2018年の新築マンション市場はどうなるのか?
ネットから拾った業界関係者の予想を整理しておいた。
- 高橋 正典氏(不動産コンサル):供給数は微減か同じ
- 井出 武氏(東京カンテイ 上席主研員):低調な新築マーケットから脱する
- 吉崎 誠二氏(住宅・不動産総合研究所理事長):増税の影響は大きくない
- 松田 忠司氏(不動産経済研究所 主任員):駆け込み購入は多くない
- 櫻井 幸雄氏(住宅評論家):18年上半期、購入希望者殺到
- 竹内 一雅氏(ニッセイ基礎研 不動産市場調査室長):駆け込み需要は数%
- 石澤 卓志氏(みずほ証券上級研究員):18年後半、短期的に活況
- 7人の予想のまとめ
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高橋 正典氏(不動産コンサル):供給数は微減か同じ
供給数は、対2017年比微減か同じくらい。
2019年に予定されている改元と、消費増税が予定通り行われるとすれば、駆け込み需要に向けた商戦を控え、安定的な市場となるのではないでしょうか。供給数は、対2017年比微減か同じくらいだと見ています。
井出 武氏(東京カンテイ 上席主研員):低調な新築マーケットから脱する
18年の後半あたりから低調な新築マーケットから脱する可能性あり。
2018年は、2019年10月に予定されている消費増税に向けた駆け込み需要が重要になります。先般の衆院選で安倍政権の継続が決定したのはプジティブにとらえていいでしょう。18年の後半あたりから消費増税に向けた供給と消費によって、ここ2間年続いた低調な新築マーケットから脱する可能性があります。消費増税が凍結とかになるとまずいですね。
(同上)
吉崎 誠二氏(住宅・不動産総合研究所理事長):増税の影響は大きくない
前回の増税前にかなり需要を先食いしたから、それほど大きな影響はない。
駆け込みが起こるとすれば、18年の後半から19年初めあたりまでだと思いますが、前回の増税前にかなり需要を先食いしましたから、それほど大きな影響はないと思われます。
松田 忠司氏(不動産経済研究所 主任員):駆け込み購入は多くない
増税前だからといって駆け込みで購入する人たちは、多くはない。
住宅購入時にかかる消費税は、建物部分にのみ課税されます。特に地価の高い都心部の物件の場合は、もともと土地代の割合が建物代よりも多く、消費税のかかる部分は少ない。加えて、物件価格の高騰が購入希望者のニーズを鈍らせている状況ですから、増税前だからといって駆け込みで購入する人たちは、そこまで多くはないでしょう。
(同上)
櫻井 幸雄氏(住宅評論家):18年上半期、購入希望者殺到
18年の上半期は、首都圏の新築物件に購入希望者が殺到して、競争が激しくなると予想。
まず12月のボーナスが出た後、18年1月から新築物件の売れ行きが伸びる。その後、4月からのベースアップが実行されれば、さらに売れ行きが伸びる。
その後で増税前の駆け込み需要が発生すると考えれば、18年の上半期は、首都圏の新築物件に購入希望者が殺到して、競争が激しくなると予想されます。購入を検討している人は、早めに動くことをお勧めします
(同上)
竹内 一雅氏(ニッセイ基礎研 不動産市場調査室長):駆け込み需要は数%
駆け込み需要は数%に過ぎず、昔ほど強くないだろう。
この8%から10%の引き上げを見据えて2018年後半から駆け込み需要が顕在化すると見ている。足元では、物件価格が高くなり過ぎて一般サラリーマンが購入をためらう状況になっている。
売れずに在庫として積み上がっている地域も少なくないが、消費増税前に『今がお得ですよ』といったセールストークにより郊外を中心に売れていない物件のバーゲニングがあるのではないか。つまり販売各社は今がお得路線に走る可能性はある。
(略)ただ、駆け込みを単に待って売れる状況ではない。駆け込み需要は数%に過ぎず、昔ほど強くないだろう。
石澤 卓志氏(みずほ証券上級研究員):18年後半、短期的に活況
2018年後半は、消費増税前の駆け込み購入によって、マンション市場が短期的に活況となる可能性が高い。
2018年後半は、消費増税前の駆け込み購入によって、マンション市場が短期的に活況となる可能性が高い。駆け込み購入は「需要の先食い」にすぎないので、その後の反動に注意する必要があるが、2018年に限っては市況のプラス要因と言える。
これらの状況を考慮すると、東京圏における2018年の新築マンション供給戸数は、前年比約10%増の40,000戸程度となり、契約率は70%台に回復すると予想される。
7人の予想のまとめ
19年10月の消費税増税を前にした駆け込み需要について、影響が大きい(3名)、影響は大きくない(4名)と判断が分かれている。
- 極端なプラス予想をしているのは櫻井氏「18年の上半期は、首都圏の新築物件に購入希望者が殺到」。
- 井出氏は、「ここ2間年続いた低調な新築マーケットから脱する可能性」があると予想。
- 石澤氏は「短期的に活況となる可能性が高い」と予想。
- あとの4名(高橋氏、吉崎氏、松田氏、竹内氏)は、増税の影響は大きくないと予想している。