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羽田新ルート|北区議会「19年第4回定例会」質疑応答

北区議会「19年第4回定例会」本会議の個人質問(11月26日)で、羽田新ルートに関して、永井朋子議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約3千文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

永井議員(共産)

永井朋子議員
永井朋子議員(共産党、区議3期、帝京短大卒、53歳)

大きく3点目の質問は、都心低空飛行の羽田新ルートについて4点お伺いいたします。

羽田空港を発着する航空機は騒音や石油コンビナート災害を避けるため、住民や関係自治体の合意に基づき現在、「東京湾上空を飛行」としています。


しかし、国は2020年東京オリンピックの開催、国際競争力強化、外国人旅行客の受け入れ拡大などを口実に、羽田空港の国際線発着枠を年間6万回から9.9万回に拡大させるため、都心上空を低空で飛行する新たな飛行ルートを「住民や自治体の理解は得た」とし、来年3月29日の運用を開始する決定をしました。


このことに関して、品川区議会が「容認できない」と決議し、渋谷区議会は「計画見直し」、港区議会では「別の選択肢の検討を求める」意見書が可決されています。

撤回を求める住民団体のパレードが江東区、江戸川区で開催されるなど、理解を得るどころか新ルートの撤回を求める動きが広がっています。


北区でも区長宛に羽田新飛行ルート撤回を求める要請書や、署名、同趣旨の議会陳情も住民から提出され、陳情審査では継続審査となっています。


国交省主催の住民説明会でも、「増便の必要性について理解できない」「開始の理由に納得でない」など、新ルート運用開始に住民合意が得られていないのは明らかです。

運用開始を決定した国と東京都に抗議するとともに、運用開始を容認する北区の姿勢も認められません。そこで、初めに2点、お伺いいたします。

問1:区民の理解は得られていない?

1、羽田新飛行ルート運行開始について、区民の理解は得られていないものと考えるが、どうか。

問2:教室型説明会を行うよう国に求めること

2、引き続き教室型説明会を行うよう国に求めること。
以上お答えください。

問3:区民の健康や安全が守られるのか?

次に、騒音・振動、落下物や航空機事故など、区民の安全を守ることについて、2点伺います。

区民生活委員会の資料によれば、この新飛行ルートが運用になると、北風運用時の離陸機が1日最大154便、南風時運用時の着陸機が1日最大90便が、北区上空を現在よりも低い高度で通過するとしています。南風運用時は、1時間当たり多い時で2分に1回の割合で北区の上空を通過する計算となります。


「今でさえ、朝早くから航空機やヘリコプター騒音などで生活が圧迫される」「小さな落下物でも衝撃があり、子供が心配」「真上を通過する。墜落事故が起こるのではないか」。住民説明会等で不安や心配の声が出ております。


羽田新飛行ルートに関しては、都心上空を飛行することが、世界的な主流にも反している

騒音対策のため、航空機の降下角度を通常の3度から3.5度に引き上げる方針は、騒音対策効果も薄く、パイロットの負担になり、重大事故につながりかねない。

落下物についても世界的な整備士不足で手が回らないのが現状で、完全に防ぐことは困難。氷塊の落下を避けるのはもっと難しいなど、専門家から安全性に対する様々な指摘がされており、羽田新飛行ルートの容認ありきで安全が後回しになっています。


人口が密集している都心上空を新たな飛行ルートにすることにより、騒音や振動による健康や生活への影響、落下物事故や墜落事故リスクが高まります。事故が起きてからでは取り返しがつきません。


そこで、お伺いいたします。騒音・振動、落下物や航空機事故などの危険から区民の健康や安全が守られるのか、区の認識をお伺いいたします。

問4:羽田新飛行ルートの撤回を国に求めること

4、羽田新飛行ルートの撤回を国に求めること
以上お答えください。

 

生活環境部長

生活環境部長
生活環境部長

答1:丁寧な情報提供に取り組むよう引き続き要望

私からは、都心低空飛行の羽田新ルートについて、順次お答えします。
はじめに、区民の理解についてです。

国は羽田空港の国際線増便の必要性について、多くの方にご理解をいただけるよう、5巡にわたる説明会開催のほか、情報発信拠点の設置や、ニュースレターの発行、新聞広告等メディアの活用、ホームページなど、様々な媒体を通して情報提供を行ってきました


これまで説明会などの場では、国際線増便について理解を示すご意見がある一方、「理解が得られていない」「納得できない」といったご意見もありました。

区としましては、今後も国に対し多くの区民の皆様の理解が得られるよう説明会の継続実施や窓口対応の強化、メディア等の活用など、丁寧な情報提供に取り組むよう引き続き要望してまいります

答2:教室型説明会の開催、今後も国に求めてまいります

次に、教室型説明会の実施についてです。

国は今年の8月、新飛行経路での運用開始を発表した際、騒音・落下物などに対し、区民の皆様などから引き続き心配の声があることを踏まえ、これまでの意見・要望をしっかりと受け止め、丁寧に対応する旨を表明しています。


その一環として、今月より来年1月まで、関係自治体において、対話を重視することで区民の皆様の疑問や不安などにきめ細かく対応するオープンハウス型の説明会を計60回開催すると聞いています。北区内での説明会は12月に予定されており、詳細については所管委員会でご報告さしていただきます。

なお、教室型説明会の開催については、今後も国に求めてまいります

答3:国の判断と責任において・・・

次に、騒音・振動、落下物や航空機事故等の危険への認識についてです。

国は新飛行経路運用を開始するにあたり、住民説明会でのご意見などを踏まえ、騒音や落下物対策の徹底、航空セキュリティーの向上などを図っており、今後も必要に応じて対策を追加していく旨を表明しています。


騒音や安全対策等については、国の判断と責任において、その都度最善の対策が講じられていくものと認識していますが、引き続き国に対しては各対策の充実と強化を要望してまいります。

答4:運用開始決定の撤回を求める考えはありません

最後に、新飛行経路の撤回を国に求めることについてです。

国は首都圏の国際競争力強化や訪日外国人旅行者の受け入れなどのため、国政の場での十分な議論をはじめ、関係自治体や区民の皆様からの意見も踏まえつつ、国の航空政策として国の責任において新飛行経路の運用開始を決定したと認識しています。


このため、運用開始決定の撤回を求める考えはありませんが、区としましては、本区上空を飛行する以上は、区民の皆様の安全が確保されていることが最低条件であると考えています。

従いまして、今後も国には区民の皆様の不満や疑問に答える丁寧かつきめ細かな説明、十分な情報提供、そして安全対策や環境対策の充実と強化を引き続き求めてまいります

雑感(ようやく共産党が取り上げたのだが…)

北区区議会の定例会では、18年に4回開催された定例会でも、また19年に開催された3回の定例会でも、羽田新ルート問題が代表・個人質問で取り上げられたことはなかった。今回の第4回の定例会でようやく共産党が取り上げた

ただ、質疑応答の中身はと言えば、「住民の理解」や「教室型説明会の開催」、「区民の安全」や「新ルート撤回」。他の区議会と比べて、周回遅れの印象が否めない

生活環境部長の答えは、「引き続き要望してまいります」「国に求めてまいります」「要望してまいります」「引き続き求めてまいります」。区は国に対して「要望」「求めてまいります」だけでいいのだろうか……。

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