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羽田新ルート|港区議会「23年第3回定例会」決算特別委員会(環境清掃費)

港区議会の「23年第3回定例会」決算特別委員会(環境清掃費)の質疑(9月25日)で、羽田新ルートに関して、4名の議員の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約8千文字)しておいた。

※以下は超長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は環境課長


福島宏子議員(共産)

福島宏子(共産)
福島宏子議員(共産党、区議1期、聖徳学園保育士専門学校卒、保育士、57歳)

福島:説明会の開催、何が支障になって進まないのか?

次に、羽田新ルートを巡る国交省による早急な説明会の開催についてです。先日の一般質問で区長は「複数回協議をしている」と答えました。何が支障になって進まないのか、答弁をお願いします。


それとも、もう1つ、「区としては全力で早急に説明会を開かせる」というこの方針は変わらないということ、確認をさせていただきたいと思っています。

課長:国と粘り強く協議を進めてまいります

環境課長

住民説明会については実施の具体化に向けて開催時期や開催方法等、国とこれまで複数回にわたり協議をしているところです。国に要請した当初は「重く受け止めている」との反応でしたが、最近では「然るべきタイミングで説明の場を設けたい。実施時期、方法等について引き続き検討していく」と回答いただけるようになってきました。


ただ、国と話をする中では、区が求めているのは早期の教室型の説明会の開催ですが、国は「きめ細かな対応が可能なオープンハウス型の説明会のメリットが大きい。時期や実施方法は自治体とも相談のうえ検討したい」との考えです。


今後も早期の開催に向けて、引き続き国と粘り強く協議を進めてまいります。また、この姿勢については区のほうも変わりません。

福島:「みなとの空を守る会」なども含めて国交省に要請に行くこと

はい。なるべく早くというところは区も変わっていないということを確認できました。
資料を拝見いたしましたが、今年2月3日の要請の際に、もう国交省側は「教室型説明会の実現に向け調整したい」というふうに述べています


すでに飛行機が飛び始めてから3年半が経過しています。いつまで待てばよいのか。区民の願いは一刻も早く、全ての区民の声を聞く場を設けていただくことです。

環境課はことあるごとに要請しているわけですが、同じやり方ではちょっともう動かないのではないかと思いますので、一度是非、請願を出している町会長や「みなとの空を守る会」など、メンバー、また区民も含めて国交省に要請に行くこと、答弁をお願いします。

課長:区議会と相談をさせていただきます

説明会の早期開催に向けて引き続き国と粘り強く協議してまいりますが、請願を出されている町会や「みなとの空を守る会」のメンバー等の皆様とともに要請に行くことについては、区議会と相談をさせていただきます

福島:非強く要望をお願いしたい

はい。本当にもう国交省は重く受け止めてると思えませんので、是非強く要望をお願いしたいということで終わります。

森慶二郎 議員(れいわ新選組)

森 けいじろう(れいわ)
森慶二郎議員(れいわ新選組、区議1期、学習院卒、大手メーカー営業職⇒民間放送局の営業職⇒脱サラ、41歳)

森:固定化回避の具体的な経路および変更時期?

次に、先ほど福島委員の方からもありましたが、私の方からも羽田新飛行ルートについて質問をさせていただきます。

これまでも、区や区議会が国に要請している通り、海上ルートの活用や地方空港のさらなる活用など、新ルートに限らず、羽田空港の飛行経路について様々な運用を検討し、1日も早く固定化回避を実現していただきたいと考えております。


昨年8月、第5回の固定化回避検討会が開催され、次回の検討会開催は令和5年度の夏から秋にかけて行う予定と発表されました。

国交省のサイトには、「羽田空港のこれから」というページがあり、航空機の新飛行経路や騒音対策、羽田空港の歴史など幅広い情報が紹介されております。この中に固定化回避のことも掲載されております。日頃から注意深くこのページを確認しておりますが、年度ごとの検討の到達点は記載はされておりますが、現在の検討の進捗状況については記載がされておりません。


検討はあくまでも国が進めているものであり、区はその検討の詳細までは把握が難しいとは承知しておりますが、現在の検討の進捗状況と固定化回避の具体的な経路および変更時期について、答弁をお願いいたします。

課長:(第6回固定化回避検討会)以降の検討になる

環境課長

国は新飛行経路の固定化回避ための飛行方式を羽田空港に導入するため、これまで5回、固定化回避検討会を開催し、騒音軽減効果が大きい2つの飛行方式に絞り込んでいます。その飛行方式については、現在は安全性評価などの検討を行っていると聞いております。


