大田区の特区民泊の認定状況を伝える産経の記事。
大田区の特区民泊認定が順調に推移(産経記事)
民泊事業の認定が順調に推移し、計50居室に達したという。
大田区の民泊認定物件が順調に推移、20件に
大田区が一般住宅に有料で観光客らを泊める「民泊」を認める条例を1月29日に施行してから約7カ月。区は9日までに、民泊事業の認定物件(8日現在)が計20件、計50居室に達したと発表した。
(中略)
認定件数は、2月に民泊仲介サイト運営会社「とまれる」(千代田区)が申請した2件、3月に4件、4月に6件、5月~8月8日までの間も1~3件にのぼるなど、順調に推移。理由について同区は「旅館業法で設置する場合と違って大田区の民泊事業では、施設を住宅のまま活用できるうえ、需要が落ち込めば賃貸に戻せる。参加事業者は、そこにメリットを感じたのではないか」との見方を示した。(産経ニュース 8月10日)
ホントに「順調に推移」しているのか?
3か月間で増えた認定居室数は、たったの16室
3か月前の毎日新聞の記事では、大田区の認定は34室であった。
筆者の調査により、34室は、とまれる(株)(20室)と(株)AMBITION(13室)の2社が大半を占めていることを紹介した。
「「合法民泊」を上回る勢いで増加!大田区の「違法民泊」」より
この3か月間に増えたのは、たったの16室(=50-34)である。
これで「順調に推移」しているといえるのだろうか?
念のため現在、とまれる(株)と(株)AMBITIONが大田区で運営している民泊物件の内訳を調べてみた(次表)。
50室のうち45室は、とまれる(株)と(株)AMBITIONの民泊物件なのである。
つまりこの3か月で、両社以外の民泊物件は5室増加したに過ぎない。
大田区のAirbnb物件は区認定物件の5倍
一方、大田区でAirbnbに登録されている物件数は257件(8月10日現在)。
大田区が認定した50室の5倍の数である(次図)。
特区民泊の普及のネックとないる「6泊7日以上」要件が、今秋にも「2泊3日以上」に緩和されるかもしれない(「6泊7日以上」から「2泊3日以上」に緩和!?どうなる民泊)。
もし緩和されるとAirbnb vs認定物件のバランスはどう変化するのだろうか?
大田区で登録されているAirbnb物件数の推移を見てみると(次図)、日経が8月5日にアドバルーン記事「民泊、2泊からOK 特区で日数規制を緩和」を打ち上げてから、物件数が増加し始めたのが気になるところである。
あわせて読みたい
(本日、マンション広告なし)