不動産経済研究所は12月20日、11月の「首都圏新築分譲マンション市場動向」を発表。
- 発売は 4.3%減の 2,743 戸。東京 23 区、都下など増加も埼玉県が大幅減。
- 平均価格 8,250 万円、m2単価 128.0 万円。23 区は 7 月以来の 1 億円台。
- 初月契約率は 4.8 ポイントアップの 74.2%。都下と千葉県が 8 割を突破。
これだけではよく分からないので、同研究所が過去に発表した数値データも含め、いつものように、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
※投稿23年12月20日(追記23年12月30日)
首都圏全体(発売戸数・発売単価・販売在庫の推移)
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移を下図に示す。
発売戸数を抑えることで在庫の解消と高値水準の維持が図られているように見える。
- 発売戸数
上下動が激しい。 - 発売単価
新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、21年4月に急上昇(千代田区の平均価格が2億円を超える大型の高額物件の影響による)したあと、上下変動が激しいものの高値水準を維持している。
※23年3月は都心大型・高額物件の発売の影響でm2単価199.9万円! - 販売在庫数
減少傾向が見られる。
発売戸数の前年同月比の推移を可視化したのが次図。
新型コロナ感染拡大の影響で、20年5月に▲82.2%(前年同月比)まで大幅に減少したあと大きくリバウンド。23年11月は▲4.3%減。
1都3県 ※23区に着目
発売戸数の推移
23区に着目すると11月の発売戸数1,029戸は、前年同月比で8.4%増(次図)。
m2単価の推移
23区の発売単価は、新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、21年4月に急上昇(千代田区の平均価格が2億円を超える大型の高額物件の影響による)したあと、上下変動が激しいものの高値水準を維持している。23年11月は198.1万円。
※23年3月は都心大型・高額物件の発売の影響で284.0万円!
23区
価格帯別の発売戸数割合の推移
23区の発売戸数の割合は、6千万円以下はほぼ消失。7千万円台の割合も激減し、億ションが目立つ。
億ションの発売戸数・率の推移
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、20年以降さらに増加する傾向にあり、たびたび20%を超えている。23年11月は42.9%(次図)。
【追記】「価格帯別の発売戸数割合の推移」グラフ横軸を均等割に修正
※23年12月30日
価格帯別の発売戸数割合の推移グラフを見たスムログ読者から次のコメントを頂戴した。
価格帯別販売戸数ですが、割合でグラフ化するなら横軸は一千万単位に揃えるべきでは?
元データがない一億以上は仕方ないにしても、一億以下はグラフの形が結構変わりますよね。
これまでグラフの横軸の価格帯は、不動産経済研究所の元データ(次図)と同じにしていたので、等間隔ではなかった。特に、5千万円以下の刻み方が細かいので、結果的に低価格帯の戸数割合が小さくなってしまっていた。
そこで、横軸の価格帯を均等割にして、1千万円単位で集計してみた(次図)。
- 修正前のグラフ:23区の発売戸数の割合は、6千万円以下はほぼ消失。7千万円台の割合も激減し、億ションが目立つ。
- 修正後のグラフ:23区の発売戸数の割合は、4,5千万円台の割合は小さく、7,8千万円台の割合も小さくなり、億ションの割合が目立つようになった。
まとめ
首都圏全体としては発売戸数を抑えることで在庫の解消と高値水準の維持が図られているように見える。
- 首都圏
- 発売戸数
新型コロナ感染拡大の影響で、20年5月に▲82.2%(前年同月比)まで大幅に減少したあと大きくリバウンド。23年11月は▲4.3%減。 - 発売単価
新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、4月に急上昇したあと、上下変動が激しいものの高値水準を維持している。 - 販売在庫数
減少傾向が見られる。
- 発売戸数
- 23区
- 発売単価
新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、21年4月に急上昇したあと、上下変動が激しいものの高値水準を維持している。23年11月は198.1万円。 - 発売戸数の割合
23区の発売戸数の割合は、6千万円以下はほぼ消失。7千万円台の割合も激減し、億ションが目立つ。 - 億ション
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、20年以降さらに増加する傾向にあり、たびたび20%を超えている。23年11月は42.9%。
- 発売単価
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