新宿区議会「25年第3回定例会」決算特別委員会(環境清掃費質疑)(10月6日開催)で、羽田新ルートに関して、佐藤佳一 議員(共産)の質疑応答があった。
議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約3,000文字)しておいた。
※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。
※答弁は環境対策課長
佐藤佳一 議員(共産)

佐藤佳一 議員(共産、区議3期、早大卒、66歳)
佐藤:固定化回避検討会、その辺の連絡などは?
おはようございます。羽田新飛行ルートについてお聞きします。最初に、昨年の12月24日に固定化回避のための検討会が6回目が開かれたわけですけれども、それ以降、国土交通省からの情報提供や、また年内にもう一度やるというふうに伺っているんですけれども、その辺の連絡などはありますでしょうか。
課長:7月、私どもの方にご説明がありました

(環境対策課長)
国の方からは、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会、これに関する会議がある時に、私どもに資料説明を受けているところでございます。
直近で申し上げますと、7月、私どもの方にご説明がありました。その席上で、私ども、今佐藤委員の方からお話のありました技術的検討会の検討状況や如何ということをご説明があるたびに伺っております。ただ、明確なご回答は頂戴しておりません。
佐藤:Aルートは固定化、Cルートは20、30年待ち、あまりにひどい
いつも言葉で説明していて分かりにくいので、飛行経路を示しながらお話しさせていただきます。このAとCと書いてあるのが新飛行ルートで、Cルートが新宿の上空を飛ぶわけですね。南風が吹いた時の午後3時から午後7時までの4時間、実質的には3時間から3時間半なんですけれども、Cルートが1時間30回で、Aルートが1時間14回ということで始まったわけなんです。
固定化回避の検討会では住民の皆さんからの騒音や落下物の不安などがあり、検討するということで5回検討会が行われて、昨年12月24日に示されたのが一番下の赤い、この字ですね。これはC滑走路、いわゆるCルートの飛行経路を、これは私の推測なんですね。読売新聞と東京新聞に、国土交通省の説明では図面で示されていないので、文字で書いてあるのを分析してやるとこういうルートになる。東京新聞と読売新聞、ほぼ私と同じルートなんです。要するに湾岸沿いを通って、急旋回して着陸ルートに入るというルートが示されたんです。
じゃあその上のAルートはどうかというと、その時点での説明では固定化、つまり、Aルートは変わらないということなんですね。じゃあ何のための固定化回避なのかということで、今いろいろ問題になっているわけです。
じつは品川の区議会で、7月31日に議会として国土交通省の方をよんだ説明の中では、一般質問で国土交通省の説明では、要するにRNP-AR方式で飛行して、要するに1機の飛行間隔を縮めて回数を増やすというやり方を取るということが示されて、そのためには機種を変更しなきゃいけなかったり、機種に新しいもの、機械を設置しなきゃいけないということで、時間がかかるということを言われてたんですが、この品川区議会での説明では、つまりCルートのこの赤い部分も20年から30年かかるという説明があったんです。
いや、これはひどい話であって、あんだけ検討しておいてAルートは固定化し、Cルートは変わるけれども20年、30年待ちなさいっていうことなんですね。これはあまりにひどいじゃないかというふうに思うんですが、課長、いかがでしょうか。
課長:同じ姿勢で国に対して対策を求めてまいりたい
品川区議会でのやり取りというのは、私、国からも一切連絡ございませんし、直接、品川区の方からも聞き及んではおりません。ですので、具体的な発言については、私どもとして把握してないところでございます。検討会の中では、さらなる騒音負担軽減や海上ルートの実現に資する方策について、国際動向などを踏まえた調査研究というのがこれからなされるものというふうに聞いているところでございます。
いままでも区は国に対して、区民にということなんですが、実際には新飛行経路下の住民の方にということですが、対策について真摯に取り組むように、また分かりやすい情報提供に努めるように求めてきたところでございます。今回の品川区議会のお話というのが、私どもとして直接に聞き及んでないのですが、今後も私どもとしては同じ姿勢で国に対して対策を求めてまいりたいと考えております。
佐藤:海上ルートでも十分対応できる
是非よろしくお願いします。それで一般質問でも触れましたけれども、要するに海上ルートから新飛行ルートに移行させる最大の目的というのは、新飛行ルートの年間6万回の離発着を33,000回、いわゆる99,000回に増やして海外からのインバウンドを増やすという目的だったんですね。
そのため、海上ルートでは80回が限界だということで、1時間80回ですね。新ルートだと90回以上飛行できるので、新ルートにしようということなんです。
