東日本不動産流通機構は5月15日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(4月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で1.8%増加し、1月に続いて前年同月を上回った。成約m2単価は前年比で4.0%上昇、成約価格は同3.8%上昇し、ともに下落した1月から再び上昇に転じた。専有面積は前年比マイナス0.2%と、ほぼ横ばいながら1月に続いて前年同月を下回った。
地域別動向
- 成約件数は多摩と神奈川県他を除く各地域が前年比で増加し、横浜・川崎市は5ヶ月連続で前年同月を上回った。成約m2単価はすべての地域が前年比で上昇し、埼玉県は9ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションに引っ張られるように13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化(次図)。
19年4月の成約単価は53.29万円(前年同月比2.4%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる(次図)。
首都圏の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
4月の成約件数3,440戸は、前年同月比で6.3%増。
首都圏の成約単価は鈍化、在庫件数は増加傾向を示すなか、成約件数は4か月連続で前年同月を上回った(次図)。
今後、中古マンションの需要が増加に向かうのか、減少に向かうのか目が離せない。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、18年3月をピーク(70.21万円)に鈍化していたが、3か月連続で70万円超え。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
23区では、次の順に成約単価が高いことが分かる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
特に、都心3区の成約単価は、18年8月にピーク(119.37万円)を記録したあと下落していたが、2か月連続で120万円に迫る。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、増加し始めたかとおもいきや減少に向かう……。
まとめ
- 首都圏
成約単価は、新築マンションに引っ張られるように、13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破した後は鈍化。在庫件数は増加傾向。成約件数は4か月連続で前年同月を上回った。 - 都内
成約単価は、18年3月をピーク(70.21万円)に鈍化していたが3か月連続で70万円超え。在庫件数は増加傾向。 - 都心3区(千代田、中央、港)
成約単価は、18年8月にピーク(119.37万円)を記録したあと下落していたが、2か月連続で120万円に迫る。