不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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大阪・京都のマンション市場|平成29年第2四半期

国土交通省は8月25日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。

地価動向の把握を目的とした調査レポートではあるが、マンションの市況も掲載されている。

平成29年第2四半期(平成29年4月1日~平成29年7月1日)の大阪、京都の新築分譲マンションの価格動向を中心に、鑑定評価員(不動産鑑定士)のコメントをピックアップしておいた。


ポイント

【大阪圏地価】ほぼ全ての地区で上昇

大阪圏(25)では、上昇が 24地区(前回24)、横ばいが 1地区(前回 1)となり、ほぼすべての地区が上昇となった。

大阪圏地価
「平成29年第1四半期 主要都市の高度利用地地価動向報告」より

【京都】

京都市(中京区/二条):中古マンションの価格は強含みで推移

中古マンションの価格は市内中心部のマンション需給逼迫により強含みで推移。
当地区では、需給関係に変化を与えるような大規模な新築マンションや戸建開発等の予定は特段公表されてはおらず、中古マンションの供給も少ない状況が続いている。

地価動向

  • 当地区は、JR二条駅、地下鉄東西線二条駅に近接し、中心部等へのアクセスが良好で、周辺部に商店街等の利便施設も存し、住宅地としての利便性に優れている。
  • 当地区の需要者は、地縁のある中間取得者層を中心として、昨今の京都市中心部の不動産価格の上昇傾向により、堀川通以東の市内中心部の需要も流入している。
  • マンション賃料及び空室率は、当地区の需要層である中間取得者の所得水準に大きな変化はなく、概ね横ばいで推移しているものの、中古マンションの価格は市内中心部のマンション需給逼迫により強含みで推移している。
  • なお、京都市内では観光客の増加によりホテルの開発需要が強く、当該需要が市内中心部等への交通利便性に優れる当地区の需要を強める要因となっており、当期も取引価格が緩やかに上昇したことから、当期の地価動向はやや上昇傾向で推移した。

将来地価動向

  • 当地区では、需給関係に変化を与えるような大規模な新築マンションや戸建開発等の予定は特段公表されてはおらず、中古マンションの供給も少ない状況が続いている。
  • 当地区はマンションを主とした住宅地としての利便性に優れており、マンション価格も、京都市中心部と比較すると相対的に割安で、マンション需要は新築、中古共に底堅いエリアであるため、取引価格の緩やかな上昇が継続し、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。
京都市(中京区/下鴨):マンション分譲価格は概ね横ばいで推移

マンション分譲価格についても概ね横ばいで推移している。

地価動向

  • 幹線道路背後の高級住宅地を中心に需要は安定しており、全般的に物件供給は少ない状況が続いている。
  • 売り希望価格は横ばいで、取引価格については変化が見られず安定しており、概ね横ばいで推移している。
  • 幹線沿いの物件については一定の需要は認められるものの、それほど強くなく、背後の高級住宅地以上に物件供給は少なく取引も少ない。
  • マンション等の投資物件については取引は少なく取引利回りの把握は難しいが、当地区の取引価格は横ばいで推移しており、賃料も横ばいで推移していることから、取引利回りも横ばいで推移しており地価動向は概ね横ばいで推移している。

将来地価動向

  • 幹線道路背後の高級住宅地については、富裕層を中心として一定の需要は認められるが、幹線道路沿いの物件については住宅地に比べると需要は相対的に弱い。
  • 目立った取引はないが、周辺地域の取引価格は概ね横ばいで推移している。
  • 店舗の賃料についても、変動は少ない。取引利回り、マンション分譲価格についても概ね横ばいで推移している。
  • 価格形成要因に変動を及ぼす要因は今のところ見られないことから、将来の地価動向は今後も概ね横ばいが続くと予想される。
京都市(西京区/桂):住宅需要は堅調に推移

当地区で不動産購入を検討する住宅需要者によって住宅需要は堅調に推移している。

地価動向

  • 当地区は特急停車駅である阪急電鉄京都線桂駅の徒歩圏に位置し、交通利便性に恵まれ、周辺には生活利便施設や学校等も存し、良好な居住環境を有している。
  • 当地区の需要の中心は自己使用を目的とするものであり、収益物件の需要も認められるものの供給は限定的であり、マンション賃料及び空室率は概ね横ばいで推移している。
  • また、昨今の京都市中心部のマンション需給逼迫により、当地区で不動産購入を検討する住宅需要者によって住宅需要は堅調に推移している。
  • 以上から、マンションデベロッパーによるマンション素地等の取得需要は強く、取引価格は緩やかに上昇しているため、当地区の地価動向はやや上昇傾向で推移した。

将来地価動向

  • 洛西口駅及び桂川駅界隈の開発により利便性は大きく向上し、これが当地区の住宅需要の下支えとなった。
  • 今後は周辺部である阪急電鉄京都線東向日駅西側の旧イオン向日町跡地の開発や同線洛西口駅付近の鉄道高架下利活用の検討が予定されており、当地区を含む周辺エリアの更なる利便性の向上が期待される。
  • 当地区にもその効果が波及すると見込まれることから、当地区では取引価格の緩やかな上昇が当面継続し、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

 

