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羽田新ルート|墨田区議会「19年第3回定例会」質疑応答

墨田区議会「19年第3回定例会」本会議の代表質問(9月10日)で、羽田新ルートに関して、はらつとむ議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約1千900文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

はらつとむ(共産)

はらつとむ(共産)
はらつとむ 議員(共産党、区議4期、向島商業高卒、37歳)

質問1:羽田空港新飛行ルート問題、どのように対応されてきたのか?

次に、羽田空港新飛行ルートの運用開始問題についてです。
国土交通省は先月、外国人観光客の受け入れ拡大と国際競争力強化を理由に、都心上空を低飛行する新たな飛行ルートを決定しました。来年3月29日より運行を開始するとしています。国交省は、来年の東京五輪の円滑な開催のためには新ルートの運用開始による国際線増便など、羽田空港の機能強化が必要不可欠としています。


この新ルートの運用により年間約6万回だった国際線発着枠が約9.9万回に拡大するとしています。ところが、これまで羽田空港では東京湾上空を飛行していましたが、新ルートでは新宿や品川、渋谷をはじめ、各区の上空を通過することになります。都心上空を飛行する新ルートは騒音、落下物、大気汚染、資産価値の低下、墜落事故等が起こった場合の甚大な被害など、区民の生活と安全、経済活動に重大な影響与えます


この間、新ルート直下の品川、渋谷両区議会からは新ルートの撤回・見直しを求める意見書決議が全会一致であげられるなど、関係自治体や住民から不安や懸念の声が出されています。こうした不安が払拭されないままスケジュール先にありきで、新ルートの運用開始を決めたことは重大です。


まず、都は事前に関係区市に意見を求めていますが、都の集約では墨田区を含む全ての関係区市が「意見なし」となっています。区長はこのような羽田空港新飛行ルート問題をどう受け止め、どのように対応されてきたのか、説明を求めます。
特に、東京都が墨田区からも「意見なし」と集約していることについて、明確な説明を求めます

質問2:都心上空を低空飛行する問題、どのように認識?

この都心上空を低飛行する新ルートが運用されれば、時間帯によっては山手線のラッシュ時より多い1分20秒に1機が爆音を響かせて飛行します。新ルートは品川上空では330mの低空飛行となり、超高層ビルのすぐ近くを飛ぶことになり資産価値の低下も懸念されます。

墨田区においても北風の時は荒川上空が飛行ルートとされ、約1500m上空を飛行します。

2017年大阪市では、飛行機の1m四方のパネルが落下して自動車に衝突するという事故が起きました。報道では飛行ルートと落下物は3キロ離れていたといいます。つまり、都心上空や荒川上空で落下物があった場合、墨田区のほとんどの地域が危険にさらされます

国交省によれば、17年11月から18年5月までの204日間で、219件、航空機から部品が落下してるといいます。この数には氷などの落下物は含まれていません。


落下物対策について国は、航空機のチェック強化で対応できるといいますが、チェックできるのが1日3機程度で、同様の検査はこれまでも行われていますが、落下物はゼロにはなりません。機体に付く氷の塊などは防ぐことはできないと言われています。

区長は騒音、落下物、航空機事故の危険性、資産価値の低下など、都心上空を低空飛行する問題についてどのように認識されているのか、見解を伺います。

質問3:運用開始決定は撤回するよう国や都に求めるべき

これまで国も都も「地元自治体や住民の理解を得ることが新飛行経路の前提条件だ」と明言していました。

その約束を投げ捨てて、方針決定したことは断じて認められません。このような羽田空港新飛行ルートの運用開始決定は撤回するよう国や都に求めるべきと考えますが、区長の見解を伺います。

山本 亨 墨田区長

山本 亨 隅田区長
山本 亨 墨田区長(2期、青学卒、57歳)

回答1:実効性ある対策、説明会の開催を要望

まず、新飛行ルートに関する意見については、本区は、国に対して安全性や騒音対策について実効性ある対策と地域住民のさらなる理解を得るための説明会の開催を要望しました。


これに対して国からは、落下物防止対策基準の義務付けなど、対策の着実な履行により落下物ゼロを目指すとともに、実施状況の公表やマスメディアを活用した広報、パネルの展示、説明の機会の設定など様々な手法を用いて、丁寧な情報提供に努める旨の回答を得ています。

回答2:落下物などの安全対策は重要

次に、都心上空を低空飛行する点の認識ですが、ご指摘の通り、騒音対策や落下物などの安全対策は重要であり、その徹底は区民の理解を得るうえで必要であると考えています。

回答3:(撤回する)考えはありません

次に、運用開始決定の撤回を求めることについては、東京2020オリンピック・パラリンピックの円滑な開催などの面から、羽田空港の機能強化は必要なことと認識していますので、その(撤回する)考えはありません

雑感(騒音も…)

羽田新ルートが墨田区上空を通過することを認識している区民はどのくらいいるのだろうか?

筆者自身もこれまで、羽田新ルートが通過する13区のなかに、墨田区を見込んでこなかった。というのは、国交省が公開している資料でも、墨田区を取り上げた飛行経路図がなく、江東・江戸川区の飛行経路図の区境でわずかに表現されているだけだからだ。


江戸川区を通過したあと、墨田区上空を通過するのは確実なのだが、そのあと台東・荒川・足立区のどこを通過するのかは不明。だからなのか、これまで台東・荒川区で羽田新飛行ルートに係る「情報発信拠点」(パネル展示)が開設されたことはない(43か所目!羽田新ルートのパネル展示@練馬区)。

じつは、羽田新ルートは墨田区上空を次のように通過することになっている。

墨田区上空を通過する飛行経路案は、北風時に羽田空港離陸後、荒川上流に向かうC滑走路出発ルート(次図の紫色)。

北風時(全体の約6割)、午前(7時~11時半)・午後(15~19時、うち3時間)の時間帯で1時間当たり23回(2分36秒ごと)に飛行する(FAQ冊子v5.1.2、P26)。

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羽田新ルート|騒音影響を受ける区民100万人超」にピンク色の楕円を追記

C滑走路出発ルートは、江東・江戸川区境上空を通過し、4500ft(1,370m)以上の高度で墨田区上空に入る計画となっている。

国交省が公開している「FAQ冊子v5.1.2」(P51)によれば、大型機777-300の離陸時の飛行高度4500ft(1,370m)の地上での騒音レベルは73dB

パワーを要する離陸ルートのほうが、着陸ルートよりも騒音レベルが高いので(次図)、落下物・墜落事故のリスクだけでなく、騒音レベルも馬鹿にできない。

「飛行ルート直下の騒音レベル」と「飛行高度」の関係

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