全国4万6千件の民泊構造を可視化することで、全国一律の規制では民泊問題の解決は難しいことが分かる。
マスコミ各社には、この可視化情報を広く伝えてほしい。
マスコミ報道では分からない、民泊の実態
全国一律の規制では民泊問題は解決しない。
なぜならば、金儲けを重視する「投資型民泊」と訪日外国人との交流を重視する「ホームステイ型民泊」の割合が、自治体によって大きく異なるからだ。
では、どこの自治体で投資型民泊が多く営まれているのか?
マンションと一軒家の割合は、自治体によってどの程度異なるのか?
このあたりの定量的な情報の共通認識がないままに、「投資型民泊」と「ホームステイ型民泊」とを均等に扱うマスコミ報道が世間をミスリードしていないか。
日本では清く美しい「ホームステイ型民泊」は極めて少数派であって、大半は金儲けを重視する「投資型民泊」ではないのか――。
全国4万6千件の民泊構造を可視化してみた
民泊仲介サイトAirbnbに登録されている国内の物件数は、約4万6千件(2017年1月4日現在)。
この件数を都道府県別、建物タイプ別に整理したのが次の表だ。
全国Airbnb登録件数のうち、1都2府だけで7割を占めている。
建物タイプ別では、マンション・アパートが全体の7割、一軒家が2割を占めている。
(AirLABOのデータを筆者が集計)
上表を可視化したのが次のグラフ。
全国Airbnb4万6千件のうち、1都2府のマンション・アパートがかなりの割合(24,737件、54%)を占めていることが一目瞭然であろう。
都市と地方の民泊を分けて議論すべし!
上のグラフを念頭に置くならば、全国一律の規制では民泊問題の解決が難しいことが理解できるのではないか。
都市部のマンション民泊についてはマンション住人の安心・安全確保にウェイトを置いて検討する。
地方の一軒家民泊については、地方活性化を図ることにウェイトを置いて検討する。
- ※詳しくは、「法整備に必要な観点|2016民泊施策を振り返る(3)」ご参照。