日本国際交流センター執行理事 毛受敏浩氏の新著『限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択』(朝日新書)2017/6/13を読了。
同書で触れられていた「廃墟探索地図」サイトがなかなか面白い。
毛受敏浩氏著『限界国家』
人口減少で不動産は無価値に……。
真の大問題に口を噤む東京マスコミ
(前略)人口が減少することは、あらゆる産業が不活発になり、規模が縮小し、営業が困難になるだけではない。不動産は無価値になり、結婚は難しくなり、友達も相談相手も、お祭りやイベントも、慰め合う相手もいなくなることである。
今や「東京を除く」日本のほとんどの地域が、そのような危機に曝されている。恐らく2020年の東京オリンピック・パラリンピックの空騒ぎのあとでは、東京にも人口減少の脅威が、確実に押しかけて来るだろう。その危機に気付かぬ東京人は、いかにも遅れている。(P5)
「限界国家」を脱出するために、外国人を定住化させることが著者の提案。既に多くの移民を受け入れている欧州での試行錯誤の経験を踏まえることが重要だという。
詳しくは本書を読んでいただくとして――
本日ご紹介したいのは、同書で触れられていた「廃墟探索地図」について。
いたるところが廃墟になってきた
人影が消えた廃墟が全国に増加している。そうした増え続ける廃墟を丹念に調べ上げた興味深いサイトに「廃墟探索地図」がある。
(略)廃墟を訪れやすいように、全国の廃墟は都道府県別と廃墟の種類(団地・住宅・別荘、廃ホテル・宿泊保養施設・温泉、廃工場・発電所、廃病院など32種類)に分類され、検索できるようになっている。廃墟が32種類もあることに驚かされるが、なかには廃刑務所、廃動物園などの分類も含まれる。(P37)
「廃墟探索地図」で23区の「廃墟」を調べてみた
東京都を対象に、「団地・住宅・別荘」を選択して検索にかけると、79件(9月20日現在)の「廃墟」がヒットした(次図)。
東京都「団地・住宅・別荘」|廃墟検索地図
さらに対象エリアを23区に絞り込み、「解体済」を除くと59件となった。
59件の内訳は次図の通りである。
特に、足立区、葛飾区、江戸川区の戸建ての廃墟(廃屋)が多い。
59件の「廃墟」を眺めていて、特に印象的だった2件を以下に紹介しよう。
鉄骨おばけマンション(板橋区)
板橋区東山町の川越街道沿い。鉄骨だけの異様なマンションが10年以上放置されている。
板橋区長名により2005年3月4日付で、「建築基準法違反による工事施工停止」命令を受けているという。
ジェフリ・ボルキア邸(目黒区)
ブルネイ国王の末弟で当時ブルネイの財務大臣だったジェフリ・ボルキア氏が目黒区青葉台に計画した大邸宅。氏の解任により工事途中で放棄された。
この廃墟はブルネイのBandone Sdn Bhd社が管理・監督しているという。
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