マンション管理会社の総合管理受託戸数ランキングを投稿したところ、フォロアーさんから、「企業の実力は純益=売上-経費でみる必要あり」とのコメントを頂戴した。
そこで、本日はマンション管理会社の収益性を可視化する。
※投稿24年7月19日(更新24年8月7日)
調査対象企業
「マンション管理新聞」24年5月25日号に掲載されている「2024年版総合管理受託戸数ランキング」の上位20社(次図)を対象調査することにした。

「マンション管理会社、総合管理受託戸数ランキング2024」より
ところが、各社のHPを探ってみると、決算情報はあまり公開されていないことに気づかされる。
大手不動産会社の子会社のうち、次の5社の決算情報はHPに掲載されていない。
- 三井不動産レジデンシャルサービス
- 野村不動産パートナーズ
- 住友不動産建物サービス
- 伊藤忠アーバンコミュニティ
- 東京建物アメニティサポート
また、貸借対照表だけ掲載していて、損益計算書を掲載していない会社が3社あった。会社の収益情報を見られたくないということであろうか。
あと、下記6社は、HPに決算情報は見あたらなかった。
- 日本総合住生活(UR都市機構)
- グローバルコミュニティ
- 近鉄住宅管理(近鉄不動産)
- ライフポート西洋(ZENホールディングス)
- レーベンコミュニティ(タカラレーベン)
- ナイスコミュニティー
さて、どうしようとネットをググっていたら、会社活動総合研究所が運営している「官報決算データベース」がヒット。何社かの決算公告を無料・登録無用で見ることができた(次図、例)。

最終的に、マンション総合管理戸数ランキング上位20社のうち、決算情報が不明な3社(三菱地所コミュニティ、東京建物アメニティサポート、近鉄住宅管理)を除き、17社の利益状況を可視化することにした。
※17社の当期純利益は分かったのだが、17社すべての損益計算書が掲載されているわけではないので、一部の会社の売上高や経常利益は分からない。そこで、以下、当期純利益を中心に可視化する。
総合管理受託戸数・当期純利益の分布(17社)
24年3月期の17社について、横軸に総合管理受託戸数、縦軸に当期純利益として描いてみた(次図)。
野村不動産パートナーズの純利益がダントツ。

1戸当たり純利益の推移(17社)
17社の1戸当たり純利益(=当期純利益÷総合管理受託戸数)を計算し、描いてみた(次図)。
野村不動産パートナーズの1戸当たり純利益は、著しく増加していることが分かる。24年3月期で38,312円/戸。
一方、東急コミュニティーの1戸当たり純利益は、悪化傾向にあるようだ。24年3月期で1,081円/戸。
1戸当たり純利益は、野村不動産パートナーズを別格とすれば、ザックリ1,000~20,000円。利が薄い……。

なぜ、東急コミュニティーの1戸当たり純利益は悪化しているのか。東急不動産ホールディングスの「有価証券報告書 第11期」(24年3月)P58「管理運営事業セグメント」には、次のように記載されている。
管理事業における事業環境は、インフレ下での資材・労務費の継続的な上昇、労働力確保難などを課題として認識しております。
重点課題としては、ストック拡大に頼った利益成長ではなく、「量」から「質」への転換及び質の向上により、生産性・収益性の改善及び事業ドメインの拡大を図ってまいります。
あわせて読みたい