【大阪】

大阪市(福島区):マンション分譲価格はやや上昇

エンドユーザー向けの分譲マンションは、各種設備の付加等によって差別化が図られており、マンション分譲価格はやや上昇している。

地価動向

  • 当地区は、大阪駅北側のうめきた地区の西側に位置し、当地区背後にはマンション等が集積し、分譲・賃貸ともマンション需要は依然根強く、デベロッパー等の開発素地需要も衰えを見せていない。
  • 南西方に位置するJR福島駅周辺の飲食店を中心とする商業地域にも近く、単身世帯のマンション人気を支えている一因となっている。
  • 空地が少なく、企業の移転・廃業等による土地供給が見られる程度で、取引価格は上昇傾向で推移している。
  • 賃貸マンションの供給は多いが交通利便性が良いため、マンション賃料は横ばいである。
  • また、エンドユーザー向けの分譲マンションは、各種設備の付加等によって差別化が図られており、マンション分譲価格はやや上昇している。
  • そのため、取引価格の上昇傾向等を反映し、地価動向はやや上昇で推移している。

将来地価動向

  • 当地区は、阪急・阪神梅田駅周辺の商業エリアへの交通利便性だけでなく、人気のある飲食店等が建ち並ぶJR福島駅にも近く、単身者・ファミリーとも居住希望者が多いため、マンション需要は旺盛な状態が続いている。
  • また、賃貸マンションの稼働率も高いことからファンド等の取得意欲も強く、マンション開発素地に対する需要も依然として強い状態が続いている。
  • これらのことから、今後も分譲目的・投資目的での素地需要や投資需要は強い状況が続くと見込まれ、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。
大阪市(天王寺区/天王寺):新築マンション分譲価格は高止まり

新築マンションの分譲価格は高止まり感も見られる中でやや割高な分譲価格と思われるマンションが即日完売しており、販売状況は当期も富裕者層の堅調な需要により概ね好調である。

地価動向

  • 当地区におけるマンション開発素地等に係る当期の土地取引は確認されなかった。当地区周辺の取引状況を見ると、立地条件が優る開発素地については高値取引が見られ、旺盛な需要を背景に取引価格は上昇傾向にある。
  • また、新築マンションの分譲価格は高止まり感も見られる中でやや割高な分譲価格と思われるマンションが即日完売しており、販売状況は当期も富裕者層の堅調な需要により概ね好調である。
  • 築浅の中古マンションは、当期も価格は上昇傾向が続いているが、一部では売れ行きがやや鈍くなり始めている。
  • 収益物件としての単身者・ファミリー向け賃貸マンションに対する投資家等の取得需要は引き続き強い状況が続いているが、取引価格の上昇は緩やかであるため取引利回りは概ね横ばい傾向であり、地価動向はやや上昇傾向で推移している。

将来地価動向

  • マンション需要が二極化しつつある中で、当地区は大阪市内で有数の文教地区に存し、分譲マンション等に係る選好性が高いため、富裕者層によるマンション需要は景気動向に左右されることなく堅調さを維持している。
  • また、当地区ではマンション開発素地の供給が限定的で稀少性が高まるなかでデベロッパー等の取得需要が相対的に強い状況が続いていることから、需給逼迫状況も当面は続くと予想される。
  • 新築マンションの分譲価格は概ね横ばい傾向が続くと予想されるが、開発業者等による土地取得需要の競合が継続すると見込まれ、また収益物件の供給も少なく投資需要が引き続き旺盛であることを背景に、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。
豊中市(豊中):分譲マンション自体の需要は堅調

緑が豊かで、かつ利便性の高い住宅地区として分譲マンション自体の需要は堅調。

地価動向

  • 当地区及びその周辺はニュータウン開発事業により造成された市街地であるため、新たな開発余地が少なく物件の供給は限定的である。
  • 当地区が属する千里中央エリアは、千里中央駅付近に大型商業施設が立地するなど利便性が良好で、また、全国的に知名度も高く公共施設も充実しているため、特にファミリータイプのマンションの人気が高く、近畿圏のみならず圏外からの転入も多い。
  • しかし、マンション素地の供給は住宅団地の建替事業に伴うもの等に限られ、長期的に供給不足の状況が続いている。
  • 中古マンションの仲介業者の取得・転売等は減少したが、取引価格の上昇傾向は継続している。当期は前期と比較して転勤等の少ない時期であることから取引件数は前期と比較して減少となった。
  • ただし、新築マンションが供給された場合には、マンション分譲価格は上昇傾向となるため、マンション素地の需要は強く、地価動向はやや上昇傾向にある。

将来地価動向

  • 当地区は新大阪駅や大阪空港並びに大阪市中心部へのアクセスに優れ、広域的なマンション等の需要が見込まれる地区である。
  • また当地区及び周辺には賃貸マンションがほとんどなく、70m2程度の分譲マンションが賃貸借される場合には賃料は15万から17万円程度の賃料が見込まれる。
  • 賃料は前期と比較して幾分下落から横ばい傾向になった。賃貸マンションの収益性に着目した需要は少ないが、緑が豊かで、かつ利便性の高い住宅地区として分譲マンション自体の需要は堅調であり、マンション素地としての需要の強さは続くことが見込まれる。
  • したがって、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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