値引きは、値付けに失敗して、「未完成であるにも係らず売れ行き不振模様の物件」や「竣工済みの売れ残り物件」に対して行われることが多い。
なぜ値引き物件が発生するのか?
値引き物件は、次の2つに大別できる。- 未完成であるにも係らず売れ行き不振模様の物件
- 竣工済みの売れ残り物件
周辺の類似物件に比べて割高に価格を設定してしまっていたり、同じマンションであっても、人気・不人気ポジションの住戸価格差の設定をミスしてしまったり、売れ行き不振状態は、デベロッパーが値付けを見誤ったことに端を発している。
たとえ、立地条件や日当たりなどに恵まれない物件であっても、それなりに低い価格を設定していれば購入者はいるからだ。
値引き交渉のタイミングはいつか?
デベロッパーとしては、できるだけ早く資金を回収することと、契約件数を伸ばすことに関心がある。だから、マンションの竣工日が集中する年度末に向けて、消費者にとって値引き交渉を始めやすい環境が整う。
いくらまで値引きが可能なのか?
一般的にデベロッパーの粗利は10〜20%。たとえば、100戸のマンション計画で、粗利15%を目論んでいたデベロッパーがいたとしよう。
この場合、85戸(=100戸−15戸)が売れれば、とりあえずプロジェクトとしては赤字ではない。残りの15戸が利益を生む構造となる。
仮に4,000万円の住戸を50%引きで15戸を投げ打ったとしても、3億円(=4,000万円×50%×15戸)の利益が出る。
売れ残り15戸の段階では、理論上は100%の値引きが可能だ。
でも現実的には、先行して定価で購入した人がいるので、デベロッパーとして極端な値引きはしずらいところだ。
値引きはウェルカムなのか?
販売価格にはじめからゲタを履かせている物件は別として、値引き住戸=売れ残り(可能性大)住戸であることに注意を要する。優良物件であれば、引き手も多いから値引きには応じてくれないはずではないか。
値引きしてもらってお買い得感に浸る前に、その住戸がどのような理由で値引かれているのか、よく理解することが必要だろう。