最近、銭湯の入浴料金が気になった。いくらくらいかかるのか。実は、銭湯の料金は物価統制令(1946年制定)に基づく統制価格である。都道府県知事が上限額を決めているのだ。
2025年7月24日、東京都は料金据え置きを発表した。大人(12歳以上)550円、中人(6歳以上12歳未満)200円、小人(6歳未満)100円。4人家族(夫婦と小学生2人)なら、1回の入浴で1,500円だ。
この価格、利用者にどんな影響を与えるのか。東京くらしWEBの「東京の公衆浴場の現況データ」を基に、データを可視化してみた。銭湯の実態を、数字で紐解いていく。
※初投稿:2019年9月21日(最終更新:2025年7月25日)
東京都内の銭湯、どれくらい減った?
東京都内の公衆浴場数の推移をグラフで示す(次図)。
2005年、都内の銭湯は1,000件を超えていた。しかし、2024年には430件まで減少。実に4割近くが消えた計算だ。経営難や後継者不足が原因だろう。銭湯は、街から静かに姿を消している。

利用者数はどう変わった?
次に、銭湯の利用者数の推移を見てみる。グラフで示す(次図)。
2004年、年間の延べ利用者数は4,568万人だった。それが2024年には2,085万人に。こちらも4割近く減っている。
一方、1浴場1日あたりの平均入浴者数は興味深い動きを見せる。2004年の138人から2013年には119人に落ち込んだが、2024年には163人まで回復した。銭湯の数は減っているのに、1軒あたりの利用者は増えている。つまり、人気の銭湯だけが生き残っている構図だ。厳しい生存競争が垣間見える。

料金の推移、どれくらい上がった?
東京都の入浴料金の推移をグラフで示す(次図)。

大人料金(12歳以上)は1989年の295円から2025年には550円に。約1.9倍の上昇だ。小人・中人料金の値上げは小幅だが、4人家族で1,500円は軽視できない出費である。たまの思い出作りならいいが、頻繁な利用は家計に響く。
では、誰が銭湯を支えているのか。主に時間とお金に余裕のある高齢者、訪日外国人、そして内風呂がない学生たちだ。彼らは、なけなしの金を握りしめ、銭湯に通う。
全国の銭湯料金、どこが一番高い?
全国の銭湯料金はどうなっているのか。
「全国浴場組合」のホームページに2025年7月16日現在の料金表がある。それを基にランキングを作成した。
最も高いのは大阪府。大人料金は600円だ。一方、最安は宮崎県と茨城県で350円。差は250円もある。地域による価格差、意外と大きい。

※注:秋田、山形、茨城、島根、佐賀の5県は全国浴場組合のHPにデータがなく、各県の公式HPを調査(2025年7月24日時点)。山形県は2010年以降、銭湯がほぼ消滅しており、ランキングから除外した。