Airbnbによってニューヨーク市内の賃貸価格が年間1.4%上昇したというニュース。
東京23区のマンション賃料はAirbnbの影響をどの程度受けているのか調べてみた。
AirbnbによってNY市内の賃貸価格が上昇(TechCrunch)
David Wachsmuth教授の調査研究によれば、Airbnbによってニューヨーク市内の長期賃貸価格は、年間1.4%もしくは384ドル引き上げられたと推定されている。
Airbnbに関する新しい調査が示す、ニューヨーク市の賃貸事情に対する芳しくない影響
(前略)研究によれば、Airbnbによってニューヨーク市の長期賃貸価格は、年間1.4%もしくは384ドル引き上げられたと推定されている。この調査は、長期賃貸市場における物件不足と、短期賃貸市場における金銭的インセンティブの両者が、この価格上昇の原因であることを示唆している。
これらの結論は、UCLAによって開発された比較モデルから引き出された(比較に際しては、ニューヨーク固有の事情によって値上げに影響を及ぼしたであろう要素は取り除かれている)。(以下略)
23区のAirbnb登録物件数は、新宿区が突出
23区のAirbnb登録物件数は、新宿区が突出していて、しかも増加し続けている。2位渋谷区は伸び悩み(次図)。
「全国Airbnb登録件数6万件(前月比0.6%微増)」より
Airbnb物件増加で新宿区のマンション賃料上昇!?
東日本不動産流通機構のサイトに「首都圏賃貸取引動向」として、四半期毎に、各区のマンションとアパートの賃料が掲載されている。
15年以降のデータを可視化したのが次図。
新宿区のマンション賃料が上昇しているように見える。
新宿区のアパート賃料は、マンションと違って毎期ごとに上昇しているわけではない(次図)。
新宿区のマンション賃料の上昇率(前年比)を計算し、可視化したのが次図。
昨年の「4~6月」はニューヨークと同じ1.4%増。その後、1.8%、2.9%と上昇し続けている。
「新宿区ではAirbnb物件の増加でマンション賃料が上昇した」と言い切るにはデータも分析も不足しているが、なんとも興味深い結果ではないだろうか。