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葛飾区「民泊ガイドライン案」の気になるところ

葛飾区は2月20日、「住宅宿泊事業(民泊)の実施運営に関するガイドラインへのご意見を募集」開始。

「やっと葛飾区も民泊条例を制定するのか?」と思って、よく調べてみると、葛飾区は民泊条例を制定せずに(条例による規制の上乗せをせずに)、ガイドラインだけを制定するようだ。

同ガイドライン案は、全20頁、次の8項目から構成されている。

  1. 制定の趣旨
  2. 用語
  3. 住宅宿泊事業実施前の事前準備
  4. 各種届出
  5. 事業者の業務に関する指導
  6. 監督
  7. 警察機関、消防機関、保健所、その他の関係機関との連携
  8. その他

その大半は、国が昨年12月に公表した「ガイドライン(住宅宿泊事業法施行要領)」の焼き直し。ただ、一部は葛飾区独自の内容も含まれているので、気になるところを抜粋し、雑感を記しておいた。


葛飾区「民泊ガイドライン案」の気になるところ

下記の※文章は筆者の雑感。

周辺住民等の範囲:管理組合だけでなく、同一階・直上直下階住戸なども

周辺住民等への事前周知範囲は、民泊施設から10メートル程度の範囲。共同住宅内民泊の場合は、同一階と上下階同一位置の住民、管理組合。周辺住民等に該当しなくても、要望あった場合には自治会長も。

下記内容は、国のガイドラインでは触れられていないが、都のガイドラインとほぼ同じ。

周辺住民等への事前周知

届出に先立って、事業を営もうとする住宅の周辺住民等に対して、書面等により事前周知を行うこと。

(1)周辺住民等の範囲

  • 事業を営もうとする住宅の敷地に隣接若しくは近接(事業を営もうとする住宅の敷地からの距離が10メートル程度の範囲)する土地に存する家屋を所有又は居住する者
  • 事業を営もうとする住宅が共同住宅である1棟の建物に存する場合は、事業を営もうとする住宅と同一の階及び上下の階の同一位置に存する居室に居住する者これに加え、事業を営もうとする住宅が分譲マンションに存する場合は、当該マンションの管理組合又は管理者
  • その他周辺住民等に該当しない地域の自治会から要望があった場合に自治会長に説明を行う等、法の趣旨を踏まえ、事業を行おうとする者が必要と認める者

(P3~4/住宅宿泊事業実施前の事前準備 )

※マンションで民泊をしようとすると、事前説明しなければならない対象者がけっこう多い。

住宅宿泊事業に係る情報の公開:個人情報を除く!?

届出住宅の所在地などは、区のホームページで公開される。

住宅宿泊事業に係る情報の公開等

  • 住宅宿泊事業に関する情報のうち、個人情報を除く情報及び事業に支障がある情報を除く情報については、情報公開の対象になること。
  • また、届出日、届出番号及び届出住宅の所在地については、届出窓口及び情報公開コーナーに設置する名簿、区ホームページに掲載する方法等により公開することに関し、同意を得ること(様式8)。

(P10/各種届出)

※区のホームページに掲載される情報は、「個人情報を除く」とされているが、届出番号や届出住宅の所在地が公開される。観光庁が12月26日に民泊仲介サイト運営事業者宛に通知した文書には、「 サイト利用者へ適法な物件であることを周知する等のため、民泊仲介サイトにおいて、届出番号等物件の適法性に関する情報を表示すること」としているので、届出番号などから個人情報を追うことができるのではないか。観光庁の通知文書は違法民泊を撲滅できるか」参照。

飲食の提供:無許可での飲食提供不可

善良の風俗が害されるような文書の設置は不可。無許可の飲食の提供も不可。 

下記内容は、国のガイドラインでは触れられていないが、都のガイドラインとほぼ同じ。

その他

  • 善良の風俗が害されるような文書、図面その他の物件を営業の施設に掲示し、又は備え付けないこと。
  • 善良の風俗が害されるような広告物を掲示しないこと。
  • 食品営業許可等を取得した場合を除き、宿泊者に対し、届出住宅宿泊事業において飲食の提供を行わないこと。

(P11/事業者の業務に関する指導)

※「善良の風俗が害されるような文書」の範疇にエッチな漫画は含まれるのか? 居住型民泊(≒オモテナシ型民泊)のホストが、外国の旅行者に料理を振舞うのはNGなのか? 

雑感(葛飾区の不親切なパブコメ)

そもそも今回のパブコメのページには、葛飾区が民泊条例を策定しない旨が書かれていない。また、国や都の民泊ガイドラインの参考リンクも張られていない。

葛飾区の民泊ガイドライン案が国や都の民泊ガイドラインと比べて、どこがどのように異なるのか全く言及されていないので、多くの葛飾区民にはガイドラインの良し悪しが判断できないのではないか。葛飾区の民泊ガイドラインと国・都の民泊ガイドラインの違いを比較表で整理して開示するとか、区民にもっと判断材料を提供すべきではないのか。都のパブコメでは、国の民泊ガイドラインとの違いが分かる比較表(PDF:274KB)が公開されていた。

葛飾区議は民泊ガイドラインについて議論しているのだろうかと思って、区議会のホームページをグルると、来週2月26日の「平成30年第1回定例会」本会議の代表質問で、かわごえ誠一議員(かつしか区民連合)が「葛飾区の観光振興と民泊について」を事前通告しているって、いまごろかいっ。

これから民泊ガイドラインを策定するほかの区は、葛飾区の不親切なパブコメを教訓に、改善を期待したい。

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2022年6月1日、このブログ開設から18周年を迎えました (^_^)/
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