不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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大阪・京都のマンション市場動向|平成29年第4四半期

国土交通省は2月23日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」<平成29年第4四半期>を公表。

地価動向の把握を目的とした調査レポートではあるが、マンションの市況も掲載されている。大阪、京都の新築分譲マンションの価格動向を中心に、不動産鑑定士のコメントをピックアップしておいた。


ポイント

【大阪】

大阪市(福島区):マンション需要は依然強い

マンション需要は依然強い。機関投資家等の賃貸マンションに対する投資需要も引き続き強い。

地価動向

  • 当地区は、梅田・福島の両エリアに徒歩圏で、都心型マンション需要者の選好性が高く、デベロッパーや建設業者等の取得意欲は依然として旺盛であるが、空地がほとんどなく、直近のマンション素地の取引は確認できなかった。
  • 福島エリアは、飲食店を中心とした人気の店舗も多く、当地区を含む背後住宅地区のマンション需要は依然強い。また、うめきた2期区域ではJRが新駅を建設中で、マンション素地の需要は強さを増しており、機関投資家等の賃貸マンションに対する投資需要も引き続き強い
  • そのため、取引価格は上昇傾向が続き、地価動向はやや上昇で推移した。

将来地価動向

  • 当地区は大阪駅を中心とする梅田地区への接近性が良好で、うめきた2期区域の開発が進めば一体感を増し、飲食店が建ち並ぶJR福島駅周辺の商業地域との関係性も強まることが予想されることから、単身者だけでなくファミリーのマンション需要も見込める。
  • 賃貸マンションの稼働率が高いためファンド等の取得意欲も強く、デベロッパー等のマンション素地に対する需要も依然として強い。これらのことから、今後も分譲目的・投資目的でのマンション素地需要や投資需要は強い状況が続くと見込まれ、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。
大阪市(天王寺区):マンション分譲価格は上昇傾向が続く

新築マンションの分譲価格は立地条件・環境条件の優位性からやや上昇傾向が続く

地価動向

  • 当地区において、マンション開発素地等に係る当期の土地取引は確認されなかった。
  • 当地区周辺の取引状況を見ると、立地条件が優る開発素地については依然として高値取引が見られ、当地区も旺盛な需要を背景に取引価格は上昇傾向にある。
  • また、新築マンションの分譲価格はやや上昇傾向が見られ、販売状況は当期も富裕者層の堅調な需要を背景に概ね好調を維持している。築浅の中古マンションは、需要者の模様眺めにより価格の上昇傾向にやや歯止めがかかり始めている。
  • 収益物件としての単身者・ファミリー向け賃貸マンションに対する投資家等の取得需要は引き続き強い状況が続いているが、取引価格の上昇は緩やかであるため取引利回りは概ね横ばい傾向であり、地価動向はやや上昇傾向で推移している。

将来地価動向

  • マンション需要の二極化が顕著な中で、当地区は大阪市内で有数の文教地区に存し、分譲マンション等に係る選好性が高いため、富裕者層によるマンション需要は景気動向に左右されることなく堅調さを維持している。
  • また、当地区ではマンション開発素地の供給が限定的で稀少性を維持しており、当期もデベロッパー等の取得需要が相対的に強い状況が続いていることから、需給逼迫状況が当面続くと予想される。
  • 新築マンションの分譲価格は立地条件・環境条件の優位性からやや上昇傾向が続くと予想され、開発業者等による土地取得需要の競合は継続すると見込まれる。また収益物件の供給も少なく投資需要が引き続き旺盛であることを背景に、投資物件の需要も逼迫した状態が当面続くと予想される。
  • 以上から、当地区の将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。
豊中市(豊中):分譲マンション自体の需要は高まっている

緑が豊かで、かつ利便性の高い住宅地区として分譲マンション自体の需要は高まっている。

地価動向

  • 当地区及びその周辺はニュータウン開発事業により造成された市街地であるため、新たな開発余地が少なく物件の供給は限定的である。
  • 当地区が属する千里中央エリアは、千里中央駅付近に大型商業施設が立地するなど利便性が良好で、また、全国的に知名度も高く公共施設も充実しているため、特にファミリータイプのマンションの人気が高く、近畿圏のみならず圏外からの転入も多い。
  • しかし、マンション素地の供給は住宅団地の建替事業に伴うもの等に限られ、長期的に供給不足の状況が続いている。中古マンションの仲介業者の取得・転売等は増加していないが、取引価格の上昇傾向は継続している。
  • 当期の取引件数の動向は概ね横ばい状態であるが、新築マンションが供給された場合にはマンション分譲価格は上昇が見込まれるため、マンション素地の取引価格は上昇傾向となることから、当地区の地価動向はやや上昇傾向にある。

