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羽田新ルート|衆院 国土交通委員会、役人の作った原稿を棒読みするだけの斉藤大臣

第211回 国会衆議院「国土交通委員会」において4月26日、宮本徹議員(共産)により「羽田新ルート」関連の質疑があった。

ネット中継録画をもとに、テキスト化(約3千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

宮本徹議員(共産)
宮本徹 衆議院議員(共産党、3期、東大、51歳)

宮本:都心上空の住宅密集地で落下すれば、重大な事態が生じる

日本共産党の宮本徹です。今日はまず、羽田の新ルートの問題をお伺いしたいと思います。

羽田の新飛行ルートの運用が始まりまして3年経ちました。騒音だとか、落下物、事故への不安などから、新ルートの撤回を求める声が大変強い状況です。


国交省は、2017年11月から全国の7空港で、部品欠落報告を取っております。2020年度は1005個、21年度は1064個の部品欠落が報告されております。お配りしております資料は、その中で1kg以上の部品とされているものです。

2020年度は97.3kgや83.4kgのファンカウルの一部、2021年度には75キロの主脚タイヤや60キロのフェアリングの一部欠落というのが報告されております。


仮にこうした大きなものが都心上空の住宅密集地で落下すれば、重大な事態が生じるんじゃありませんか?

大臣:落下物対策総合パッケージ、世界の中で最高水準の対策

斉藤鉄夫国土交通大臣
斉藤鉄夫 国交大臣
(公明党、衆議院議員10期、東工大院卒、元清水建設技術研究所研究員、71歳)

国土交通省としては、落下物による重大な事態の発生を防ぐことが極めて重要だと考えております。このため、国土交通省では2018年3月に、落下物対策総合パッケージを取りまとめ、落下物対策を充実、強化しました。


特に、世界に類を見ない基準である落下物防止対策基準を策定し、機体の改修や整備・点検の実施等、ハード・ソフト双方の観点から、本邦航空会社及び日本に乗り入れる外国航空会社に落下物防止対策を義務付け、最新の動向を踏まえて基準を継続的に強化しております。


これに加え、羽田空港では国の職員による駐機中の機体チェック等を行い、落下物の未然防止に取り組んでおります。

また、羽田空港など国際定期便の就航が多い主要空港においては、いわゆる部品欠落報告制度を運用しており、この制度に基づき報告された部品欠落について、原因究明、再発防止策の強化、情報の共有等の取り組みを継続的に実施しているところでございます。


ご指摘の事案につきましても、設計・製造国とも緊密に連携し、改良型部品への換装・点検の強化等の再発防止策の強化を図っているところでございます。これは世界の中で最高水準の極めて突出した最高水準の対策と、このように我々考えております。

宮本:固定化回避、都心上空飛行を回避するものなんですか?

最高水準の対策を取っている中でも、どんどんいろんなものが落っこちてるわけですよね。

この2020年度の97.3 kgや83.4kgのファンカウルの一部というのは、日航機がエンジントラブルで引き返す事案の時のものですけれども、これは海の上で起きたということですけれども、これ本当に、こういうのが都心上空で起きれば重大な事態ですよ。


それ以外にも、ここにありますように主脚タイヤの一部、5キロだとか、たくさん発見されていない、飛行中に落下した可能性があるものがたくさん報告されているということであります。


ですから、一刻も早く、この都心上空の低空飛行は、止めなきゃならないと思います。


そこで、国交省は新ルートの固定化を回避するとして、2021年に検討会を設置して、昨年8月の第5回検討会までに飛行方式を2方式に絞ってシミュレーションを行っております。この2つの方式というのは、都心上空飛行を回避するものなんですか?

