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総合危険度、5年間で改善・悪化している町丁目はどこか(23区)

東京都は9月9日、「地震に関する地域危険度測定調査報告書(第9回)」を公表。

「調査のポイント」として掲げられた3点のうち、3点目の項目が気になった。

  1. 都内5,192町丁目(市街化区域内)を対象に、建物倒壊、火災、総合の3つの危険度について、5段階のランク付け(相対評価)を行いました。
  2. 建物倒壊危険度では、木造建物について、2016年熊本地震における建物被害実態を加味した建物全壊率を採用するなど、より精度の高い測定方法へ改善しています。
  3. 危険量は全体として減少しており、市街地の防災性が向上していることが確認されました。

「危険量は全体として減少しており」ということは、裏を返せば、危険量が減少していない町丁目があるということではないのか。

5年前に公開された第8回の調査結果からの変化を調べてみた。


もくじ

総合危険度、5年間で改善・悪化している町丁目を可視化

23区の3,138町丁目の総合危険度(棟/ha)につき、横軸に2017年データ、縦軸に2022年データとして描いたのが次図。

オレンジ色の直線よりも下側(緑色エリア)が5年前よりも改善した町丁目で、上側(赤色エリア)が5年前よりも悪化した町丁目であることを表している。

オレンジ色の直線に対して、離れているほど、より改善(または悪化)している町丁目ということになる。たしかに大きく悪化している町丁目は少ない一方、大きく改善している町丁目は少なくないことが分かる。

23区内の総合危険度の変化(17年⇒22年)
※総合危険度とは、「建物倒壊危険度(建物倒壊の危険性)」と「火災危険度(火災の発生による延焼の危険性)」に「災害時活動困難度」を加味して総合化した指標。

 

23区の3,138町丁目の総合危険度の変化(22年の総合危険度-17年の総合危険度)につき、度数分布で描いたのが次図。

  • 少しでも改善したのは(青色)、2,360町丁目で、全体の4分の3(75%)。また、チョットだけ改善(0.0超0.2以下)したのは1,615町丁目で、全体の約半分(51%)を占めている。
  • 逆に、少しでも悪化したのは(赤色)、657町丁目で、全体の約2割(21%)。また、チョットだけ悪化(-0.2超0.0以下)したのは473町丁目で、全体の15%。
  • 5年間全く変化がなかったのは121町丁目で、全体の4%だった。

23区内の総合危険度の変化(17年⇒22年)

「改善」町丁目TOP20

5年間で総合危険度が「改善」した町丁目TOP20を以下に示す、
※22年危険量-17年危険量の差がマイナスであるほど「改善」している。「ランク」は(危険度が低い)~5(危険度が高い)。

  • 順位:町丁目(危険量の差=22年危険量-17年危険量)22年のランク
  • 1位:荒川区町屋4丁目(-8.70 =9.06 -17.76 )5
  • 2位:足立区千住柳町(-7.01 =8.53 -15.54 )5
  • 3位:北区志茂4丁目(-6.34 =5.78 -12.12 )5
  • 4位:足立区千住大川町(-5.14 =7.22 -12.36 )5
  • 5位:足立区千住元町(-4.61 =4.52 -9.13 )5

  • 6位:墨田区墨田3丁目(-4.39 =7.74 -12.13 )5
  • 7位:大田区羽田6丁目(-3.31 =6.37 -9.68 )5
  • 8位:荒川区荒川6丁目(-3.16 =9.36 -12.52 )5
  • 9位:墨田区京島2丁目(-3.06 =7.95 -11.01 )5
  • 10位:足立区本木北町(-2.93 =2.96 -5.89 )4

  • 11位:大田区羽田3丁目(-2.88 =4.72 -7.60 )5
  • 12位:足立区千住龍田町(-2.81 =4.10 -6.91 )5
  • 13位:江東区北砂4丁目(-2.75 =7.11 -9.86 )5
  • 14位:足立区関原3丁目(-2.39 =3.70 -6.09 )5
  • 15位:北区志茂5丁目(-2.37 =4.39 -6.76 )5

  • 16位:墨田区東向島1丁目(-2.23 =5.43 -7.66 )5
  • 16位:墨田区八広3丁目(-2.23 =5.19 -7.42 )5
  • 18位:墨田区墨田5丁目(-2.15 =3.51 -5.66 )5
  • 19位:大田区西蒲田5丁目(-2.11 =2.33 -4.44 )4
  • 19位:中野区若宮1丁目(-2.11 =3.38 -5.49 )5

「悪化」町丁目TOP20

5年間で総合危険度が「悪化」した町丁目TOP20を以下に示す、
※22年危険量-17年危険量の差が大きいほど「悪化」している。「ランク」は(危険度が低い)~5(危険度が高い)。

  • 順位:町丁目(危険量の差=22年危険量-17年危険量)22年のランク
  • 1位:台東区日本堤1丁目(2.08 =2.08 -0.00 )4
  • 2位:大田区中央3丁目(2.04 =3.71 -1.67 )5
  • 3位:台東区日本堤2丁目(1.61 =1.61 -0.00 )4
  • 4位:江戸川区平井1丁目(1.59 =4.22 -2.63 )5
  • 5位:江戸川区小松川4丁目(1.54 =4.20 -2.66 )5

  • 6位:北区豊島3丁目(1.52 =4.05 -2.53 )5
  • 7位:江東区三好2丁目(1.51 =1.64 -0.13 )4
  • 8位:足立区柳原1丁目(1.41 =4.33 -2.92 )5
  • 9位:江戸川区北小岩8丁目(1.39 =1.89 -0.50 )4
  • 10位:墨田区東向島5丁目(1.35 =3.56 -2.21 )5

  • 11位:江東区常盤2丁目(1.33 =1.43 -0.10 )4
  • 12位:台東区鳥越1丁目(1.29 =1.53 -0.24 )4
  • 12位:台東区竜泉3丁目(1.29 =1.29 -0.00 )3
  • 14位:北区豊島6丁目(1.27 =1.58 -0.31 )4
  • 15位:江東区常盤1丁目(1.25 =1.25 -0.00 )3
  • 15位:葛飾区西新小岩4丁目(1.25 =2.07 -0.82 )4

  • 17位:江東区福住1丁目(1.24 =1.24 -0.00 )3
  • 18位:江東区森下2丁目(1.20 =1.31 -0.11 )3
  • 19位:江東区白河2丁目(1.19 =1.19 -0.00 )3
  • 20位:品川区西大井5丁目(1.18 =1.81 -0.63 )4
  • 20位:品川区二葉2丁目(1.18 =1.53 -0.35 )4

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