ところが、現在の飛行ルートですと、今まで2分に1機飛んでたのが1分30秒に1回飛ぶようになったために、これは2020年の5月1回そのデータで見ると、海上ルートでは81回以上飛行している回数が254回中94回、新ルートは53回中25回で、94回も海上ルートで飛んでいるんですね。なので、わざわざ都心上空を飛行しなくても、前の海上ルートでも十分対応できると思うんですが、この点についてはいかがでしょう。
課長:「具体の説明を住民に対してする必要がある」という意見はもうしております
今委員からお話があったようなデータというのについては、私どもとしても住民の方などからの情報提供があって把握しているところでございます。こういったものにつきましては、先ほど申し上げた国と面談をする際に、こういった情報についてどう説明をするのかと尋ねてもおります。
国の方からは、「特定の条件が重なった時にこういうことができると。海上ルートを通って80回以上飛ばすことができるようになる」という回答を得てますが、それならば「特定の条件って何なんだ」と。それを説明させて、「こういう条件が整わなければ難しいんだ」と。そういう「具体の説明を住民に対してする必要がある」という意見はもうしております。今後もそういった姿勢で国と話をしてまいりたいと考えております。
佐藤:騒音や落下物、取り組んでいただきたい
ありがとうございます。あと騒音や落下物なんですけど、騒音は落二小(落合第二小学校)でずっと測定してるんですけれども、国土交通省が予想した平均65から66dBというのはほぼ変わってませんが、やはり飛ぶ、特に大型機などによっては70dB以上がやっぱり今も出てますし、3年前にオペラシティの隣のテニスコートに氷が落ちた例があって、これは国土交通省は落下物とは断定できないっていうことで結論は出しませんでしたけど、およそ上空から氷が降ってくるっていうのは、時間帯からしても、ちょうど旅客機が飛んだ時期と重なるので、その危険性っていうのはやっぱり変わらないと思います。
羽田到着便から4年で部品の欠落が1,798件あり、過去には97キロの部品も欠落した例もあり、落下物に対する不安も住民の皆さんからも寄せられています。今、私ども区議団が行っている区勢アンケートでこういう声が返ってまいりました。
「毎日北風が吹く日が楽しみです。騒音、ジェット機が早く上空を飛行ができなくなることを切に祈っております」ということで、音っていうのは個人によって感じ方は違いますけれども、実際に60から70dBの音っていうのは非常にちょっと不快に感じるもんですから、今後もしっかり新宿区として、課長からいろいろご答弁もありましたけれども、取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
課長:国に対して申し入れをしていきたい
区民の方が、特に新規経路下にお住まいの方に負担があるということは、もうこれは重々承知しております。騒音の問題、それから機影の大きさによる圧迫感などがあり、こういったものの解消には、固定化回避が欠かせないものだと私どもは認識してございます。
それが1日も早く実現するように、国に対しては真摯にかつ可能な限り速やかに対策を講じる、また現時点で取りうる対策、例えば新型機の導入を航空会社に促すだとか、そういったことについては強く進めるよう求めております。今後もしっかりと私どもとして国に対して申し入れをしていきたいと考えております。
佐藤:区としても、しっかり求めていっていただきたい
本当どうもありがとうございます。年内にこの検討会やるっていうことですから、やはり区としても、しっかり求めていっていただきたいと思います。以上です。
雑感:区が“国の広報係”になってはいけない
佐藤佳一議員の質疑は、羽田新ルート問題の本質を突いていた。Aルートは固定化、Cルートは「20~30年待ち」。この一文に、国の「やる気のなさ」と「住民不在」の構図が凝縮されている。議場でこれを聞いて「ひどい話だ」と言わずにいられる区民がどれほどいるだろうか。
佐藤氏は、国の説明のあいまいさを逃さず、新聞報道をもとに経路を独自に分析するなど、地道な調査を重ねている。
一方、環境対策課長の答弁は相変わらず腰が引けている。国から説明があった、把握していない、今後も国に求めていく――。これではまるで「国の広報係」である。品川区議会では国交省の説明が出ているにもかかわらず、「聞いていない」で済ませる姿勢に、区民の不信が募るのではないか。
「具体の説明を住民に対してする必要がある」という課長の発言も、言葉としては正しい。しかし、その「必要性」を国に伝えるだけで、自ら区として何を発信したのか。データの検証もせず、国の言い分をそのまま受け取っている限り、区民の安全も安心も守れない。
落下物や騒音の実態はすでに明らかになっている。区民は「北風が吹く日が楽しみ」とまで言う。これはもはや笑い話ではなく、行政への諦めの声だ。
固定化回避を「国の課題」として眺めているうちは、何も変わらない。
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