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羽田新ルート「実質3時間程度」は守られている?

国交省が住民説明会などで繰り返し説明してきた「実質3時間程度」という約束はキチンと守られているのだろうか。

羽田新ルート運用開始以来の運用時間を調べてみた。


もくじ

3時間10分は「3時間程度」を守ったことになるのか

羽田新ルートは南風時に都心低空を飛行して羽田に到着するルートは、「15:00~19:00 (うち実質3時間程度の運用)」とされている(次図)。

新飛行経路の運用時間帯|国土交通省
新飛行経路の運用時間帯|国土交通省

 

3時間程度の「程度」という言い訳可能な役所表現は以前から気になっていた。というのは、羽田新ルートが3時間を超えて運用されている状況をたびたび確認しているからである。

とりわけ4月25日は酷かった。C滑走路到着ルートを使って最初に着陸したのはエアバス321neo(15:11)で、最後に着陸したのはボーイング737-800(18:21)。したがって羽田新ルートC滑走路到着ルートが運用された時間は3時間10分(=18:21-15:11)。

3時間10分は「3時間程度」を守ったことになるのだろうか。

羽田新ルート概念図
(羽田新ルート概念図 ※破線は「悪天時」ルート)

3時間を超えて運用された日は少なくない

国交省が住民説明会などで繰り返し説明してきた「実質3時間程度」という約束はキチンと守られているのだろうか。羽田新ルート運用開始以来の運用時間を確認してみよう。

具体的には、国交省が毎翌日(土日祝日を除く)、「羽田空港飛行コース」HPで公開している「航跡動画」情報を元に、筆者が着陸ルート別に1機ごとの着陸時刻を拾い、その日に最初に着陸した航空機と最後に着陸した航空機の時刻差から運用時間を計算した。

羽田新ルートの運用開始から22年4月30日までの着陸ルート別の運用時間の推移を次図に示す。羽田新ルートが運用開始されて以来、3時間を超えて運用された日が少なくないことが分かる

羽田新ルート、南風時到着ルートに係る運用時間
※A・C滑走路到着ルートを合わせた運用時間を「A&C滑走路」とした。

最も長かったのは3時間15分

さらに分析を進める。

横軸に運用時間、縦軸に180分超えの頻度で描いたのが次図。

特に、C滑走路到着ルートで180分超えが多い。A滑走路とC滑走路を合わせると、さらに180分超えの回数が増える。

南風時到着ルートに係る運用時間の分布

 

180分超の頻度分布を次図に示す。

22年4月25日(190分)よりも長い運用時間があることが確認できる。

南風時到着ルートに係る運用時間の頻度分布(180分超)

 

特に、運用時間が190分超だった日の内訳を次表に示す。

羽田新ルート運用開始以来、運用時間が最も長かったのは、C滑走路到着ルートで21年5月4日(GW期間中)に発生した3時間15分(195分)。A&C滑走路到着ルートでは3時間17分(197分)になる。

羽田新ルート南風時到着ルート運用時間190分超えの内訳

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