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マンションは新築よりも中古リノベーション!

先月末に出版された新書『不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ (扶桑社新書)

「新築マンションは買わないほうがいい」だなんて、業界関係者から反発を食らいそうなタイトルだ。

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スマサガ不動産(2004年8月設立、資本金1000万円)の代表取締役である城戸輝哉氏の著書。
社名は不動産であるが、もともとは15年前に「ボロアパートに事務所を構え、建築設計事務所」。一級ではなく、二級建築士事務所。

中古物件のリフォームの仕事を通じて、「ただ外見さえよくして売れてしまえば、それでいい」という「不動産屋は信用ならない」というご自身の体験を踏まえ、「自分が納得できる住まいを取り扱うために不動産屋になろう」と決心したという。


本の帯にも「あなたのその常識は間違っています!」という過激な文言が記されている。 

あなたのその常識は間違っています!
  • × 消費税増税前に家は買うべき
  • △ 東京五輪でマンション価格が上がる
  • × 仲介手数料ゼロ業者はお得
  • × タワーマンションは資産性に優れている
  • × 中古マンションは管理費が高い
  • △ 住宅ローンは固定金利のほうが安心
  • × 新しい建物のほうが地震に強い
  • × リノベーション済み物件はお買い得

 

目次にも「新築を買うバカがいるから売るバカがいる」という過激な表現が見られるが、中身はいたって冷静だ。

  • 第一章 新築を買うバカがいるから売るバカがいる 
  • 第二章 あなたが住まいを買う理由は100%間違っている
  • 第三章 「あなたの人生」を手に入れる住まい探しの方法
  • 第四章 不動産業界のプロだけが実践する購入判断の流儀
  • 第五章 街選び×物件選び×予算の考え方
  • 第六章 日本のサラリーマンにはロマンが足りない

 

これからマンション選びを始めようとしている方に、目鱗な記述を一部抜粋しておこう。

 

不動産業界のプロたちは、資産運用として新築を買うことはないと言い切っている。

そもそも本当に不動産の価値をわかっている業界のプロたちは、以前から中古マンションを購入して自分で住んだり、資産として運用したりしていました。

彼らは資産運用として新築を買うことはまずありません新築に投資しても資産としてのメリットがまつたくないからです。(P40)

 

不動産業界のプロたちは、マーケティングで価格が釣り上げられた今の新築マンションは絶対買わないという。

「誰が買えるの?」つていう価格のマンションがどんどん売れていく、そして、一定の水準を超えたところで一気に暴落するというブームを創り出すのが、善し悪しは別としてプロの仕事です。
その結果、本来の価値に見合わない高騰した価格の物件を手に入れ、所有欲を満たされて喜ぶのが、後でバブルのツケを払う消費者です。

プロは、今のような時代に、マーケティングで価格が釣り上げられた新築マンションなんか絶対に買いません。(P136)

 

 豊洲や芝浦など急成長している湾岸エリアのマンションは、失速する可能性もあるので購入リスクが高いと指摘している。

価格相場は相対的に高い、けれども賃料相場が低いエリア

最近、開発されて地域経済が急成長している、ニュータウン系の街のことです。豊洲や芝浦など湾岸エリアはその典型的な例。こうした街は発展していて勢いはあるものの、いきなり失速する可能性もあるので購入リスクは高いといえます。住むのであれば、賃貸という選択肢も検討したほうがいいかもしれません。(P148)

 

住まい探しに本当に必要なのは営業マンではなくコンサルタントだという。

不動産業者の営業マンを過信することはオススメできません。彼らの多くは建築の素人で、その知識はあまり当てにはなりません。はっきりいって、営業マンの多くは建物や内装、設備について、かなり勉強不足です。(P68)

ユーザーが本当に正しい住まい探しをするために、一番必要なもの。それは、「住まい探しのコンサルタント」ではないかと僕は思っています。
ユーザーが自分の意志だけで決められれば一番ですが、不動産売買や建築の専門知識を一からすべてを身につけることは現実的ではありません。だから、そういった専門知識を持ったコンサルタントが、ユーザーの立場に立って考え、専門的なアドバイスをする。そうすることでユーザーが正しい判断を下せるようになるのが望ましいと考えています。(P206)

 

新築を購入するのではなく、中古マンションをリノベーションするのが著者の基本スタンス。

本書では、新築の住まいを購人しても資産にならない日本の現状をお伝えし、今の日本で住まいを購入して自分らしく自由な暮らしを楽しみながら、住まいを資産にするには、中古マンションのリノペーションを武器にするしかないという話をしました。(P216)

 

大手不動産のメディア・タブー性」があるがゆえに、「マスコミが教えない、新築より中古」。

これからマンション選びを始めようとしている方で、新築マンション信仰が頭に染みついている方に、一読の価値あり。

不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ (扶桑社新書)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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