今週発行された『SUUMO新築マンション 首都圏版』(9月12日号)の特集のひとつは「50代から考えるマンション購入」。
4頁にわたって、実際に住み替えた人へのインタビューやセカンドライフに向けた資金計画などが掲載されている。
50代で新築マンションを買う人が増えている!?
「50代で新築マンションを買う人が増えている」と題して、次図も掲載されている。
ボーっと見ていると「50代で新築マンションを買う人が増えている」という印象を受ける。でもよく読むと、「50代」ではなく、60歳以上も含んだ「50代以上」のデータだ。
約10年で50代以上の新築マンション購入者割合が大きく増加しており、50代に入ってから住まいを見直す人が増えたことがうかがえる(2007年1月~2017年7月首都圏・関西圈新築マンション契約者動向調査/リクルート住まいカンパニー調べ)
ホントに50代以上の新築マンション購入者の割合が増えた?
ホントに50代以上の新築マンション購入者の割合が増えているのか?
リクルート住まいカンパニーが17年3月15日に発表した「2016年首都圏新築マンション契約者動向調査」データを元に確認してみよう。
同調査データを元に、首都圏の新築マンション購入者に占める50代以上の割合を可視化したのが次のグラフ。
たしかに、SUUMOに掲載されたグラフと同様、50代以上の新築マンション購入者割合が増えている。
でも……。
針小棒大グラフだった!
同調査には、2006年以前のデータも掲載されている。
そこで時間スケールを拡げ、かつ各世代の購入者割合もグラフに加えてみた(次図)。
SUUMOに掲載されていたグラフは、狭い範囲(ピンク色の破線で囲まれた範囲)をクローズアップして、誇張して描かれていたことが分かる(これを針小棒大という)。
相対的には「50代以上」よりも、30代や40代の割合がはるかに大きい。
また、2007年以降の時間スケールで言うならば、50代よりも40代のほうがより増加しているのである。