固定化回避の具体的な経路と変更時期については、国からは「夏から秋にかけて開催予定の第6回固定化回避検討会での安全性評価などの技術的な取り組みにかかる議論等も踏まえたそれ以降の検討になるものと考えている」と聞いております

森:区が公表している騒音測定、伝え方を工夫する必要がある

第6回固定化回避検討の予告された時期はまだ終わっておりませんので、開催を待ちたいと思いますが、私は区内を歩いていると、地域の皆さんから最もいただくご質問、ご意見というのが、この羽田に関することです。


固定化回避の状況はどこまで進んでいるのか、だったり、何か動きがあるのかということを多くの方からお声をいただきます。

区民の関心は弱まることなく、強まっている状況です。区民の生活に大きな影響を及ぼしているこの新ルートが固定化されることがないよう、今後もこれまでにも増して、ご対応をいただきたいと要望させていただきます。


次に、騒音測定結果の伝え方について伺います。
区では新飛行ルートが運用された令和2年度から航空機の騒音測定を行っております。昨年度の測定期間は6月から8月の3か月間で、測定場所は航路直下の3か所、AとCルートの間が1か所の合計4か所です。


その測定結果は区のホームページに「令和4年度 航空機騒音測定結果概要」としてまとめられ、掲載されております。
測定結果概要を見ますと、測定場所ごとの最大値、最小値、平均値、騒音発生回数や飛行高度など幅広く分析、掲載されております。

区の測定で最も大きな音を観測した本村小学校を例に上げますと、最大値は85.4dB、平均値が71.0 dBであり、いずれも他の測定場所よりも大きな音のことでした。

また、本村小学校で観測した騒音発生回数は南風運用を行った63日間でAルートとCルールトを合わせると4,902回で、南風運用のあった日には1日平均約78回もの騒音を観測しております。


非常に多くの飛行機が飛んでいることが区の測定結果からも分かります。一方で私たちは普段、生活で何気なく聞いているいろんな音に関して、それが何dBになるのか意識することはありません。このため測定結果において、本村小学校の最大値85.4dBや平均値が71.0との記載があっても、どの程度の大きさなのかイメージができません


そこで伺います。より多くの方に騒音の実態を分かりやすく伝えるためにも、区が公表している騒音測定について、伝え方を工夫する必要があると考えますが、区のお考えをお聞かせください。

課長:航空機騒音が聞こえているのかイメージ、伝え方ができている

本村小学校の例をあげますと、観測した騒音70から80 dBは地下鉄車内に相応し、南風運用した63日間で2,965回発生したと表記をしております。

 

航空機騒音測定結果概要_本村小学校令和4年度 航空機騒音測定結果概要|区独自の騒音測定結果より

このように、日常生活においてどの程度の大きさの航空機騒音が聞こえているのかイメージできるよう工夫をすることで、区民からの「在宅勤務時、会議の声が聞こえない」「テレビ、電話の音が聞こえづらい」等の声を裏付ける伝え方ができていると考えております

森:誠実なご対応を強く要望

ありがとうございます。繰り返しになりますが、区民の方々の会話の中で真っ先に聞かれることの多くはこの羽田新飛行ルートについてです。それだけ多くの区民は関心を持ち、問題意識を持っております。


今後も区民の意向や思いを汲み取った誠実なご対応を強く要望し、質問を終わります。

斎木陽平 議員(みなと未来会議)

斎木陽平(みなと未来会議)
斎木陽平 議員(みなと未来会議、区議1期、慶応院卒、31歳)

斎木:固定化回避実現に向けて、今後どう取り組むのか?

みなと未来会議の斎木でございます。私は羽田新ルートの固定化回避について伺わせていただきたいと思っております。補足資料6枚用意(PDF:938KB)させていただいたので、そちらご覧になりながら聞いていただければと思います。

固定化回避、現在、国土交通省において、「羽田新空路(「経路」の誤読)固定化回避に係る技術方策検討会」が開かれて、今までも委員の皆様もご説明なさってましたけども、計5回行われております。固定化回避に向けた技術的な検討を深めていただいておるものと承知しております。

質問準備も踏まえて、この5回の検討資料じっくりと読み込ませていただきました。そして令和3年8月25日の検討会では、この資料1ですね、資料1で示したような対応策の整理表などが整理されて、一つひとつ検討を進めていただいていると。

