「定年後のリアル」や「定年後7年目のリアル」など、”定年本作家” 勢古浩爾氏(70)の『定年バカ』SB新書(2017/11/7)を読了。
定年後は、無理して「地域デビュー」などせず、「何もしない生活」だってありだというのが著者の基本スタンス。
全211頁のなかで、「住宅ローンの繰り上げ返済は大切」という項目があったので、抜粋しておいた。
過剰にプレッシャーを受けすぎてうろたえ…
定年後の過ごし方につき、著者の考えが述べられている。
いちいちごもっともな提言を参考にするのはよい。自分に合うか合わないかで取捨選択して、(略)ヒントにするのは当然いいこと。
しかし、「そうなのか。こりゃ大変だ、何もしてないぞ」と過剰にプレッシャーを受けすぎてうろたえ、人にばかり教えてもらおうとするものはよくない。(P6)
「定年後の過ごし方」を「マンションの選び方」に読み替えても通じる文章である。
住宅ローンの繰り上げ返済は大切
住宅ローンの繰り上げ返済は大切、という著者(70)の経験談。
定年後のための準備というわけでもなかったのに、いまになって考えると、これができていてよかったと思えることが、ひとつだけある。定年前に住宅ローンを完済することができたことである。わたしは元々家など欲しくなかった。一生、借家住まいでいいと思っていた。しかし独り身でない以上、自分だけの意志を押し通すわけにもいかなかった。成り行き上、埼玉に三〇坪の土地のうえに小さな家を建てたのが三十五歳のときだったか。ローンを組むのに四苦八苦した。ギリギリだったのである。(P143-144)
定年の準備など何もしてこなかったという著者が唯一、結果的に準備したことにつながったとして掲げているのが定年前の住宅ローン完済。
定年までに完済できた最大の要因は…
購入可能な安い物件に決めたことが、定年までに完済できた最大の要因だという。
当時、銀行金利は8%だったが、購入可能な安い物件を探していろいろな沿線を歩き回った。銀行、住宅金融公庫、厚生年金の三本立ての借り入れで、やっと決めたのが二千万円もしない最低価格の家だった(それしか買えなかった)。そのことが、定年までに完済できた最大の要因のだろう。(P144)
身の丈に合ったマンションを買えということか……。
『定年バカ』SB新書