渋谷区議会の「24年第1回定例会」本会議の代表・個人質問（2月20～22日）で、羽田新ルートに関して2名からの質疑応答があった。
議会中継（録画）をもとに、全文テキスト化（約900文字）しておいた。
※時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。
田中正也 議員（共産）2月21日【一般質問（代表）】
田中正也 議員（共産、区議3期、中央大学法学部卒、62歳）
田中：住民の圧倒的な中止を求める声、国に直接伝えるべき
9月のトルコ航空機の経路逸脱事案に続いて、1月2日には羽田空港で飛行機の衝突事故が発生しました。
住民からは騒音や落下物の危険とともに、羽田空港の過密ダイヤと人員体制など、安全対策への不安が広がり、このルートの撤回を求める声はますます大きくなっています。
区長は「現時点では中止を求める考えはない」と答弁していますが、住民の圧倒的な中止を求める声があることを国に直接伝えるべきです。所見を伺います。
区長：住民の声は様々な機会をとらえて国に伝えていきます
長谷部健 渋谷区長（無所属、3期、元渋谷区議会議員3期、専修大学商卒、51歳）
次に、羽田空港新飛行ルートについてお尋ねです。
国は羽田新経路の固定回避に係る技術的方策検討会で検討を進め、引き続き技術的な検証が必要と判断し、検討会の開催を見送っているとのことです。
また、先月2日の事故に関する原因究明や再発防止対策の検討の進捗も踏まえつつ、固定化回避の検討を進めていくとのことですので、その動向を注視していきます。なお、住民の声は様々な機会をとらえて国に伝えていきます。
鈴木建邦（無所属）2月22日【一般質問（個人）】
鈴木建邦 議員（無所属、区議6期、東大経済卒、49歳）
鈴木：事故を受け、ルート見直しも含め、国に改善を求めるべき
羽田新ルートです。羽田空港の事故は背景に、羽田の過密状況があるようで、ルート直下の住民は不安です。事故を受け、ルート見直しも含め、国に改善を求めるべきです。区長の見解を求めます。
区長：国に対して情報の開示や、安全対策の強化を求めていきます
（長谷部健 渋谷区長）
次に、羽田空港新ルートについてのお尋ねです。1月2日、羽田空港において日本航空516便と海上保安庁機との事故により、お亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、お怪我をされた方々にお見舞い申し上げます。
今般の事故原因については、現在運輸安全委員会で調査中です。国は、直ちに取り組むことができる航空の安全安心確保に向けた緊急対策を発表しました。また、羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会を立ち上げ、運輸安全委員会の事故調査報告を待たずにさらなる安全、安心、対策について検討を進めているところです。
本区としては、国の事故原因調査や事故対策検討の動きを注視しつつ、新飛行経路下の住民にかかる不安を取り除くよう国に対して情報の開示や、安全対策の強化を求めていきます。
雑感
毎度おなじみの、暖簾に腕押しの質疑応答……。
羽田新ルートの本格運用が20年3月に始まって、20年6月の第2回定例会以降、羽田新ルート問題に係る文字数（≒質疑応答時間）に減少傾向が見られたが、やや持ち直したか……。
19年以降の各会派の登壇状況を可視化したのが次表。
※事前質問項目に「羽田」の文言が含まれていないと、羽田新ルート取り上げ議員として認識されていない場合がある。
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