国交省が運用している「羽田空港のこれから」というサイトでFAQ冊子が公開されていることをご存じだろうか。
同冊子の最新バージョンはv5.1。前のバージョンと比べてみると驚きの事実が……。
FAQ冊子の最新バージョンはv5.1
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線発着回数を増やすため、都心上空を飛行する羽田新ルート計画。
多くの疑問に答えるべく、国交省が運用している「羽田空港のこれから」というサイトでFAQ冊子が公開されていることをご存じだろうか。
FAQ冊子の最新バージョンはv5.1(1月17日現在)。
「なぜ最新バージョンがv5.0でなく、v5.1という中途半端な数字なのか」と思った人は鋭い。
最新バージョンv5.1のひとつ前のバージョンv5.0は昨年12月時点で確かに存在していたのだが、v5.0は現在どこにも掲載されていない。
v5.0とv5.1を比べてみると驚きの事実が…
v5.0からv5.1へのバージョンアップでどこが変わったのか?
筆者のパソコンにダウンロードしておいたv5.0(次図)と比べてみると、驚きの事実が……。
v5.0とv5.1で枚数は変わっていない(全部で128枚)。どこが変わったのかザックリ見比べていて気付いたのは、次の3枚の新飛行経路(案)の一部が変わっていたことだ(他にも変わったところがあるかもしれないが)。
- 南風時の新飛行経路(案)について(1大田区)P93
- 南風時の新飛行経路(案)について(2川崎市)P94
- 北風時の新飛行経路(業)について(13江東区・江戸川区)P106
具体的には、次図に示すように、飛行経路の一部が拡がっているのである。
P93に描かれている南風時B滑走路出発ルートが拡がっている(v5.1左下)
(FAQ冊子P93)
P94に描かれている南風時B滑走路出発ルートも拡がっている(v5.1左下)。その幅は最大で約2km。川崎市民はこの変更事実を知らされているのか。
(FAQ冊子P94)
P106に描かれている北南風時C滑走路出発ルートは2か所で拡がっている(v5.1の左下と上部)。江東・江戸川区民はこの変更事実を知らされているのか。
(FAQ冊子P106)
FAQ冊子データの一部をこっそり差し替え
FAQ冊子は不定期にバージョンアップされていて、過去のバージョンは「説明会資料」として公開されている。ところがv5.1は公開されていない(次図)。
羽田新ルートの影響を受ける範囲が拡大する方向の修正なのに、こっそり図を差し替えるという姿勢は、厚労省の勤労統計不正と似てないか。少なくとも「説明会資料」のページでv5.0も公開するべきではないのか。
さらに言えば、FAQ冊子の最後のページにでも、主な変更履歴として記載しておくことが、”丁寧な”情報の伝え方だと思うのだが……。
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