洋委員(自民党)の質問に対して約6分答弁。続いて中野洋一委員(民主・都みらい)の質問に対して約7分答弁している。



もう一つは、門川大作京都市長の5月11日の定例記者会見での発言だ。

京都市は違法民泊をAirbnbサイトから削除するよう要請

Airbnbに違法民泊はサイトから削除するように文書で要請したという。

京都新聞の取材によれば、Airbnbは「ホストの方全員に対して、関係法令を守るようお願いをしている」と回答したという。

無許可民泊、サイトからの削除要請 京都市、仲介最大手に

京都市の門川大作市長は11日の定例記者会見で、マンションや自宅の一部を貸す「民泊」の仲介サイト最大手「Airbnb(エアビーアンドビー)」に対し、旅館業法の許可を得ていない物件はサイトから削除するよう文書で要請したことを明らかにした。

(中略)
エア社は取材に対し「物件を掲載する手続きの一環として、ホストの方全員に対して、関係法令を守るようお願いをしている」とした上で、「ホストの多くの方から、現行の法制度は不明瞭で分かりにくいとの話をよく耳にする。公平かつわかりやすい、新しいルールを整備するよう日本政府と協働しており、京都市とも真摯(しんし)に協議を重ねていく」としている。

(京都新聞 5月11日)

 

京都市Airbnb登録物件数の増加にブレーキ!

京都市内でAirbnbに登録されている物件数はどう変化しているのか?

昨年の6月末以降の京都市Airbnb登録物件数の推移は下図のとおりである。 

京都府警が昨年11月4日、悪質な民泊業者を摘発したことで、Airbnb登録物件数の増加に2か月ほどブレーキが掛かっていたが、その度ふたたび上昇(京都府警が悪質な民泊を摘発!京都市Airbnb登録件数の増加にブレーキは掛かるか? )。

でも、今年の4月に入ってから急ブレーキが掛かった模様。

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(AirbDatabankサイトで公開されているデータ等をもとに筆者作成)

 

4月に入ってから急ブレーキが掛かったのは、『「民泊」対策プロジェクトチーム』の活動成果なのか、市長・市議会あげての口コミ介入の成果なのか。

迅速に有効な手を打たなかった観光都市パリの二の舞にならないことを願うばかりだ(パリの「民泊」がトンデモナイことになっている )。

 

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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