不動産経済研究所は1月26日、12月の「首都圏新築分譲マンション市場動向」を発表。
- 発売は13.4%減の5,757戸。東京23区などが落ち込み2カ月連続減。
- 平均価格5,556万円、m2単価86.8万円。戸当たり(平均価格)は2カ月ぶりの上昇。
- 初月契約率は74.8%と2カ月ぶりの70%台に。
これだけではよく分からないので、同研究所が過去に発表した数値データも含め、いつものように、首都圏の新築マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
首都圏全体(発売戸数・発売単価・販売在庫の推移)
発売戸数・発売単価・販売在庫の推移を下図に示す。
発売戸数を抑えることで在庫の解消と高値水準の維持が図られているように見える。
- 発売戸数
上下動が激しい。 - 発売単価
新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、21年4月に急上昇(千代田区の平均価格が2億円を超える大型の高額物件の影響による)したあと、上下変動が激しいものの高値水準を維持している。 - 販売在庫数
減少傾向が見られる。
発売戸数の前年同月比の推移を可視化したのが次図。
新型コロナ感染拡大の影響で、20年5月に▲82.2%(前年同月比)まで大幅に減少したあと大きくリバウンド。22年12月は▲13.4%減。
1都3県 ※23区に着目
発売戸数の推移
23区に着目すると12月の発売戸数1,023戸は、前年同月比で▲34.5%減(次図)。
m2単価の推移
23区の発売単価は、新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、21年4月に急上昇(千代田区の平均価格が2億円を超える大型の高額物件の影響による)したあと、下落傾向を見せている。22年12月は134.1万円。
23区
価格帯別の発売戸数割合の推移
23区の発売戸数の割合は、これまで5千万円を境に2極化していたのだが、億ションが増加して3極化したか(次図)。
億ションの発売戸数・率の推移
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、20年以降さらに増加する傾向にあり、たびたび20%を超えている。22年12月は29.4%(次図)。
まとめ
首都圏全体としては発売戸数を抑えることで在庫の解消と高値水準の維持が図られているように見えるが、23区では発売単価は下落傾向を見せている。
- 首都圏
- 発売戸数
新型コロナ感染拡大の影響で、20年5月に▲82.2%(前年同月比)まで大幅に減少したあと大きくリバウンド。22年12月は▲13.4%減。 - 発売単価
新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、4月に急上昇したあと、上下変動が激しいものの高値水準を維持している。 - 販売在庫数
減少傾向が見られる。
- 発売戸数
- 23区
- 発売単価
新型コロナ第1波以降下落傾向を見せていたが、21年4月に急上昇したあと、下落傾向を見せている。 - 発売戸数の割合
これまで5千万円を境に2極化していたのだが、億ションが増加して3極化したか。 - 億ション
億ション率(全発売戸数に占める億ションの割合)は、20年以降さらに増加する傾向にあり、たびたび20%を超えている。22年12月は29.4%。
- 発売単価
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