民泊のあり方を論ずるには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月初め、Airbnb登録件数に係る定量的な分析記事を投稿している。
- 全国Airbnb登録件数の概況
- 東京23区Airbnb登録件数:1位新宿約3,300件
- 大田区Airbnb登録件数:7月以降微増
- 中央区(大阪市)Airbnb登録件数:全国一をキープ
- 京都市Airbnb登録件数:再び増加
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Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabank(http://airbdatabank.xyz)が無料公開しているデータをもとに、10月1日現在のAirbnb登録状況を可視化してみた。
全国Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数 4.2万件
全国でAirbnbに登録されている物件数は42,623件(10月1日現在)。
前月比3.8%の微増。
1位東京・2位大阪・3位京都の順位変わらず
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都(23区)約1万5,400件、2位大阪府(大阪市)約11,400件、3位京都府(京都市)約4,300件。先月と順位変わらず。
1都2府のシェア73%
都道府県別のシェアを次図に示す。
1都2府だけで全国の73%を占めている。
1都2府とも、3か月前に初めて減少に転じていたが、再び増加している(次図)。
1都2府のシェアは、2か月連続で変化なし(次図)。
東京23区Airbnb登録件数:1位新宿約3,300件
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区で約3,300件。2位は渋谷区約2,300件。この2つの区が第1グループを形成している。
第2グループは3位港区、4位台東区、5位豊島区、6位世田谷区。
国内初の民泊条例施行でマスコミが盛んに取り上げている大田区(291件)は15位に過ぎない。
大田区Airbnb登録件数:7月以降微増
昨年10月に大田区の民泊条例の検討が世間に周知されて以降、「民泊条例制定(12/7)」や「民泊申請受付開始(1/29)」といったイベント報道にも係らず、Airbnbのアパート(Airbnbでは「マンション」とは呼ばない)の登録件数は増加し続けていた。
その後、旅館業法改正施行(4/1)に向けて増加に歯止めが掛かったのもつかの間、4月に入って再び増加。
5月1日を境に、2か月連続で減少していたアパート(マンション)は7月以降微増に転じている。
中央区(大阪市)Airbnb登録件数:全国一をキープ
大阪市内のAirbnb登録件数は、相変わらず中央区(3,948件)と浪速区(2,500件)がツートップ(次図)。
全国で最もAirbnbの登録数が多い自治体は中央区(大阪市)であることに変わりはない(次図)。
7月に減少に転じていたが、8月以降再び増加。
京都市Airbnb登録件数:再び増加
京都市内のAirbnb登録件数は、下京区が圧倒的に多い。
Airbnb登録件数は5月から2か月連続で減少していたが、7月を境に大幅増に転じ、その後足踏みしていたが再び増加(次図)。
7月13日に開設された「民泊110番」(6割が「通報」!京都市「民泊通報・相談窓口」260件(7月分))の抑止効果も一時的なのか、再び増加し始めた。
京都市長の「集合住宅内の民泊は認めない発言」(8月31日)の口先効果は効き目なしか――。