土地総合研究所は2月22日、「不動産業業況等調査結果(平成30年1月実施)」を発表。
三大都市圏と地方主要都市で不動産業を営む業者へのアンケート調査結果。「住宅・宅地分譲業」に関して、「モデルルーム来場者数」と「成約件数」の指数は7期連続して減少し、「販売価格の動向」の指数は23期連続して上昇している。
住宅・宅地分譲業(調査結果)
- 「モデルルーム来場者数」の指数は、前回から 4.8ポイント上昇し -6.3ポイントとなった。7期連続して減少傾向にあるとの見方が続いている。
- 「成約件数」の指数は、前回から 8.7ポイント上昇し -15.5ポイントとなった。7期連続して減少傾向にあるとの見方が続いている。
- 「在庫戸数」の指数は、前回から 12.5ポイント上昇し 34.9ポイントとなった。平成21年4月調査以降36期連続して減少傾向にあるとの見方が続いている。
- 「販売価格の動向」の指数は、前回から 0.8ポイント下落し 37.1ポイントとなった。平成24年7月調査以降23期連続して上昇したとする回答が下落したとする回答を上回っている。
「住宅・宅地分譲業」の変化を可視化する
これだけではよく分からないので、長期的なトレンドを可視化すべく、過去の発表資料をひも解き、「販売価格の動向」「在庫戸数」「成約件数」「モデルルーム来場者数」それぞれの指数データをグラフにしてみた(次図)。
折れ線の動きが激しくて、分かりにくい。
やがて販売価格が低下し、モデルルーム来場者が増加!?
そこで、近似曲線(5次の多項式近似)を重ねてみた(次図)。
上図から読み取れる長期的なトレンドは次の通りである。
- 「販売価格」指数は、約10年周期の下降トレンドに
現在、「前回より上昇した」とする回答が「前回より下落した」とする回答を上回っているが、やがて逆転することが予測される。ただ、逆転までもう少し時間がかかりそうだ。 - 「モデルルーム来場者数」と「成約件数」の指数は、上昇の兆し
現在、「前回より上昇した」とする回答が「前回より下落した」とする回答を下回っているが、まもなく逆転することが予測される。 - 「在庫戸数」指数、減少したとする傾向が低下
36期連続して減少(プラス)だが、在庫が減少したとする傾向が低下している。 - つまり上図は、やがて販売価格が低下し、モデルルーム来場者数と成約件数が増加し始めることを示唆している。
参考メモ
この調査は、毎四半期(1月、4月、7月、10月)、三大都市圏と地方主要都市で不動産業を営む業者に対して郵送またはEメールにてアンケート形式で実施されている。今回の調査は147社を対象(うち住宅・宅地分譲業は46社、回収数35社・回収率76.1%)。
各指数の定義は次のとおり。
- 販売価格の動向、成約件数、モデルルーム来場者:
{増加(上昇)したとする回答数-減少(下落)したとする回答数}÷全回答数×100- 在庫戸数:
{減少したとする回答数-増加したとする回答数}÷全回答数×100- 「横ばいである」「変わらない」の回答は、0として算定(-100~+100、0が判断の分かれ目)
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