東日本不動産流通機構は9月12日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(22年8月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比マイナス10.3%の2ケタ減となった。
- 成約m2単価は前年比プラス13.7%の2ケタ上昇となり20年5月から28ヶ月連続、成約価格は同プラス13.4%の2ケタ上昇となり20年6月から27ヶ月連続で前年同月を上回った。
- 専有面積は前年比マイナス0.2%と、ほぼ横ばいながら21年6月から15ヶ月連続で前年同月を下回った。
地域別動向
- 成約件数はすべての地域が前年比で減少し、横浜・川崎市と埼玉県は8ヶ月連続で前年同月を下回った。
- 成約m2単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は28ヶ月連続、横浜・川崎市と埼玉県は27ヶ月連続、千葉県は25ヶ月連続、神奈川県他は21ヶ月連続、多摩は18ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向を可視化した。
首都圏
成約単価
首都圏の中古マンションの成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降新築マンションに引っ張られるように上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化。19年2月頃から再び上昇傾向にあり、コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向(次図)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
成約件数
首都圏中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
8月の成約件数は2,346戸(前年同月比▲10.3%減)。
首都圏中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲52.6%と大幅に減少したあと、激しくリバウンドを繰り返しながら22年8月は▲10.3%減。
在庫件数
首都圏の中古マンションの在庫件数は、19年1月をピークに減少していたが、21年6月を底にリバウンド。22年4月に減少に転じたか、あるいは再び増加するのか(次図)。
1都3県
成約単価
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向。コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向。
成約件数
1都3県の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
8月の都内の成約件数は1,227件(前年同月比▲3.8%減)。
都内中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に▲55.3%と大幅に減少したあと、激しくリバウンドを繰り返しながら22年8月は▲3.8%減。
在庫件数
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、19年2月をピークに減少していたが、21年5月を底にリバウンド。22年4月に減少に転じたか、あるいは再び増加するのか。
23区
成約単価
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都心3区の成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落傾向。20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに同年6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあとも上昇傾向。8月は155.41万円。
23区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。
都心3区>城西>城南>城北>城東
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
成約件数
23区の中古マンションのうち、成約件数が多い城東地区と少ない都心3区の成約件数の推移を次図に示す。
城東地区と都心3区の中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に大幅に減少したあと、激しくリバウンドを繰り返している。
在庫件数
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、21年4月前後を底にリバウンド。22年4月に減少に転じたか、あるいは再び増加するのか。
まとめ
成約単価は高止まり、成約件数は激しくリバウンドを繰り返すなか、増加していた在庫件数は4月に減少に転じたか、あるいは再び増加するのか。
- 首都圏
- 成約単価:コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向。
- 成約件数:新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は20年4月に大幅に減少したあと激しくリバウンドを繰り返している。
- 在庫件数:21年6月を底にリバウンド。22年4月に減少に転じたか、あるいは再び増加するのか。
- 都内
- 成約単価:コロナ第1波で20年4月に落ち込むがすぐに回復。再び上昇傾向。
- 成約件数:(首都圏に同じ)
- 在庫件数:21年5月を底にリバウンド。22年4月に減少に転じたか、あるいは再び増加するのか。
- 都心3区(千代田、中央、港)
- 成約単価:20年7月に反発し一進一退のあと、21年1月に130万円を突破。さらに同年6月に145万円を突破(70m2に換算すると億ション(10,151万円))したあとも上昇傾向。8月は155.41万円。
- 成約件数:(首都圏に同じ)
- 在庫件数:21年4月前後を底にリバウンド。22年4月に減少に転じたか、あるいは再び増加するのか。
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