そしてRNP-AR、あとRNP+WPと、この2つを飛行方式、こうしたものに絞り込んで、検討を深めていただいているというふうに承知をしております。


そして、資料2になりますけれども、令和4年の8月3日に開かれました第5回の検討会で示された今後のスケジュールでは、まさに今年の夏から秋にかけて第6回を開く。

今年のまさにもう夏も終わりかけてきて涼しくなってきた秋、まさに今非常に重要な局面を迎えているんだろうと思いますけれども、ここでは、スケジュールにおいては、データの共有、リスク評価、さっき示された2つの飛行方式について、様々なリスク評価を行って、さらには運航者との合意形成までしっかり行って取りまとめて、そして基準素案を策定し、今年の夏から秋にかけて第6回の検討会を開くと、国土交通省、具体的スケジュールを示しておられます


非常にこう重要な局面、固定化回避に向けて非常に重要な局面を迎えているかと思いますけれども、ここで質問させていただきたいと思います。


これまで区として、国に対して固定化回避に向けてどのように働きかけてきたか。そして固定化回避実現に向けて、今後どう取り組むのか、区の見解をお聞かせください。

課長:固定化回避の検討を加速するよう強く求めてまいります

環境課長

これまで国に対し、区長名で固定化回避の検討を加速するよう複数回にわたる要請するとともに、昨年3月には区長が直接国交省を訪問し、区が行った意見募集結果をお渡しするとともに、固定化回避の検討を加速するよう要請をしております。


また、環境課でも日頃から国に対して検討の進捗を確認するとともに、固定化回避検討会の早期開催を繰り返し求めています


今後の動向を注視するとともに、国に対し固定化回避の検討を加速するよう強く求めてまいります

斎木:経済的な補償、要望を行っていただきたい

ありがとうございます。区民の声を代表してしっかりと声を届けていただいているそのご努力に大変感謝を申し上げて、引き続き粘り強く国の対応を促していただきたいと思います。


続いて、騒音・経済被害に対する補償について伺わせてください。
今まで述べてきた国の検討会は令和2年6月30日にスタートいたしまして、すでに3年半以上が経過をしていると。区民の中には一刻も早くこの騒音の状況を改善(して)ほしい、切実な声をよく耳にいたします。

そして、固定化回避が実現するまでの今日も含めて、実害が生じ続けているということは厳然たる事実かと思います。


資料3、資料4で示させていただきましたけれども、港区は令和3年11月から令和4年1月にかけて、羽田空港機能強化についての意見募集を実施し、743人から意見をいただいていると。

その中で、見てみますとやはり地区別、ご覧になっていただき、資料3の地区別見ていただきますと、高輪地区、やっぱり非常に集中しているということで、まさにこの非常にエリアによって、よりこの傾向が出ているのかなというふうに思います。


そして、意見の種別というところを見てみましても、「新ルートの見直しをしっかり求めてほしい」「騒音がある」そして「落下物」「健康」そのような要望、そしてさらには、「補償をしっかりしてほしい」という声も一部出てございます。


この意見募集っていうのは、広い意見の聞き方で、まさに騒音とか落下物とか健康、こうした被害を感じている方々に「補償を求めますか」と聞いてるわけではない。

こうした方々に改めて「補償。そういったもの必要ではないか」というふうに聞くと、またこういう件数も今23ですけれども、もっともっと区民の中にはそういう声が多いんではないかなというふうに思っております。


この羽田新ルートによって、観光客の増大や港区、首都圏全体の産業振興に貢献してる側面、メリットがやっぱりあるということはこれも、これはきちっとフェアに見なければいけないというふうに思っておりました。あると思います。


資料5で国土交通省が示している羽田新ルートによる経済効果の試算についてもお示しをさせていただきました。経済波及効果は6,503億円。この羽田空港の機能強化によって4万回発着数を増やすことができ、705万人旅客数を増やすことができる。そうしたことで税収の増加も532億円見込んでいると。こうしたことが国土交通省からもデータで出てございます。


この問題については、単純比較はできないものの、原発の問題でありますとか基地問題にも通ずる部分があると考えております。

つまり、原発や基地については、この羽田もそうですけど、社会全体にこうした便益がある一方で、立地する特定の自治体、あるいは高輪地区のような、まさに上空とか、高輪地区だけではない、港区の上空、そうした方々に騒音の課題や落下の事故リスク、落下物の事故リスク、難題を抱えるという課題があるという点です。


こうした課題への対応策として、国は設置自治体に、例えば原発であれば、設置自体に毎年10億円の補助金を示す方針など、様々な経済的補償を行うといったことは、ほかの基地問題、原発問題においても考えられていって、実際に実施をされている政策でもございます。