大臣:現時点で具体的に決まったものはありません

令和2年3月に導入された羽田空港の新飛行経路については、地元の皆様から固定化回避に向けた累次のご要望を受け、令和2年6月から羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会を開催しております。

この検討会では、現在の滑走路の使い方を前提とした上で、新飛行経路の固定化回避、騒音軽減の観点から、新飛行経路の見直しが可能な技術的選択肢がないかについて、幅広くご検討いただいているところです。


昨年の第5回検討会では、羽田空港において技術的に採用が可能でかつ採用された場合の騒音軽減効果が高いと考えられる方式として選定された2つの飛行方式について、技術的検証の進捗状況等の報告が行われました。


現在は、選定された飛行方式を羽田空港に導入するために、これまでの検討会での議論等を踏まえ、安全性評価などの取り組みを鋭意実施しているところでございます。

そのため、選定された飛行方式に基づく見直し後のルート案については現時点で具体的に決まったものはありませんが、引き続き新飛行経路の固定化回避のため必要な取り組みを着実に進めてまいりたいと思っております。

宮本:ウェイポイントっていうのは、都心上空以外に定めてある?

その2方式に決まったものではないというお話ですけれども、この資料を見ますと、シミュレーションでは航空機の通過地点、ウェイポイントを定めて行ってるっていうことを書いてるわけですよね。


このウェイポイントっていうのは、都心上空以外に定めてあるということでいいわけですね?

大臣:固定化回避のため必要な取り組みを着実に進めてまいりたい

新飛行経路の固定化回避のための飛行方式を、羽田空港に導入するため、昨年の第5回検討会での議論等を踏まえ、引き続き安全性評価などの必要な取り組みを鋭意実施しているところでございます。

そのため、現時点では、見直し後のルート案について具体的に決まったものはなく、また、ウェイポイントにつきましても、現在行っている取り組みを踏まえて定まるものでございますけれども、引き続き新飛行経路の固定化回避のため必要な取り組みを着実に進めてまいりたいと思います。

宮本:「都心上空は飛ばないんだ」となぜこのことが言えない?

繰り返し伺っても、「都心上空は飛ばないんだ」っていうことを仰らないわけですよ。

騒音の軽減の効果を狙ってるって話あっても。「都心上空は飛ばないんだ」となぜこのことが言えないんですか?

局長:飛行機の速度でありますとか…

久保田雅晴 航空局長
久保田雅晴 航空局長(88年運輸省入省、東大工学部卒、58歳)

お答えをいたします。現在、新飛行経路、それを固定化を回避するための検討を行っているところでございまして、先ほど、大臣が申しましたように、有識者による検討会におきまして、将来の技術的なもの、それから羽田におきまして騒音軽減効果があるものということで、2方式のものについて現在検討を行っているところです。


具体的には、羽田につきましては、同時進入が必要となってまいりますので、それの安全性につきまして、飛行機の速度でありますとか……。

宮本:都心上空(を飛ばない)ってなんで言わないのか?

それはいいから、都心上空(を飛ばない)ってなんで言わないのかって聞いている。

局長:(2方式を検証することが)スタートだと思っております

要するに、その方式が現在の方法でもって有効かどうか、安全かどうか、まず、それを検証する。それをやることが、まず、スタートだと思っております。

その検討を今行っているところでございます。

宮本:スタートが間違ってんじゃないですか

スタートが間違ってんじゃないですか。

まず、住民の安全のために都心上空は飛ばないと。そこを出発点にして、そのためにどうするのかと考えるのが出発点じゃないですか。根本から間違っているんじゃないですか。


住民の皆さんが求めてるのは、落下物だとかの危険があるから都心上空は飛ばないでくれってことですよ。


この間、テニスコートに氷の塊が落っこちてた。それも、飛行機から落ちたんじゃないかっていうことが指摘されてるわけですからね。これはもう本当に元のルートに一刻も早く戻すべきだということを強く求めておきたいと思います。

雑感

宮本徹議員(共産)が羽田新ルート問題を取り上げたことは高く評価したい。

ただ、残念ながら斉藤大臣は役人の作った原稿を棒読みするだけだし、航空局長(東大工学部卒、58歳)も質問にまともに取り合わないので、新たな情報はゼロ。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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