前回銭湯に行ったのは、15年以上前。その銭湯は、今はない。
そんな銭湯の入浴料金が消費税増税の影響なのか、都内では10月1日から大人470円に値上げされる。
- 大人(12歳以上の者)470円(現行460円)
- 中人(6歳以上12歳未満の者)180円(据置き)
- 小人(6歳未満の者)80円(据置き)
今回は大人料金が10円上がるだけ(中・小人は据え置き)。利用者への影響は出てくるのだろうか。東京くらしWEBに「東京の公衆浴場の現況データ」が公開されているので、可視化してみた。
公衆浴場数、半減
都内の公衆浴場数の推移を次図に示す。
都内の公衆浴場数は、05年には1千件を超えていたのだが、18年には544件と、ほぼ半減している。
経営難や後継者問題などにより、転廃業が進んでいるのであろう。
公衆浴場の延べ利用者数、半減
都内の公衆浴場利用者数の推移を次図に示す。
年間の延利用者数は、04年4.5万人から18年2.3万人に、ほぼ半減。
一方、1浴場1日当たりの平均入浴数のほうは、04年138人から漸減し、13年119人にボトムを記録したあと漸増し、18年138人まで回復。
公衆浴場数の減少で、1浴場あたりの入浴者数が増加するという妙な現象が生じている。
入浴料金、4人家族で1,300円
東京都の入浴料金統制額の推移を次図に示す。
大人料金(12歳以上)は89年295円から19年10月1日470円と1.6倍まで上昇。
小・中人料金の上昇は微々たるものだが、それでも4人家族(夫婦と小学生2人)だと1,300円。思い出作りとして、たまに銭湯に出かけることはあっても、頻繁にとなると家計へのインパクトは無視できない。
現在の銭湯を支えているのは、時間とお金に余裕のあるお年寄りと訪日外国人。それと、内風呂がなくて、なけなしのお金をはたいて銭湯を利用せざるを得ない学生か……。
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