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コロナ禍下での銭湯、大人料金のみ10円値上げ!?

都内の銭湯の入浴料金が少しだけ値上げされるかもしれない。

もともと厳しい経営環境下にあった銭湯。新型コロナの影響は……。


もくじ

大人料金のみ10円値上げ!?

東京都は6月11日、東京都公衆浴場対策協議会(会長 梅崎修 法政大学キャリアデザイン学部教授)からの答申結果「公衆浴場入浴料金の統制額について」を公表。

  • 大人(12歳以上の者) 480円(現行470円)
  • 中人(6歳以上12歳未満の者) 180円(据え置き)
  • 小人(6歳未満の者) 80円(据え置き)

知事の決定、告示の手続きを経て、施行される。

 

公益事業の料金算定方式である総括原価方式により、入浴料金統制額を試算した結果、新型コロナウイルスの感染拡大による利用者の減少に伴い入浴料金収入が減少したことが影響して、推定所要引上げ率8.869%と試算され、大人料金では現行の470 円との乖離額が42 円になったという。

それにも係わらず、今回の値上げは大人料金が10円(中・小人は据え置き)にとどまったのは、「総合的な見地から慎重な審議を行った」結果。

直近の入浴料金の値上げは、消費税増税に絡んで14年と19年に実施されているが、消費税率引き上げ契機以外では09年以降実施されていない。値上げにそれほど慎重なのは、家計への影響を考慮したためだとされている。

3 入浴料金統制額に関する本協議会の結論

(前略)感染収束に向けてワクチン接種が本格化し始め、今後、社会生活平常化も期待されることから、本年の改定は、大人料金を10 円値上げするものとし、中人料金と小人料金は、家計への影響を考慮して、据え置くことが適当であるとの結論に至った。 

公衆浴場入浴料金の統制額について

東京都の入浴料金統制額の推移を次図に示す。

小・中人料金の上昇は微々たるものだが、それでも4人家族(夫婦と小学生2人)だと1,320円。思い出作りとして、たまに銭湯に出かけることはあっても、頻繁にとなると家計へのインパクトは無視できない

東京都の入浴料金統制額の推移

公衆浴場数、年間延べ利用者数ともに半減

たった10円値上げした程度で、銭湯の経営環境の改善が期待できるのか。

都内の公衆浴場数は、05年には1千件を超えていたのだが、19年には520件。ほぼ半減している(次図)。経営難や後継者問題などにより、転廃業が進んでいる。

東京都内の公衆浴場数の推移
東京の公衆浴場の現況|東京くらしWEBデータを元に筆者作成

 

都内の公衆浴場利用者数の年間の延利用者数は、04年4.5万人から18年2.3万人に、ほぼ半減。一方、1浴場1日当たりの平均入浴数のほうは、04年138人から漸減し、13年119人にボトムを記録したあと漸増し、19年144人まで回復(次図)。

公衆浴場数の減少で、1浴場あたりの入浴者数が増加するという妙な現象が生じている。

東京都内の公衆浴場利用者数の推移
(同上)

銭湯は3密回避が難しい!?

銭湯を支えているのは、時間とお金に余裕のあるお年寄りと訪日外国人。それと、内風呂がなくて、なけなしのお金をはたいて銭湯を利用せざるを得ない学生だろうか。ただ、コロナ禍で訪日外国人は激減しているので、年間の延べ利用者数も激減しているのではないか。上図にはまだ2020年以降のデータが反映されていない

都内では新型コロナの感染拡大によって、4月25日に発令された緊急事態宣言が6月20日まで再延長された(再々延長はあるのか?)。その結果、飲食業が大打撃を受けている状況はメディアでも盛んに報道されている。飲食=悪みたいな。

ところが、コロナ禍下の銭湯の状況についてはメディア情報がほとんど聞こえてこない。マスクをしないなか換気は十分に行われているのだろうか(特に冬場はどうだったのか)。カラン(蛇口)一つ置きに利用するなどのソーシャルディスタンスは確保されているのだろうか。3蜜回避は難しそうだが(特にサウナ)

 

コロナ禍下で銭湯の運用はどうなっているのか?

東京都浴場組合が運営しているサイト「東京銭湯」に20年4月8日付で「緊急事態宣言による浴場の利用制限等について」が掲載されている。

緊急事態宣言下であっても、可能な限り営業を続けるとされている。

銭湯は地域の公衆衛生の観点から、可能な限り営業を続けます。しかし、都内の情勢や、各銭湯の近隣の状況等により、店主の判断において、止むを得ず閉店することもございます

営業時間や場者数の制限などは、各店主の判断に委ねられている。

営業時におきましても、状況に応じ、各店主の判断において下記の事項を実施する場合がございます。

  • 入場者数の制限
  • グループ(友達連れ等)での来店の制限・禁止
  • 発熱等の体調の悪い方の利用制限
  • 営業時間・営業日の変更
  • サウナ等、設備の利用の制限・停止
  • 店内での不要な会話や大声の制限・禁止
  • 水分補給以外の飲食の制限・禁止
  • 販売物の制限・休止
  • 長時間の滞在の制限・禁止
  • スタンプラリー等の押印の停止・イベントの中止
  • その他、店主が感染拡大防止のために必要と判断した事柄

日本の伝統的な生活文化を体験できる場として、ガンバレ銭湯!

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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