アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある79階建て(高さ336m)の超高層マンション「ザ・トーチ(The Torch)」で21日未明、50階付近から出火。
3時間ほどで鎮火したが、一時住民らおよそ千人が避難する騒ぎになったという。
The Torchというマンション名は皮肉にも「たいまつ」を意味している。
日本の超高層マンションは不燃化が進んでいるから、このような派手な燃え方はしないにしても、ときどきマンション火災が報じられている。
たとえば、2月20日江東区の5階建てマンション火災では2名意識不明の重体。
5階建ての低層マンションではなく、20階を超える、いわゆる超高層マンションで火災が発生するとどうなるのか?
東京消防庁が所有しているはしご車が届く高さは30m級と40m級までだ。
20階建て(≒60m)を超える超高層マンションの上層階には届かない。
ハシゴを使って上層階への放水は届きそうだが、救出は困難であることは肝に銘じておく必要があるだろう。
平時はともかく、首都直下地震が発生した場合に、超高層マンションが乱立している東京都では、はしご車の台数は足りているのか?
東京消防庁が平成27年1月13日に公表した「消防行政の概要(平成26年版)」によれば、東京消防庁が保有しているはしご車の総数は、現在86台。
エリア別のはしご車の内訳は、次のとおりだ。
- 第1方面(千代田区・中央区・港区):13台
- 第2方面(品川区・太田区):7台
- 第3方面(渋谷区・世田谷区・目黒区):5台
- 第4方面(新宿区・中野区・杉並区):8台
- 第5方面(文京区・豊島区・北区):7台
- 第6方面(台東区・荒川区・足立区):8台
- 第7方面(江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区):10台
- 第8方面(北多摩地域):15台
- 第9方面(西多摩・南多摩地域):8台
- 第10方面(練馬区・板橋区):5台
「第1方面」である中央三区(千代田区・中央区・港区)は、13台。
湾岸に超高層マンションを抱える江東区を含む「第7方面(江東区・墨田区・葛飾区・江戸川区)」は、10台。
心許なくないか。