南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートの運用が開始されたのは4月3日。
新型コロナの影響により国内線・国際線ともに大幅な減便が続いているなかで、羽田新ルートの運用が強行されている。
8月の運用実績を可視化する。
※9月1日更新(8月データ反映済み)
【機/日】A滑走路30・C滑走路60超え、そして減便!?
8月は南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートが運用されたのは、23日間。この間、合計1,812機が都心上空を舞った。
ひと月あたりの機数は3か月連続で増加(次図)。
8月のゴーアラウンド実績は6回。猛暑だからといって増えているわけではない(次図)。
5月まで続いていた減便は、6月、7月と回復傾向に向かい、8月中旬には、A滑走路到着ルートは1日あたり30機を、C滑走路到着ルートは1日あたり60機を超えた。ところが8月中旬を過ぎて減便傾向を見せている(次図)。
※ところどころ機数が大幅に少ないのは、当日の運用時間が短かったことによる。
※実機飛行確認の機数はflightradar24で、運用開始後の機数は「羽田空港飛行コース」の航跡動画をもとに調べた(以下、同じ)。
(到着ルート説明図)破線は「悪天時」ルート
【機/時】A滑走路10・C滑走路20超え、そして減便!?
上図を1時間当たりの通過頻度で描き換えたのが次図。
国交省の計画では、A滑走路到着ルートは1時間当たり14回(4分17秒ごと)、C滑走路到着ルートは1時間当たり30回(2分ごと)の頻度で飛ぶことになっている。
ところが、新型コロナの影響による減便が著しく、4月下旬以降、A滑走路到着ルートでは1時間当たり5機程度、C滑走路到着ルートでは1時間当たり10機程度だった。
6月、7月はA・C滑走路到着ルートともに回復傾向に向かい、8月中旬にはA滑走路到着ルートは1時間あたり10機を、C滑走路到着ルートは1時間あたり20機を超えた。ところが8月中旬を過ぎて減便傾向を見せている(次図)。
※6月6日と6月21日のC滑走路到着ルートの通過頻度が跳ね上がっているのは、当日同ルートの運用時間が短かったことによる。
【機材】大型機の割合、徐々に増えはじめた
機材区分別(小・中・大型機)の通過機数の推移を可視化したのが次図。
4月初旬に45機前後飛行していた小型機は、4月下旬以降半減。中型機も同様の傾向が見られた。
6月以降8月中旬まで、小・中・大型機ともに増加傾向が見られたのだが、8月中旬を過ぎて小・中・大型機ともに減少増加傾向が見られる。
国交省の説明資料によれば、羽田空港で使われている飛行機は、小型機48%、中型機25%、大型機26%となっている(次図)。
FAQ冊子v6.2_P58
一方、筆者の調査では、国交省データ(19年1月時点)と比べて大型機の割合が小さく、そのぶん小型機の割合が大きくなっていることが分かる(次図)。
6月以降、小型機の割合が低下したぶん中型機の割合が増大。大型機の割合も徐々に増え始めた。本来の飛行騒音状況はもっと酷いことに要留意。
8月に最も多かった機材は、ボーイング737-800(小型機)の677機(37%)。
※機材区分は概ね、大型機(300席以上)、中型機(200~300席)、小型機(200席未満)とした。
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