駅前市有地活用事業の一画に建つ、大規模マンションの広告。
物件概要
【予告広告】秋葉原駅直通24分、駅徒歩2分。総戸数241戸(分譲192戸、賃貸49戸)、14階建。販売戸数/未定、1LDK(65.29m2)~4LDK(90362m2)。販売価格/未定。平成31年11月上旬竣工(本チラシ掲載日の2年3カ月後)。
新聞半紙大のチラシのオモテ面の、駅前の「官民一体複合開発」を謳うキャッチコピー。
駅直結×複合開発
[マンション・ホール・ホテル] 流山市との官民一体複合開発
駅前の「官民一体複合開発」とは何なのか?
流山市のHPに掲載されている「流山おおたかの森駅前市有地活用事業」によれば、流山おおたかの森駅前市有地に音響に配慮した多目的ホール、(仮称)市民窓口センター、ホテル・商業業務施設、集合住宅からなる複合施設を、民間事業の活用により一体的に整備することとされている。
4.事業手法
本事業は集合住宅の用に供する市有地4,200平方メートルと事業者が整備した公共施設を等価にて交換することにより、新たな市の負担をせず公共施設を整備するものです。
また、ホテル・商業施設の敷地2,000平方メートルについては、事業者と50年間の定期借地契約を結び貸付料(1平方メートル当り・月額610円 年間14,640,000円)を得ます。(以下略)
「流山おおたかの森駅前市有地活用事業|流山市」より
民間事業者はどのようにして選ばれたのか?
15年11月30日付で公表されている「流山おおたかの森駅前市有地活用事業事業者選定委員会審査結果及び講評」(PDF:482KB)をひも解いてみよう。
本事業に手を挙げたのは野村不動産グループ、住友不動産グループ、スターツコーポレーション・グループの3グループ。
「提案内容」と「提案価格」を合わせた「総合評価」の点数が最も高かったスターツコーポレーション・グループ(以下、スターツC)が選ばれている。
各内訳をみてみよう。
「提案内容」の比較
「提案内容」では150点満点のうち、スターツCが最も高い119.8点を獲得している(次図)。
ちなみに、集合住宅の点数は3グループとも同じ3.8点(5点満点)だった。
スターツCの「提案内容」に係る審査の講評には、次のように懸念事項が記されているのだが……。
(1)事業の総合計画
- (略)
- 代表企業の役割は、公共施設竣工までとしており、その後は各構成企業に移行するという考えから、借地期間を含めた事業期間中の確実かつ円滑な実施体制に懸念がある。
- 公共施設の設備等の一部を市に負担を求める提案となっており、質疑応答の中で、その提案の真意及びそれを回避するための解決策について確認したが、現実的な提案が示されなかったことから、当該企業グループによる本事業の実現性に懸念がある。(以下略)
「提案価格」の比較
提案価格(市の収入となる年間地代単価)の比較では、住友不動産グループが1,982万円/年と最も高い結果となった。
スターツCは1番ではない。
「総合評価」の比較
「提案内容(150点満点)」と「提案価格(10点満点)」を合わせた「総合評価(160点満点)」では、スターツCが最も高い127.2 点となった。
「総評」には次のように、スターツCの提案内容に対する考え方や実現するための方法が高く評価されている。
4 総評
(略)最優秀提案として選定したスターツコーポレーショングループの提案は、(略)特に、提案内容に対する考え方や実現するための方法が、詳細に検討・工夫されており、提案事業者として将来にわたっての果たす役割を理解した提案であったことが高く評価できた。
次点提案となった「住友不動産と『企業グループ・おおたかの森』」の提案は、音響効果に配慮した点が明確なホールであったが、多目的利用に関する具体的提案が十分ではなかった点が惜しまれる。(以下略)
「総評」の最後は、次のように締めくくられている。
最後に、スターツコーポレーショングループにおいては、豊富な経験に基づく高い能力を最大限発揮し、設計を含めると50年を超える長い事業期間の中で市の良きパートナーとして御協力頂くことを心よりお願いする。
ちなみに、スターツCが創業されたのは1969年(48年前)。本事業期間(50年)は、スターツCの社歴よりも長い。
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