直床マンションの供給割合が高いデベロッパーとして、新日本建物(11月1日)、双日(11月4日)、近鉄不動産(11月5日)、名鉄不動産(11月8日)をこれまでに紹介した。
では、いわゆる大手デベロッパーの場合は、どうなのか?
1978年に事業主別マンション販売戸数で1位を獲得して以来、2006年に至るまで、29年間連続でダントツの供給戸数をもって、1位の座を確保し続けている大京を調べてみた。
調査方法は、リクルート社の「住宅情報ナビ」に首都圏と関西に登録されている「大京」の分譲マンションのうち、総戸数100戸以上の全物件18件(2007年11月11日現在)を対象に、物件のホームページを一つひとつ確認していった。
直床と二重床の採用割合が首都圏と関西とでは大きく異なっていることがわかった(図参照)。
すなわち、首都圏では二重床マンションの供給割合が7割を超えているのに、逆に関西では二重床マンションの供給割合が2割にも満たないのだ。
首都圏と関西によって、直床と二重床を使い分けている大京の考えやいかに。
ちなみに、このデベロッパーが供給している直床マンション(物件A)と二重床マンション(物件B)のホームページには、次のような説明がなされている。
- 直床マンション(物件A)
- 上下階や隣接の住戸からの生活音を抑えて、穏やかな住環境をつくりだすために、厚さ200ミリ以上が確保されています(最下階除く)。
- またスラブと天井の間には空気層が設けられた二重天井が採用されていて、上階からの足音や床の衝撃音の伝わりを緩和してくれます。
- さらに、将来的なリフォームやメンテナンスにも対応しやすくなっています。
- 二重床マンション(物件B)
- 床および天井は、二重構造とし、遮音性を高めました。
- 特に二重床は、衝撃音を吸収するだけでなく、歩行感や保温性も向上させます。
- また、床下の給水給湯配管、天井の電気配線などをコンクリート中に埋め込まないため、メンテナンスや将来のリフォームの自由度も高めます。
今回調査対象とした18件の内訳は、次のとおり。
※( )内戸数は総戸数、会社名は売り主を示す。
- 首都圏
- 亀戸レジデンス(707戸、17階建て)<直床>大京、オリックス不動産
- ザ・ライオンズ上野の森(212戸、19階建て)<二重床>大京
- ライオンズ守谷駅前プレミアム(117戸、14階建て)<二重床>大京
- ライオンズ多摩境ステーションレジデンス(122戸、12階建て)<二重床>大京
- クロスウィル多摩センター(162戸、11階建て)<二重床>大京、エヌ・ティ・ティ都市開発
-
- ライオンズ小田急相模原アクアルーナ(126戸、10階建て)<二重床>大京
- ライオンズ久米川 美彩の杜(156戸、9階建て)<二重床>大京
- 流山おおたかの森(120戸、8階建て)<二重床>大京、新日本建設
- ライオンズ横濱磯子レジデンシャルテラス(104戸、7階建て)<二重床>大京
- ライオンズ港北ニュータウン フォレストフォート(113戸、6階建て)<二重床>大京
- トワイズ白井ステーションマークス(119戸、10階建て)<不明>東日本住宅、大京
- ライオンズ多摩センター 翠彩の杜(105戸、6階建て)<不明>大京
- 関西
- ライオンズ放出セントアリーナ(189戸、15階建て)<直床>大京
- ライオンズ水無瀬ローレルコート(169戸、12階建て)<直床>大京、近鉄不動産
- ライオンズ大和高田セントハウス(121戸、10階建て)<直床>大京
- ライオンズ萱島オアシティ(159戸、10階建て)<直床>大京、オリックス不動産
- ザ・ガーデネスクシティ(400戸、8階建て)<直床>大京、近鉄不動産、東急不動産
- ライオンズタワー神戸元町(169戸、33階建て)<二重床>大京、オリックス不動産、ノバック
(本日、マンション広告なし)