不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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羽田新飛行ルート|不動産取引時の重要事項説明に含まれるのか?

幹線道路を挟んだ敷地に建つ2つの物件(29階建てのタワーマンションと15階建てのマンション)が掲載された広告。


もくじ

物件概要

  • 【第1期 本広告】大崎駅直通5分、駅徒歩3分。総戸数817戸、29階建。販売戸数/300戸、1LDK(53.38m2)~4LDK(111.18m2)。販売価格3,990万円~14,500万円、最多価格帯6,200万円台(16戸)。平成31年2月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年11カ月後)。
  • 【第1期 本広告】大崎駅直通5分、駅徒歩5分。総戸数335戸、15階建。販売戸数/95戸、1LDK(45.71m2)~4LDK(89.73m2)。販売価格3,550万円~8,810万円、最多価格帯5,800万円台(7戸)。平成30年10月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年7カ月後)。
  • 1月27日(金)の物件と同じ。

新聞全紙大のマンションチラシ。品川のシーサイドに住めるのがセールスポイントのひとつ。

品川といえば気になるのが羽田の「新飛行ルート」の騒音の影響の有無であろう。

新飛行ルートに挟まれている物件

国土交通省が運営している「羽田空港のこれから」というサイトに公開されている「パンフレット冊子v2.0「羽田空港のこれから」(PDF1.75MB)に、「好天時の飛行経路案(南風時、15:00~19:00)」が掲載されている(次図)。

好天時の飛行経路案(南風時
パンフレット冊子v2.0「羽田空港のこれから」P25より

上図のピンク枠部分を拡大すると、本物件は「A滑走路到着ルート(下図左側)」と「C滑走路到着ルート(下図右側)」の間に挟まれていることが確認できる(次図)。

A滑走路到着ルート
※騒音の影響については、「「新飛行ルート問題」飛行ルート周辺の騒音マップを描いてみた 」をご参照。

 

さて、この物件に限らず、羽田新飛行ルートの影響の有無について、売主は重説(重要事項説明)を行う必要があるのか、ないのか。

実は、1年前(16年2月18日)の品川区議会で、重説についての答弁がなされている。

品川区の回答:重説事項ではないが、説明する必要がある

品川区議会の2016年第1回定例会(第2日目:2月18日開催)で、石田ちひろ区議(共産党)が、羽田の新ルートについて、不動産取引時の重要説明事項に含まれるか否か質問している。

石田ちひろ区議(日本共産党)
(前略)新ルートは、不動産取引時の重要説明事項に含まれているのか、伺います。(以下略)

これに対して、品川区の都市環境部長の回答は、航空機騒音防止法は重要事項説明の対象とはなってはいないが、判例などを踏まえると、義務ではないが説明する必要があるとしている。

都市環境部長(藤田修一)

(前略)次に、不動産における重要事項説明についてですが、航空機騒音防止法は重要事項説明の対象とはなっておりません。しかしながら、判例などを踏まえると、一般的に生活に支障を来す場合には、義務ではないが、説明する必要があるとされております。(以下略)

 

売主にシッカリ確認しよう!

ということだから、あなたの関心のある物件が「新飛行ルート」の直下付近にあるかどうか確認し(次図で確認できる)、羽田新飛行ルートの影響がありそうな場合には、売主にシッカリ確認しよう。

もちろん、あとで言った言わないと水掛け論にならないよう、スマホで録音することも忘れずに。

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【保存版】羽田新飛行ルート直下の地域かどうか、簡単に知る方法」より

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(本日、マンション広告1枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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