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羽田新ルート|質問主意書(管制間隔短縮、技術的方策検討委員会で検討?)

第204回国会(21年1月18日~6月16日)の衆議院の質問主意書236件のなかに、199番目として羽田新ルートに係る次の質問主意書が埋もれている。

海江田万里 衆議院議員(立憲民主)が6月11日に提出した質問主意書に対する政府答弁書が公開されたのでひも解いてみた。

読みやすいように、一問一答形式に再構成。

※時間のない方は、「質疑応答のポイント」と文末の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

海江田万里衆議院議員
海江田万里 衆議院議員(7期、立憲民主党最高顧問、72歳)

問1:(後方乱気流対応)試行運用が管制間隔短縮に与えた効果?

航空機の離着陸時に生じる「後方乱気流問題」について国際民間航空機関(ICAO)の動向を受け、我が国でも2020年3月26日から成田国際空港、羽田空港の離着陸機について、「後方乱気流区分の再分類に伴う管制方式問題の試行運用 」が行われ、2020年11月5日付けで管理方式基準が改正されたと聞く。


これらの措置によって到着機間、出発機間の管制間隔が短縮されることになると思うが、この間の試行運用が管制間隔短縮に与えた効果について明らかにされたい

答1:航空機の飛行時間の短縮に一定の効果がある

御指摘の「後方乱気流区分の再分類に伴う管制方式問題の試行運用」及び「管制間隔短縮に与えた効果」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国土交通省においては、令和2年3月26日から同年11月4日までの間、東京国際空港(以下「羽田空港」という。)及び成田国際空港において、先行機と後続機の相互間の間隔を短縮した後方乱気流管制方式(以下「新方式」という。)について試行運用を実施し、安全性に問題がないことを確認した上で、同月5日から新方式による運用を開始している。


新方式の運用により、先行機と後続機の組合せにより先行機と後続機の相互間の間隔が短縮される場合があることから、より円滑な航空交通が確保され、航空機の飛行時間の短縮に一定の効果があると考えている

問2:管制間隔短縮、技術的方策検討委員会で検討する?

こうした管制間隔短縮に関する問題について、今後、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討委員会」で、検討するつもりはあるか。

答2:検討することは考えていない

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会は、最近の航空管制及び航空機の技術革新の進展を踏まえ、羽田空港における新たな飛行経路(以下「新経路」という。)の航空機の騒音による影響の軽減、固定化回避等の観点から、新経路の見直しが可能な方策がないかについて技術的観点から検討を行うものであり、新方式について検討することは考えていない

問3:操縦の困難度が高かったとの自発報告、国土交通省はどう認識?

羽田空港の新飛行ルートの運航実態について、国土交通省はこれまで「(2020年)6月中旬から9月にかけて新到着経路を実際に飛行したパイロット(本邦7社)及び航空管制官と意見交換を実施し、安全上問題なく運航できていることを確認した」との見解を飛行ルート直下の自治体の議会などに対して説明してきた。


他方、2021年3月31日付け、公益財団法人航空輸送技術研究センターが国土交通省航空局安全部安全企画課長宛ての「令和2年度航空安全情報自発報告制度に基づく提言について」の中で、「2020年3月29日から開始された羽田空港の新飛行経路の運用(新運用)に関わり、風の状況によっては、最終進入において操縦の困難度が高かったとの自発報告が多数寄せられている」との記述があるが、こうした現場のパイロットの声を国土交通省はどう認識するか

答3:承知している

新経路の運用に際しては、実際に新経路を飛行した航空会社のパイロットと羽田空港において管制業務に従事している航空管制官との間で意見交換を行っているところであり、御指摘のような「現場のパイロットの声」があることについては承知している


御指摘の「令和2年度航空安全情報自発報告制度に基づく提言について」においては、「天候状況に応じた柔軟な滑走路運用を含めた羽田空港の安全運航に資する共通認識を持つため、当局レギュレーターを含めてパイロットや航空管制官との今後の継続的な意見交換」を実施することが提言されているところであり、今後もパイロットと航空管制官との間で意見交換を継続的に実施することで、安全運航を確保することが重要であると認識している

雑感(尾身会長には五輪中止の可否は諮問しないみたいな…)

20年11月5日から羽田と成田での運用が開始された先行機と後続機の相互間の間隔を短縮した後方乱気流管制方式につき、国交省は航空機の飛行時間の短縮に一定の効果があると認めながらも、「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討委員会」での検討は行わないとしている。

航空機の間隔を詰めることによって羽田新ルートの増便分を吸収できる可能性があるにも関わらず、技術的方策検討委員会で検討をしない理由として次のように回答している。

羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会は、(略)航空機の騒音による影響の軽減、固定化回避等の観点から、新経路の見直しが可能な方策がないかについて技術的観点から検討を行うものあり、新方式について検討することは考えていない。

五輪の中止を提言されると具合が悪いので、新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)には五輪中止の可否は諮問しないみたいな政府のスタンス。

あわせて読みたい

羽田新ルートに係る海江田先生(「羽田低空飛行見直しのための議員連盟」会長)の質問主意書は3年ぶり(前回は18年7月13日)。

2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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