資料6(下図)で示させていただきましたけれども、そうしたことを学術的には迷惑施設の経済的補償というふうに言われる分野でございますけれども、こうした部分、しっかりとこの補償の部分もきちっと国に考えていただかなければいけない。それを区として、やはり要望していただけなければいかないかなというふうに、私としては考えております。

資料6_迷惑施設の経済的補償


メリットといたしましては、経済的補償、先ほども述べましたけれども、区の意見公募でもやはりそういった補償を望む声もやはり少なからず存在する。そして経済的負担を国に求めることによって、やはり経済補償を続けなければいけない。ということは固定化回避すれば、そして経済的補償はもうしなくて済むわけですから、やはり国が早く固定化を回避するインセンティブになる、こうしたメリットも考えられると思います。


しかし一方で、こうしたデメリットもございまして、仮に経済的補償が実現した時に、もうお金で補償してるんだから、もう固定化回避しなくていいだろうとか、開き直られてしまうとか。あるいは補償以外の解決手段を訴える人たちに無力感を産んでしまうとか、そうした課題ももちろんあると思います。


様々な解決策、メリット・デメリットあると思います。そんな中で、しかし、こうした経済的補償も含めて、やっぱり最後に大切なことは、やはり「一刻も早くこの固定化回避してほしい」「騒音の問題を取り除いてほしい」あるいは「補償が必要だ」とか、そうした住民の声をしっかりとやはり国に届けていく、区の役割、こういうことが非常に重要になっているかと思います。


こうした資料も含めて、是非経済的な補償、こうしたことも含めて、是非区としては国にさらにこうした補償の様々な選択肢も含めて要望を行っていただきたいと考えますが、いかがお考えでしょうか。

課長:委員のご意見、確実に国へ伝えてまいります

区には日頃から「家の中での会話、テレビの音が聞こえない」など、騒音に対する声が区民から寄せられており、頂いたご意見は全て国に伝えるとともに、これらのご意見を騒音対策や固定化回避の検討に役立てるよう要請しています。


ご提案ありました委員のご意見につきましても、これまでと同様に確実に国へ伝えてまいります

斎木:固定化回避の実現に向けて力を合わせていきたい

国にしっかり伝えていただけるという力強い答弁をいただきました。是非、きちっとこの経済的補償も含めて、区民の要望を是非、区長、副区長も含めて、是非チーム一丸になってしっかりと要望し、固定化回避の実現に向けて力を合わせていきたいと思って質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

清家あい 議員(みなと政策会議)

清家 あい(みなと政策会議)
清家あい議員(みなと政策会議、区議3期、青学国際政治経済学部卒、元産経新聞社会部記者、48歳)

清家:港区では独自に航空機騒音の測定、どのような状況だった?

羽田空港の新ルートについてお伺いします。2020年、令和2年3月にオリンピックに向けて運用が始まった羽田空港新ルートは、この夏4年目を迎えました。

港区議会では令和2年7月、国に対し新ルートの固定化回避を求める請願を採択し、国に意見書を提出。令和5年6月にも「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」の検討内容を住民に知らせるための住民説明会を開催するよう、再度求める請願を採択し、国に意見書を提出しています。


港区でも同様に、国に対し働きかけを行っておりますが、現在までに明確な回答は得られていないということです。先ほど来、多くの他の議員からも質問が出ていますが、早急な説明会の開催を強く求めます


着陸機は南風の日の午後3時から7時の間に、港区など都心の上空を2ルート、超低空で飛行しますが、この夏はコロナが明けて初めてのルート運用だったことから、飛行回数も騒音発生も過去にないほど急激に増加しました。実感としても非常に増加しました。


港区が独自で行っている騒音測定によると、白金台幼稚園では地下鉄の車内と同じ、最大値70から80 dBの騒音で、騒音発生回数は1日100回以上という日が毎日のように続き、本村小学校では最大値がゲームセンターの店内と同値の最大値80から90dBの騒音が複数回記録され、発生回数も1日80回から90回という日が連日続いています。


子供たちの心身の発達に対し、飛行機の騒音が悪影響を及ぼすことを調査指摘する学術論文など多く存在しますが、実際に西麻布近隣の子供の学校に行くと校庭の真上を轟音を立てて飛行機がバンバン飛んで行って、こんな環境下で日々過ごしているのかと恐ろしくなるほどです。

