不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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湾岸エリアのマンション事情|平成29年第2四半期

国土交通省は8月25日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」を公表。

同レポートは比較的バイアスがかかっていない、マンションの市況を知り得る貴重な情報源のひとつ。

平成29年第2四半期(平成29年4月1日~平成29年7月1日)の佃、月島、豊洲、有明といった、湾岸エリアの新築分譲マンションの価格動向を中心に、鑑定評価員(不動産鑑定士)のコメントをピックアップしておこう。

ざっくり言うと、前回(平成29年第1四半期)からあまり変わっていない。


【東京圏地価】8割の地区が上昇

東京圏(43)では、前回と同様に上昇が 33地区(前回33)、横ばいが 10地区(前回10)となり、約8割の地区が上昇となった。

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「平成29年第2四半期 主要都市の高度利用地地価動向報告」を切り貼り

 

それでは各地区の「鑑定評価員のコメント」を見てみよう。

【佃・月島】資産保有目的の富裕層による需要は落ち着き

分譲価格は高水準となっており、資産保有目的の富裕層による取得需要は落ち着きつつある。マンション市況は引き続き概ね横ばい、経済情勢次第ではやや下落する可能性。

地価動向
  • 当地区は、銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強い地区である。グレードの高いタワーマンションが供給され、マンション市況は好調に推移してきた。
  • 底堅いマンション需要が見られるものの、分譲価格は高水準となっており、資産保有目的の富裕層による取得需要は落ち着きつつある。
  • 中古マンションの市況は、タワーマンション等の比較的高額物件の在庫が積み上がっており、成約までの動きは鈍い状況にある。
  • マンション素地については、デベロッパーの取得需要はあるものの建築費の高止まりにより採算性の検証が引き続き厳格化しており、選別化が一層進んでいる。
  • こうした背景から当期の取引価格は引き続き横ばいとなり、地価動向も横ばいとなっている。
将来地価動向
  • 地区内外で再開発事業や東京五輪関連施設の建築計画があり、都市基盤整備として環状2号線の建設工事が進みつつあり、こうした再開発事業等の効果は既にある程度先行して地価やマンション分譲価格に織り込まれていると見込まれる。
  • 資金融資環境が良好であることからマンション需要は堅調であるが、国内外の経済情勢の不透明感等を背景に中古マンションの在庫は増加しており、供給過剰感がある現状ではマンション市況は引き続き概ね横ばい、経済情勢次第ではやや下落する可能性も否定できない。
  • マンション素地については建築費の高止まりによりデベロッパーによる厳格な選別化が進むものと見込まれ、こうした背景から引き続き将来の地価動向は横ばいと予想される。

【豊洲】新築マンション分譲価格は安定的に推移

当地区の新築マンション分譲価格は上昇が続いたが、一次取得層の購入限度額に近づいているとの市場参加者の認識から、現在は安定的に推移。

将来性を懸念してマンションや開発素地を取得した者による売却の動きが出てくることも考えられる。

地価動向
  • 東京五輪開催決定以降、他の湾岸エリアと同様に強いマンション需要を反映して、当地区の新築マンション分譲価格は上昇が続いたが、一次取得層の購入限度額に近づいているとの市場参加者の認識から、現在は安定的に推移している。
  • また、中古マンション市場においては、価格を調整して成約に至った取引も一部認められるが、需要者の購入意欲は底堅く、価格下落には至っていない
  • なお、豊洲市場の移転問題に関しては、現時点で当地区のマンション需要への影響はなく、分譲価格への影響は認められない。
  • このような分譲マンション市場の状況から、デベロッパーの投資採算性が反映される開発素地の価格は安定的であり、当地区の地価動向は引き続き横ばいで推移した。
将来地価動向
  • 当地区は、新築・中古マンションともに大量供給が続いたが、将来的には取引件数の減少が予想される。
  • また、豊洲市場の移転に関しては、当初の計画と異なり築地との併用方針が示されたことから、将来性を懸念してマンションや開発素地を取得した者による売却の動きが出てくることも考えられる。
  • しかし、当地区は利便性の高さから居住目的を中心とした需要が底堅いため、マンション分譲価格等は安定的な動向が見込まれ、当地区における将来の地価動向は横ばいと予想される。

【有明】当期の成約価格はほぼ横ばいで推移 

マンション分譲価格が一次取得者の購入限度額に近づいているとの市場での見方が窺える等から、当期の成約価格はほぼ横ばいで推移。

地価動向
  • 東京五輪の開催決定以降、当地区におけるマンションの売買成約価格は上昇傾向が続いていたが、他の湾岸エリアで大量供給された新築物件への買い替えに伴い、地区内で中古マンションの供給が増加したこと、マンション分譲価格が一次取得者の購入限度額に近づいているとの市場での見方が窺える等から、当期の成約価格はほぼ横ばいで推移した。
  • 建築費の高止まりやマンション市況がやや停滞していることを受け、デベロッパーの採算性検証は厳格化しているが、当地区は五輪関連施設の建築や国家戦略特区の指定を受けた大規模開発事業等が計画されるなど注目度が高く、開発素地の取得意欲は依然として強いことから、地価動向はやや上昇傾向で推移している。
将来地価動向
  • 湾岸エリアでは、引き続き大型分譲マンションの竣工・開発が控えており、今後も供給が継続するため現在はマンション分譲価格の上昇を見込みにくいが、当地区は五輪関連施設の建築や地区計画によるまちづくりが進捗中であるほか、都心部と湾岸部を繋ぐ環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想など、交通インフラの整備も見込まれており、将来の発展期待が高いエリアである。
  • このような状況から、デベロッパーの開発素地取得意欲は強い状況が続き、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

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