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羽田新ルート|「都及び関係区市連絡会」(令和5年度 第1回分科会)コッソリ開催

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」の「令和5年度 第1回分科会」が23年4月27日に開催されていたことをご存じだろうか。

※投稿23年6月1日(追記23年7月1日)


もくじ

都及び関係区市連絡会、今回もコッソリ開催されていた

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」のページの「最終更新日」が5月31日17時、「令和5年5月31日」に変っていた。

どこが変わったのかと、目を皿のようにしてチェックしていくと、都市整備局の読みづらい「トピックス」に「都及び関係区市連絡会 第1回分科会」が追記されたことに気づく(次図)。

毎度のことであるが、トピックスに掲載された日付がないので、ぼーっと見ているだけでは、新着情報であることに気が付かない。また、都HPの新着情報にも都市整備局HPの新着情報にも掲載されていないので、一般の都民が知ることは不可能である(それが狙いか…)。

東京都都市整備局の「羽田空港の更なる機能強化について」

リンク先を開くと、「議事の要旨」のほかに、「主な意見及び国の回答等」(PDF形式)が掲載されている。

会議の概要
  • 会議名 令和5年度羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会 分科会(第1回)
  • 開催日 令和5年4月27日(木曜日)
  • 出席状況
    • 東京都、港区、新宿区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、江戸川区、国土交通省
  • 議事の要旨
    *国土交通省より、騒音測定結果や部品欠落報告等についての説明

【主な意見及び国の回答等】(PDF形式)

  • 降下角の引き上げに伴う騒音軽減効果を比較可能な測定局の中で、羽田空港からの距離がおおよそ中間の地点に位置している高輪台小学校と下水道事務所品川出張所の騒音軽減効果がその他の測定局と比較して大きい理由如何
    • ⇒高輪台小学校、下水道品川出張所については、測定局が新経路の直下に位置していることから、その他の測定局と比較してより騒音軽減効果が表れたものと認識。なお、新経路から側方に位置している測定局においても、一定の騒音軽減効果を確認している。
  • 区民からも様々な意見、要望を受けている。安全性については部品欠落の説明を頂いたが、引き続き部品欠落が無くなるよう取組を進めていただきたい。
    また、固定化回避検討会での検討内容については早急かつ丁寧な説明と情報提供をお願いしたい
    • ⇒部品欠落については、海外の事例も含めて情報収集を実施しており、最新の情報を踏まえ、安全性の強化を行っている。今後も最善を尽くして取り組む。
      固定化回避検討会については、昨年の第五回検討会での議論等を踏まえ、引き続き、安全性評価などの必要な取組を鋭意実施している。できる限り速やかに情報提供できるよう、必要な取組を着実に進めてまいる
  • 航空機の便数がコロナウイルス感染拡大前との対比で 100 パーセントに近い状況に戻りつつあるとのことで、改めて住民説明会の開催について要望したい。これまではコロナウイルス感染拡大防止の観点から開催が困難という観点もあったかと思うが、現在はコロナも収まってきており、開催できるのではないか。特に、首都圏での騒音共有に係る考え方と固定化回避検討会に至った経緯などについては重点的に説明をお願いしたい。
    また、固定化回避検討会については、ある程度の結論が出た段階で、別途、説明会の開催をお願いしたい
    • ⇒説明会の実施については、タイミングや内容など、論点を整理した上で、都、関係区と相談しながら検討していきたい。
      固定化回避検討会についても、しっかりとしたプロセスを踏んで進めていく。

【会議資料】

 

公開された「会議資料」(次図)は、「(資料7-2)都に寄せられた意見について」以外は、国交省が「新飛行経路の定期運用報告(第18回」として5月31日に公表した資料に含まれている。

国交省は4月27日に都及び関係区市連絡会で関係自治体に羽田新ルートの運用状況を報告し、約1か月後の5月31日に、都と同じ日に関連資料を公表するという手順を踏んでいたことが分かる

会議資料

都民の怒りの矛先は都ではなく、国に向かっている!?

国交省の配布資料(5月31日公表)に無かったのは、「(資料7-2)都に寄せられた意見について」。23年1月1日から2月28日までの問合せ件数(速報値)が掲載されている。2か月でたったの7件!

国や国が委託しているコールセンターに寄せされた件数と比較すると、都に寄せられた件数がいかに少ないかがよく分かる(次図)。

都民の怒りの矛先は東京都ではなく、国に向かっているのか。あるいは都民は東京都に羽田新ルートに係る対応を期待していないのか……。

羽田新ルートに関して寄せられた意見の件数

「都及び関係区市連絡会」開催実績

羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の開催実績を次図に示す。

「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会」 開催状況

【追記】開示請求で「出欠表(予定)」「議事概要」

※追記23年7月1日

5月31日に公開された「議事の要旨」「各区市の意見等」では、区の出席者が不明だし、どの区が発言したのかも分からない。

東京都に開示請求していた文書(出欠表(予定)議事概要)を入手したので、以下ひも解く。

13区のうち6区が代理出席

東京都からの参加は都市整備局理事。羽田新ルートが通過する13区のうち6区が代理出席(次表)。

しかも、大田区・北区は、課長ではなく、係長を出席させるという関心の低さ。

※今回公開されたのは「出席表(予定)」(次表)なので、最終的に誰が出席したのかは確定できない。

出欠表(予定)

これまではZOOMオンライン会議だったが、今回はオフライン会議だったようだ。

それにしても、なぜ会場が以前のように第一本庁舎42階 特別会議室Aではなく、 民間の「日本航空第1メインテナンスセンター」の会議室(?)だったのか。気になるところである。

発言者は東京都・品川・江戸川区と判明

議事概要によって、「関係区の主な発言」とされていたのは、東京都、品川区、江戸川区の発言だったことが確認できる。

「議事の要旨」と「議事概要」をつぶさに見比べたところ、違いは品川区からの下記の発言が「議事の要旨」から削除されていたことのみ。

(品川区)
羽田空港の落下物に関して、これまで発生していないことに対しては敬意を表す。一方、 部品欠落についても減少することでさらに安心感が増す。引き続きご対応をお願いしたい。

筆者が毎回「議事概要」を開示請求するから、都は「議事の要旨」≒「議事概要」とするようになったのかもしれない。

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