東日本不動産流通機構は12月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(11月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で1.6%減少し、10月に続いて前年同月を下回った。成約m2単価は前年比で8.2%上昇、成約価格も同7.6%上昇し、ともに10ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比でほぼ横ばいであった。
地域別動向
- 成約件数は東京都区部と多摩を除く各地域が前年比で減少し、埼玉県と神奈川県他は2ケタ減となり、神奈川県他は6ヶ月連続で前年同月を下回った。成約m2単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部が11ヶ月連続、埼玉県が5ヶ月連続、千葉県が4ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションに引っ張られるように13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化(次図)。
19年11月の成約単価は55.01万円(前年同月比8.26%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打ちながら増加傾向にあったが、5万戸を目前に頭打ちになってきた(次図)。
首都圏の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
11月の成約件数3,175戸は、前年同月比で▲1.6%減。
首都圏の成約単価は鈍化、在庫件数が頭打ちとなるなかで、成約件数は前年比で▲1.6%減の微減(次図)。中古マンションの需要変調の兆しが弱まったのか……。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、18年3月(70.21万円)以降、70万円前後で足踏み状態が続いていたのだが、上昇に向かうのか。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打ちながら増加傾向にあったが、2.7万戸前後で頭打ちになってきた。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
23区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
都心3区の成約単価は、19年9月に120万円を突破し、10月にいったん下落したが、11月は再び上昇。(次図)。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、概ね高水準を維持。
まとめ
中古マンションの需要変調の兆しが弱まったのか……。
- 首都圏
成約単価は、新築マンションに引っ張られるように、13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破した後は鈍化。在庫件数は5万戸目前に頭打ち。成約件数は前年同月比▲1.6%減。 - 都内
成約単価は、18年3月(70.21万円)以降、70万円前後で足踏み状態が続いていたのだが、上昇に向かうのか。在庫件数は2.7万戸前後で頭打ち。 - 都心3区(千代田、中央、港)
成約単価は、19年9月に120万円を突破し、10月にいったん下落したが、11月は再び上昇。
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