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羽田新ルート|港区議会「23年第4回定例会」質疑応答

港区議会「23年第4回定例会」本会議の一般質問(11月29日・30日)で、羽田新ルートに関して、2名の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約1千400文字)しておいた。


もくじ

清原和幸 議員(自民)

清原和幸 議員(自民)
清原和幸議員(自民党、区議4期、日大理工卒、64歳)

清原:区民の皆様から寄せられている意見や要望を区から早急に国土交通省に伝えていただきたい

次に羽田空港新飛行経路についてお尋ねをいたします。
港区議会は平成16年3月に国土交通省に対し、都心ルートを含む分散ケースに反対し、海上を最大限利用したルートの設定を求める旨の意見書を提出しております。

武井区長は令和4年3月18日に国土交通省に対して、区に寄せられた意見を騒音等の対策や、新飛行ルートの固定化回避などの検討に役立てるよう要請もしています。


私は令和2年第2回定例会の一般質問で、「落下物に対する不安や機影を見えて恐怖を感じた」「思った以上にうるさい」「便数が多すぎる」「新飛行経路は常軌を逸している」「経路見直しや撤回」など、多くの区民の皆様、また地域の皆様から叱責を受けていると紹介しました。

誠に残念ながら、4年経った現在も状況は変わっておりません。我が家はC滑走路を活用するほぼ真下に位置しており、航空機が飛行する高度は約550mです。

そのため、皆様から寄せられる意見や要望は十分に理解ができます。


ところで、国土交通省では、カーボンニュートラルに向けた取り組みの中で経路短縮を検討する必要があると示しております。

経路を短縮するなら、海上ルートがベストと考えます。「今年の夏から秋にかけて開催予定」と聞いていた第6回固定化回避検討会もいまだ開催されておりません。

区の担当部門に聞いても、国からは「安全性の評価を行っていると聞いている」とのことですが、国は固定観念にとらわれることなく検討を加速し、一刻も早く結論を出していただきたいと思います。


そこで、海上ルートや、さらなる地方空港の活用、そして区や私のところへ区民の皆様から寄せられている意見や要望を区から早急に国土交通省に伝えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。区長のご所見を伺います。

区長:今後も、区議会定例会や委員会の中でいただいたご意見やご要望についても早期に国へ伝えてまいります

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長(5期、元港区民生活部長、早大政経学部卒、70歳)

次に、羽田空港新飛行経路についてのお尋ねです。区には日頃から騒音や、落下物の不安などの声が区民等から寄せられており、頂いたご意見は全て国に伝えております。

また、お寄せいただいた多くの意見を踏まえ、国に対し、海上ルートの活用、地方空港の活用等による飛行ルートの分散化、今後の航空技術等の進展に伴う飛行経路の様々な運用など、固定化回避に向けた検討を加速するよう要請をしております。

今後も、区議会定例会や委員会の中でいただいたご意見やご要望についても早期に国へ伝えてまいります。

福島宏子 議員(共産)

福島宏子 議員(共産)
福島宏子議員(共産党、区議1期、聖徳学園保育士専門学校卒、保育士、57歳)

福島:早急に住民説明会の開催を(国に)求めること

羽田新飛行ルートの住民説明会を早急に開催することについてです。
11月10日、日本共産党東京事務所主催の羽田新飛行ルートに関する国交省レクが開催されました。

参加者から「住民説明会をやるのか、やらないのか」と厳しく追及され、国交省は「やる方向で時期、開催方法を検討している」と答弁しました。


港区として再度交渉の場を持ち、早急に住民説明会の開催を求めること。答弁を求めます。

武井雅昭 港区長
武井雅昭 港区長

区長:引き続き粘り強く協議を進めてまいります

次に、羽田新飛行ルートの住民説明会を早急に開催することについてのお尋ねです。

区では住民説明会の具体化に向けて、開催時期や開催方法など、国と複数回にわたり協議をしております。

国からは「住民説明会の開催については、しかるべきタイミングで説明の場を設けたい。実施時期、方法等について引き続き検討していく」との回答を受けております。

今後も早期の開催に向けて、引き続き粘り強く協議を進めてまいります。

雑感(区長は役人が作成した耳タコ表現を棒読みするだけ)

港区議会では、定例会本会議で羽田新ルート問題に係る代表・一般質問を取り上げるのは共産党と「みなと政策会議」(⇒改選後:みなと未来会議7人、みなと政策会議4人)だけでなく、自民・公明党議員も少なからず取り上げるのが他の区議会では見られない特徴である(次表)。

とはいえ、毎回取り上げているのは共産だけ。

羽田新ルートに係る定例会本会議代表・一般質問人数 (港区議会の党派別内訳)

 

羽田新ルートの本格運用開始後に開催された20年第3回定例会では、羽田新ルートに係る登壇者数・文字数(≒質疑応答時間)とも最も多かったのだが、その後減少傾向(次図)。

港区議会 本会議定例会/羽田新ルートに係る 代表・一般質問登壇者数・質疑応答文字数の推移

今回の質疑応答でも、実質的な進展はゼロ。

今回もまた、共産が説明会の開催を求めるも、区長は役人が作成した耳タコ表現を棒読みするだけ。

前回との違いは、「国と」があるか否かだけ。

  • 今回答弁:今後も早期の開催に向けて、引き続き粘り強く協議を進めてまいります。
  • 前回答弁:今後も早期の開催に向けて、引き続き国と粘り強く協議を進めてまいります。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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