「おとり広告」の増加を伝える日経記事。
賃貸「おとり広告」増加
ネット検索拡大・業者の競争激化 件数1.6倍、若者ら狙う成約済みの賃貸物件をインターネット広告に掲載し客を呼び寄せる「おとり広告」と呼ばれる悪質商法の被害が相次いでいる。来店した入居希望者には別の物件を紹介し、契約に持ち込む手口だ。
業界団体が2015年度に認知した不当表示などの違反物件は3600件を超え、前年度の1.6倍に増えている。
消費者庁も業界団体に取り締まりの強化を要請した。(以下略)
(日経新聞 7月25日)
首都圏不動産公正取引協議会のサイトをひも解くと、たしかに平成27年度の違反物件は3,619件あったことが確認できる。
平成27年度・違反物件情報等の共有結果について
(前略)平成27年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)は、3,619物件(うち当協議会管轄エリアの物件数は、2,147物件・59.3%)の違反物件が共有され、また、広告主であるその事業者数は883社(うち当協議会加盟事業者数は474社・53.6%)でした。(以下略)
全国の事業者総数は不明だが、883社が平均4.1回(=3,619物件÷883社)違反しているという計算になる。
同協議会のホームページに公開されている事業報告のなかに、毎年度の「事案処理件数」が掲載されている(次表)。
2009年度~2015年度の事業報告をひも解き、「表示関係」の事案処理件数をグラフ化してみた(次図)。
「厳重警告・違約金」は毎年50件前後。
「警告等」は、09年度以降減少傾向にあったが、15年度に2.2倍に増えている!
この急増原因について、事業報告のなかに説明は見当たらない。
いくつかの違反事例が列挙されているだけである。
A社の違反
(ア) 取引する意思のない「おとり広告」3件
例えば、「家賃3.5万円 1R 専有面積25.48m2」等と記載した物件は、(1)新規に情報公開後に取引中止となった以降、顧客から216件もの問い合わせがあり、元付会社に確認をすれば取引できないことが容易に分かるにもかかわらず、約10か月間継続して広告を行い、また、(2)対象のワンルームは6人で共同使用するものなのに、その旨記載せず、あたかも単独で使用できるかのように表示していることから、取引する意思のない「おとり広告」と認定した。なお、このほかにも同様の「おとり広告」が2件あった。
※(イ)(ウ)は省略
B社の違反
対象の7物件は、すべて新規に情報公開後に契約済(又は貸し止め)となったが、以降更新を繰り返し、長いもので3か月半以上、短いものでも21日間継続して「おとり広告」を行った。
おとり広告の急増といい、なんとも嘘つきが多そうな業界である。
「家を売るのは仕事、嘘もつきます」と即答する三軒屋万智(北川景子)のイメージと重なる。
どこかの国の政界よりはましか・・・・・・。
https://twitter.com/1manken/status/758137248969662465