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羽田新ルート|「都及び関係区市連絡会」(令和5年度 第3回分科会)コッソリ開催

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和5年度 第3回分科会」が23年10月30日に開催されていたことをご存じだろうか。

※投稿23年12月2日(追記24年1月10日)


もくじ

都及び関係区市連絡会、今回もコッソリ開催されていた

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページの「最終更新日」が11月30日17時40分、「令和5年11月30日」に変っていた。

どこが変わったのかと、目を皿のようにしてチェックしていくと、都市整備局の読みづらい「トピックス」に「都及び関係区市連絡会 第3回分科会」が追記されたことに気づく(次図)。

毎度のことであるが、トピックスに掲載された日付がないので、ぼーっと見ているだけでは、新着情報であることに気が付かない。また、都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙いか…)。

羽田空港の更なる機能強化について

リンク先を開くと、「議事の要旨」のほかに、「各区市の意見等」(PDF形式)が掲載されている。

会議の概要
  • 会議名 令和5年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 分科会(第3回)
  • 開催日 令和5年10月30日(月曜日)
  • 出席状況
    • 東京都、港区、新宿区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、江戸川区、国土交通省
  • 議事の要旨
    *国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等についての説明

【各区市の意見等】(PDF形式)

  • 国内、国際線問わず、ルートの逸脱については引き続き厳正な対応をお願いしたい。また、落下物と騒音対策について、特に落下物ゼロに向けて、不断の取り組みをお願いしたい。最後に、固定化回避検討会の開催日程や詳細の内容について、可能な限り速やかな情報提供をお願いしたい
    • ⇒経路の逸脱についてはあってはならない事案である。今後も厳正に対処を行う。落下物について、今後も落下物ゼロに向けて不断の取り組みを実施していく。固定化回避についても、現在安全性の検証を多岐に亘り検討している最中である。今後も的確に対応を行っていく。

【会議資料】

公開された「会議資料」(次図)は、「(資料6-2)都に寄せられた意見について」以外は、国交省が「新飛行経路の定期運用報告(第21回」として11月30日に公表した資料に含まれている。

国交省は10月30日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に羽田新ルートの運用状況を報告し、1か月後の11月30日に、都と同じ日に関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる

会議資料

都民の怒りの矛先は都ではなく、国に向かっている!?

国交省の配布資料(11月30日公表)に無かったのは、「(資料6-2)都に寄せられた意見について」。23年7月1日から8月31日までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月でたったの18件!

国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよく分かる(次図)。

都民の怒りの矛先は東京都ではなく、国に向かっているのか。あるいは都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのか……。

羽田新ルートに関して寄せられた意見の件数

「都及び関係区市連絡会」開催実績

羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の開催実績を次図に示す。

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」 開催状況

【追記】開示請求で「出欠表(予定)」「議事概要」

※追記24年1月10日

11月30日に公開された「議事の要旨」「各区市の意見等」では、区の出席者が不明だし、どの区が発言したのかも分からない。

東京都に開示請求していた文書(出欠表(予定)議事概要)を入手したので、以下ひも解く。

2回続けて部長が全員出席

東京都からの参加は都市整備局理事。羽田新ルートが通過する13区の部長が全員出席したのは前回に続いて2回目(次表)。

出欠表(予定)

開示された「議事概要」でしか分からない国交省の説明

「固定化回避検討会の開催日程や詳細の内容について、可能な限り速やかな情報提供をお願いしたい」と発言していたのは、品川区であることが分かった。

品川区の発言内容は、公開されている「議事の要旨」と開示請求で得た「議事概要」とでは、ほどんと違いはなかった。

 

議事概要で気になった国交省の説明内容(公開されている議事の要旨には全く触れられていない)を以下、抜粋しておこう。

航路データの取得に不具合が発生する可能性

(資料3 新飛行経路の航跡の概要について)
(前略)一部、想定経路を逸脱してい る航跡があるが、データの取得に不具合があった可能性があり、管制用のデータで確認した ところ、想定経路内を飛行していることが確認できた。

羽田小の騒音測定結果が推計平均値を上回っている

(資料4 航空機騒音の測定結果)

(前略)B 滑走路西 向き離陸の騒音である川崎市と大田区について、今回、羽田小学校の8月の大型機が推計平均値を上回った

原因分析を行っているところであるが、機材構成が影響している可能性が ある。

前年の同月と比較すると、大型機はボーイング 777 の便数割合が増加しており、大型 機の実測値の平均を押し上げる要因となっているものと考えられる。羽田小学校において は小型機も推計平均値を上回っており、機材構成の変動についても引き続き注視していく。

渋谷区上空、機体空力音等の影響

(同上)

通常、3.45 度で降下した方が2段 階降下よりも騒音軽減効果が大きくなる傾向にあるが、広尾中学校の結果は逆転現象が続 いている。これは 3.45 度継続進入における運航安全上必要な操作が渋谷区上空で行われて おり、その際に発生する機体空力音等が影響している可能性が考えられる。こちらのついて も引き続き注視していく。

「3.45 度継続進入における運航安全上必要な操作が渋谷区上空で行われて おり、その際に発生する機体空力音等が影響している可能性」とは、進入高度を3.45度に保つためにエンジンの出力を調整していることによる騒音のことではないのか。

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