東日本不動産流通機構は12月11日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(23年11月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で3.7%増加し、6ヶ月連続で前年同月を上回った。
- 成約m2単価は前年比で7.6%上昇し20年5月から43ヶ月連続、成約価格は同7.1%上昇し20年6月から42ヶ月連続で前年同月を上回った。
- 専有面積は前年比マイナス0.4%となった。
地域別動向
- 成約件数は埼玉県と神奈川県他以外の地域が前年比で増加し、東京都区部は6ヶ月連続で前年同月を上回った。
- 成約m2単価は埼玉県以外の地域が前年比で上昇し、東京都区部は43ヶ月連続、千葉県は40ヶ月連続、横浜・川崎市と多摩は5ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏の中古マンション市場動向を可視化した。
首都圏
成約単価
首都圏の中古マンションの成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降新築マンションに引っ張られるように上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化。19年2月頃から再び上昇傾向にあり、コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。70万円を目前に伸び悩んでいたが、8か月連続で70万円を上回る(次図)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
成約件数
首都圏中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
11月の成約件数は2,900戸(前年同月比3.7%増)。
首都圏中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲52.6%と大幅に減少したあと、激しくリバウンド。その後は一進一退。23年11月は3.7%増。
在庫件数
首都圏の中古マンションの在庫件数は、19年1月をピークに減少していたが、21年6月に底打ちし増加に転じている(次図)。
1都3県
成約単価
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向。コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。22年10月をピークに下降傾向にあったが、23年3月上昇に転じる。11月は100万円を突破し100.87万円に。
成約件数
1都3県の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
11月の都内の成約件数は1,584件(前年同月比6.7%増)。
都内中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲55.3%と大幅に減少したあと、激しくリバウンド。その後は一進一退。23年11月は6.7%増。
在庫件数
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、19年2月をピークに減少していたが、21年5月に底打ちし増加に転じている。23年5月をピークに減少し始めたか………。
23区
成約単価
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都心3区の成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落傾向。20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに同年6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあとも上昇傾向にあった。22年11月をピークに下降し始めたと見られたが何とか踏み止まっている模様。11月は165.69万円。
3区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。
都心3区>城西>城南>城北>城東
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
成約件数
23区の中古マンションのうち、成約件数が多い城東地区と少ない都心3区の成約件数の推移を次図に示す。
城東地区と都心3区の中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に大幅に減少したあと、激しくリバウンド。その後は一進一退。
在庫件数
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、21年4月前後に底打ちし増加に転じている。23年5月をピークに減少し始めたか………。
★まとめ
成約単価は下降し始めたかと見られたが何とか踏み止まっている模様。成約件数はコロナ第1波で大幅に減少したあと激しくリバウンドし、その後は一進一退。在庫件数は23年5月をピークに減少し始めたか………。
- 首都圏
- 成約単価:コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。70万円を目前に伸び悩んでいたが、8か月連続で70万円を上回る。
- 成約件数:新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に大幅に減少したあと激しくリバウンド。その後は一進一退。
- 在庫件数:21年6月に底打ちし増加に転じている。
- 都内
- 成約単価:コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。22年10月をピークに下降傾向にあったが、23年3月上昇に転じる。11月は100万円を突破し100.87万円に。
- 成約件数:(首都圏と同じ傾向)
- 在庫件数:23年5月をピークに減少し始めたか。
- 都心3区(千代田、中央、港)
- 成約単価:20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに同年6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあとも上昇傾向にあった。22年11月をピークに下降し始めたと見られたが何とか踏み止まっている模様。11月は165.69万円。
- 成約件数:(首都圏と同じ傾向)
- 在庫件数:23年5月をピークに減少し始めたか。
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