7月19日(金)夕刻、大井町きゅりあん(大井町駅徒歩1分)で開催された『都心低空飛行問題シンポジウム』に参加してきたのでご報告。
シンポジウム概要
- 日時:7月19日(金)18:30~20:45 21:16
- 場所:大井町きゅりあん(大井町駅徒歩1分)
- 先着300名、参加費500円(18歳以下無料)
- 主催:都心低空飛行問題シンポジウム実行委員会
会場全景(拡大 PDF:143KB)
「来春に迫った羽田の新ルート運用開始を目前に、市区や立場を越えて市民が集い、有効な方策を共有するために」超党派で開催された。
プログラムは下記のとおり。主催者事務局からの趣旨説明(10分)のあと、航空評論家 杉江弘氏による基調講演(50分)、パネルディスカッション(90分)と続いた。
第1部 趣旨と新ルート計画
- シンポジウムの趣旨
- 国交省計画の全体像
- 問題点の整理
第2部 基調講演
航空評論家 杉江弘氏(元日本航空機長)
『具体的事実から見た新ルート計画』
~墜落の危険・落下物や騒音・世界の空港利用のすう勢~ー パネルディスカッション ー
第3部 地元が納得できない理由
- 広い範囲での深刻な影響
- 国と地元との信頼関係の経緯
- 不合理な計画と強引な進め方
第4部 都心を守るために何をすべきか
杉江弘氏(元JAL機長)基調講演
飛行機の模型を使って、管制方法、落下物、騒音、墜落事故など、羽田新ルートの問題を素人にも分かりやすく解説。
パネルディスカッション
パネラーは次の9名(敬称略)。コーディネーター大村究実行委員の進行のもと、様々な立場から問題を提起。
- 廣田ミチ子(緑の家保育園前園長)
- 星野芳昭(SDGs都市経営コンサルタント)
- 小柴恭男(日本ヒーター(株)代表取締役会長)
- 秋田操(羽田増便による都心低空飛行ルートに反対する品川区民の会共同代表兼東京連絡会共同代表)
- 須永知男(渋谷の空を守る会共同代表)
- @ebisuhide
- 八田洋一郎(JAL元機長)
- 寺島政博(品川区視覚障害者福祉協会会長)※会場席
- 石川みのり(羽田空港増便問題を考える会)※会場席
都心を守るために何をすべきか(4つの提案)
パネラーから次の4つの提案がなされた。
- 社会的課題解決型の交渉
ステークホルダーへの働きかけ - 実機飛行を国交省に要求
- 令和時代の市民運動(ネットとリアルの融合)
- クラウド訴訟
雑感
元JAL機長が語る不都合な真実…
杉江弘氏(元日本航空機長)の基調講演のなかで特に、次の2点が印象に残った。もっと知られていもいい「不都合な真実」。
- 世界の管制ルール(出発便の待機時間を短縮する)を適用すれば、羽田は約5%増やせるから、これだけで羽田増便問題は解決できる。
- 17年9月に大阪で発生したKLMオランダ航空機からのパネル落下事故を受けて、国交省は当初、航空会社に落下物対策を罰則規定付きで義務づけようとしたが、日本だけでは決められないことから、最終的には見舞金で対応することになった。
NHKの拡散効果に期待
会場はほぼ満席。主催者発表によると、参加者は19区から281名(うちスタッフ29名)とのこと。何人もの政治家の顔も確認できた。
ただ、気になったのは参加者の多くが高齢者。40代以下の若い世代は2割もいなかったのではないか。今回のシンポジウムはNHKがしっかり撮影していたので、放送によって幅広い世代への羽田新ルート問題の拡散を期待したい。
※関係者の皆さん大変お疲れ様でした。
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