新年度に入って1カ月近くが経過。今週からのゴールデンウィークの休みを利用して、「新築マンションでも検討してみようかな」という方がおられるのではないだろうか。
そういう方がまず手に取るのは、SUUMO(スーモ)かもしれない。
SUUMOには毎号、特集記事が掲載されている。
編集される方は毎号、どういった記事を特集するのか頭を悩まされているのではないか。
あるいは、学校の先生よろしく、毎年お定まりのテーマを扱っているのか?
筆者の書斎には、2008年以降の8年分のSUUMO首都圏版のバックナンバーが保存されている。
各年の4月のSUUMOの特集記事の変遷を調べてみた。
2008年4月(リーマンショックの前)
背表紙に記された特集記事を書き出すと次のようになる。
( )内は、筆者が勝手につけた4区分(お金の話、住まい方、家の買い方、その他)。以下同様。
- 20代・30代・40代 家の買い方(家の買い方)
- 賃貸vs買う おトク対決!(お金の話)
- マンション購入 総額いくら?(お金の話)
- 700万円差がつく 金利の話(お金の話)
- 24時間快適!最新マンション (住まい方)
「賃貸vs買う」といった結論の出ない(出さない)お馴染みの特集記事が掲載されている。
2009年4月(リーマンショックの後)
- 資産価値が落ちない街(お金の話)
- 住宅ローン減税 最大利用法(お金の話)
- 家とお金の常識(お金の話)
- 今は買いどき?5つの視点(家の買い方)
リーマンショックの前(2008年)とテーマ的なの違いは特に見られないが、厚さがやや薄くなった。
2010年4月(東日本大震災の前)
- 年収でわかる「買える額」(お金の話)
- 首都圏沿線 実力ランキング(お金の話)
- 家族を守るマンション構造(その他)
- 家族人数別 3LDK活用法(住まい方)
震災後ではなく、震災前に「家族を守るマンション構造」という特集記事が組まれていたのにはチョット驚き。
2011年4月(東日本大震災の直後)
- 年収別4403人 家とお金(お金の話)
- 首都圏181駅 価格マップ[最新版](お金の話)
- どの部屋がトク?価格のヒミツ(お金の話)
- 家の買い方基礎知識(家の買い方)
震災前と比べて、テーマ的な違いは特に見られないが、4月5日号はかなり薄くなっている。このころは新築マンションの販売が見合わせられた時期だ。
2012年4月(震災後1年経過)
- 年収別・買った家 実例集(お金の話)
- 今の家賃で「買える額」(お金の話)
- 基礎から分かる「家とお金」(お金の話)
- 永住したい街 4つの条件(住まい方)
例年とあまり変わり映えしない特集記事だ。
2013年4月(消費税増税1年前)
- 新築を買う 4つのメリット(家の買い方)
- 年収と家 実例公開(お金の話)
- 資産価値が落ちない街(お金の話)
- よく分かる 家のお金(お金の話)
- 使える共用施設ランキング(住まい方)
消費税増税を意識した特集記事は見られない。
ただ、震災後2年経過して、SUUMOが厚みを取り戻してきた。
2014年4月(消費税増税の直後)
- 年収と家 事例公開(お金の話)
- 家とお金 今の常識(お金の話)
- 家探し&お金 購入体験談(お金の話)
- 長く住める 3LDK選び(家の買い方)
消費税増税(5%⇒8%)の導入直後で、デベロッパーは販売を抑制したので、SUUMOの厚さも例年になく薄い。
2015年4月(現在)
- 首都圏全域 価格マップ ( お金の話 )
- 家を買って資産を作る ( お金の話 )
- 家事ゼロ生活 新居で実現 ( 住まい方 )
SUUMOの厚さは薄いままだ。
以上、過去8年間を振り返って気づくのは、「年収と家 実例公開(12年・13年・14年)」、「資産価値が落ちない街(09年・13年)」、「家とお金の常識(09年・14年)」、といったようによく似たテーマが繰り返し取り上げられていることだ。
4区分でみると、全33冊のうち、「お金の話」が22冊(67%)と最も多い。
「住まい方」は5冊(15%)、「家の買い方」は5冊(15%)、「その他」は1冊(3%)でしかない。
消費者に新築マンションを購入してもらうには、「お金の話」で背中を押してあげる必要があるということなのであろう。
(本日、マンション広告なし)