モノを言えない子供たちの育つ環境を守るのが大人の務めではないでしょうか。質問に入ります。

港区では独自に航空機騒音の測定を行い、結果を公表していますが、令和5年6月・7月分では昨年同時期に比べ最大値、騒音発生回数など、どのような状況だったのかお伺いします。

課長:1日の最大値が80dBを超えた日は今年度と昨年度ともに2日間

環境課長

昨年度の6月と7月の同時期を比較したところ、1日当たりの騒音発生回数が100回を超えた日が今年度は25日間、昨年度はありませんでした。なお、1日の最大値が80 dBを超えた日は今年度と昨年度ともに2日間でした。

現在、今年度の騒音測定結果について、昨年度と同様の報告書を区ホームページで公開するため、平均値等も含めた詳細な分析を行っております。

清家:影響調査を行うことは港区としての責務

ありがとうございます。アフターコロナという時代になって、これが最大なのか、ますます増えていくこと、悪化していくのかというところ大変危惧しているところです。


次に、品川区では今年8月に15歳以下の区民36万人を対象にした大規模な住民アンケートを行い、羽田空港新ルートによっての騒音や生活への影響を調査し、10月に公表するとしています。また、区立学校の児童生徒についても別途調査を行うとしています。


港区内で直接的に影響を受けるルート下の住民の被害状況を確認したり子供たちの声を聞くなど、状況を確認したり影響調査を行うことは港区としての責務だと考えますが、見解をお伺いします。

課長:ご提案のような調査を行うことを予定しておりません

区では日頃から寄せられる騒音や落下物の不安などの区民の声や令和3年度に区で行った意見募集でのご意見を全て確認し国に伝えております。また、国も固定化回避の検討を進めております。


このため、現時点においてはご提案のような調査を行うことを予定しておりませんが、今後も区は区民の生活環境を守る立場から、国に対して区民の不安の声や区独自の騒音測定結果を示し、海上ルートの活用、地方空港への分散化など、固定化回避の検討を加速するよう強く要請してまいります。

清家:(固定化回避の検討加速)強く進めていただくようお願い

是非、強く進めていただくようお願いいたします。質問は以上です、ありがとうございます。

雑感

固定化回避に係る具体的経路・変更時期の公表、先送り!?

今回の質疑応答で新たに認識した情報は次の2点。

1点目は、区が「教室型説明会」の開催を求めているのに対して、これまで開催に応じてこなかった国交省が「オープンハウス型の説明会」の開催に向けて調整し始めたこと。

2点目は、固定化回避の具体的な経路と変更時期について、夏から秋にかけて開催が予定されている第6回固定化回避検討会では明らかにならず、第7回以降に先送りされるということ。

1点目の問題共有型の「教室型説明会」ではなく、情報共有化を妨げる「オープンハウス型の説明会」の開催については、国交省が複数の区や区議会から散々要請を受け、追い込まれた結果、苦肉の策として調整し始めたのであろう。驚くに値しない。

ただ、2点目の固定化回避に係る具体的経路・変更時期について、第6回の検討会では明らかにせず、第7回目以降に先送りするという情報には驚かされた。昨年の8月に第5回の検討会が開催され、多くの区議会から検討状況を求められたにも拘らず、1年間も無言を貫いた結果、第6回の検討会でも先送りするという国交省の判断は衝撃的だ。

このまま「固定化回避」曖昧表現を繰り出すことで、時間稼ぎをしつつ、航路下住民が環境に馴化する、あるいは諦めるのを待っているのであろうか……。

環境課長の耳を疑う答弁

環境課長の答弁で耳を疑ったのが2点。

1点目は、森議員(れいわ新選組)が区の独自騒音測定結果を分かりやすく伝える工夫が必要であると質したのに対して、環境課長は「(区民への分かりやすい)伝え方ができていると考えております」と抗弁したこと。

森議員が、最新の令和5年度の資料ではなく古い令和4年度の「 航空機騒音測定結果概要」を取り上げて質問した不注意や、騒音の大きさを「地下鉄の車内」「ファミリーレストランの店内」など、分かりやすく表現された表5-3(上図)が公表されていることに気づいてないような読みこみ不足にも問題はある。

でも、区民に選ばれた議員の質問に対して、「伝え方ができていると考えております」と言い放った課長は、区民のために仕事をしているようには思えない。

2点目は、斎木議員(みなと未来会議)がわざわざ資料を作成してまで提案した国に補償を求めることに対して、環境課長は「ご提案ありました委員のご意見につきましても、これまでと同様に確実に国へ伝えてまいります」と受け流したこと。

情報を単に右から左に流すだけでいいのだろうか……。

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