将来地価動向

  • 当地区は新大阪駅や大阪空港並びに大阪市中心部へのアクセスに優れ、広域的なマンション等の需要が見込まれる地区である。
  • また当地区及び周辺には賃貸マンションがほとんどなく、70㎡程度の分譲マンションが賃貸借される場合には賃料は15万から17万円程度である。
  • 賃料は前期と比較して当期も横ばい傾向のままである。賃貸マンションの収益性に着目した需要は少ないが、緑が豊かで、かつ利便性の高い住宅地区として分譲マンション自体の需要は高まっており、マンション素地の取引価格の緩やかな上昇傾向が続くと見込まれる。
  • したがって、当地区の将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

【京都】

京都市(中京区/二条):マンション分譲価格は概ね横ばいで推移

マンション分譲価格は概ね横ばいで推移しているものの、中古マンションの価格は強含みで推移している。

地価動向

  • 当地区はJR二条駅、地下鉄東西線二条駅に近接し、周辺部には商店街等の利便施設も存することから、需要は底堅く、地縁のある取得者層の需要とともに、堀川通以東の市内中心部の需要も見込むことができる。
  • 当地区の主要な取得者層の所得水準に大きな変化はないことから、マンション分譲価格やマンション賃料及び空室率は概ね横ばいで推移しているものの、中古マンションの価格は当地区の中古マンション供給が少ないことや、昨今の不動産市況の改善傾向により、強含みで推移している。
  • なお、マンション素地需要とともに、京都市内ではホテルの素地需要が強く、当該需要が市内中心部等への交通利便性に優れる当地区の需要を強める要因となっており、当期も取引価格が緩やかに上昇したことから、当期の地価動向はやや上昇傾向で推移した。

将来地価動向

  • 当地区では、中古マンションの供給は少ない状況が続き、需給関係に大きな変化を与えるような大規模開発の予定も特段公表されてはいない。
  • 一方、当地区は市内中心部等へのアクセス性が良好で交通利便性に優り、当地区の新築、中古マンション需要は底堅い。
  • 以上から、マンション素地やホテル素地を中心とした需要が引き続き見込まれるため、取引価格の緩やかな上昇傾向が継続し、将来の地価動向はやや上昇が続くと予想される。
京都市(中京区/下鴨):マンション分譲価格は概ね横ばいで推移

マンション分譲価格についても概ね横ばいで推移している。

地価動向

  • 北区内の高級住宅地の需要は比較的安定し、全般的に物件供給は少ない状況が依然続いている中で、当地区の売り希望価格も横ばいで、取引価格については変化が見られず安定しており、概ね横ばいで推移している。
  • 幹線沿いの物件については一定の需要は認められるものの、それほど強くなく、背後の高級住宅地以上に物件供給は少なく取引も少ない。
  • マンション等の投資物件については取引は少なく取引利回りの把握は難しいが、当地区の取引価格は横ばいで推移しており、賃料も横ばいで推移していることから、取引利回りも横ばいで推移しており地価動向は概ね横ばいで推移している。

将来地価動向

  • ゲストハウスの増加によって、京都市内中心部の町家の需要が認められるが、北区の高級住宅地については、富裕層を中心として安定した需要が見込まれる。
  • 幹線道路沿いの物件については背後の住宅地に比べると需要は相対的に弱く目立った取引はないが、取引価格は概ね横ばいで推移すると予想される。
  • 店舗賃料についても、変動は予想されない。取引利回り、マンション分譲価格についても概ね横ばいで推移し、価格形成要因に変動を及ぼす要因は今のところ見られないことから、将来の地価動向は今後も概ね横ばいが続くと予想される。
京都市(西京区/桂):投資需要の増減による市況の変化は穏やか

投資需要の増減による市況の変化は穏やか。

地価動向

  • 当地区は桂駅東口に近接して利便施設も多く、京都市中心部や大阪市内へのアクセスが良好で交通利便性に優れ、良好な居住環境も有しており、自己使用を目的とする住宅需要は底堅い
  • なお、収益物件の需要も認められるが投資家の需要に見合った収益物件は限られることから、投資需要の増減による市況の変化は穏やかであり、マンション賃料及び空室率も概ね横ばいで推移している。
  • 当地区のマンションデベロッパーによるマンション素地等の取得需要は、京都市中心部のマンション素地需給逼迫等の要因もあって堅調であり、取引価格は緩やかに上昇しているため、当地区の地価動向はやや上昇傾向で推移した。

将来地価動向

  • 住宅需要の流出等負の影響が懸念された洛西口駅及び桂川駅界隈の開発は、当地区の利便性の向上にも寄与し、当地区の需要の下支えとなった。
  • 今後は阪急電鉄京都線東向日駅西側の旧イオン向日町跡地の開発や同線洛西口駅付近の鉄道高架下利活用の検討が予定されており、これら開発の効果が当地区にも波及して更なる利便性向上が見込まれることから、当地区では取引価格の緩やかな上昇が当面継続し、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

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2018年6月1日、このブログ開設から14周年を迎えました (^_^)/
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